2008年7月22日 (火)

グレッグ・ノーマン

 久しぶりにビッグネームが戻ってきた。

 Apx200807200003全英オープンでのグレッグ・ノーマン(53歳)の雄姿に心が躍った。おそらく世界中の50代が同じ気持ちを抱いたのではないか。さすがに外貌は年齢を隠せないが、白髪をなびかせながら鬼気迫る形相でのショットは、一時代を築いた全盛期の姿を髣髴させる。

 ホワイトシャーク(白い鮫)という異名を持ち、80年代には世界のゴルフ界の頂点に君臨した男である。あまりに強すぎて、アメリカでは悪役だった。不思議とメジャーのタイトルには恵まれず、2位・3位が多かったと記憶している。それでも、331週間に亘って世界ランク1位を守った。

 リンクス特有の強風に各選手がスコアを崩す中、単独首位で最終日を迎えた。ひょっとして…と思いながら、日曜日の深夜、家族が寝静まったテレビの前にひとり陣取る。テーブルにはスコッチのオンザロックス。

 バレスレロス、ニクラウス、ランガー、ワトソンなど、往年の好敵手たちの姿が次々と目に浮かぶ。若い頃、会社の独身寮で夜更かししながら何度も見た光景だ。

 結局その最終日、ノーマンは77とスコアを崩し、通算9オーバーで3位に終わった。残念だが、充分に楽しませてもらった。

 ホールアウト後のセルフがふるっている。
 「夢を追うのに年齢は関係ない。」
 スポーツだけでなく、すべてに通じる名言である。猛暑の3連休、心の底まで熱くなった。

 ボクも同い年。負けてはいられない。

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2008年7月20日 (日)

野茂の引退

 何日か前に野茂の話を書いたばかりなのに、その野茂が引退を発表した。

 2008071800000000maipbaseview0004月にロイヤルズを解雇された後も、現役続行を希望していたらしい。でも結局は、彼を獲得する球団は現れなかった。引退に際して、会見も開かずに「悔いが残る」とコメントしているのが、いかにも野茂らしい。

 彼が近鉄を任意引退して海を渡ったのが1994年。翌年ドジャースとマイナー契約を結ぶ。ボクが会社を辞めて大阪に戻ってきた年だから、よく覚えている。

 今回の報道を見ていると、メディアは一様に「メジャーに挑戦したパイオニア」と高く賞賛している。勝ち馬に乗るのがマスコミの習性とはいえ、「今ごろよく言うよ」というのがボクの素直な感想である。

 14年前を思い起こしてほしい。あのとき、日本球界もマスコミも彼を手厳しく非難した。わがままだと決めつけて、メジャーでの活躍にも懐疑的だった。

 あの寡黙さから彼の気持ちを読み取ることは難しいが、パッシングの嵐の中、傷心で日本球界を去ったのだと思う。そして二度とここには戻らないと退路を断ったはずだ。

 彼の素晴らしさは、自らを信じ、他人の意見などに一切耳を貸さず、自らの力で進むべき道を切り開いていったこと。名門校で指導者に恵まれたわけでもなく、自分で編み出したトルネード投法を頑固に守り通した。雑草のように武骨な生き方。

 かつて『平成の名勝負』と言われた清原との対決は見ごたえがあった。フォークを封印してストレート1本勝負。記録を調べてみたら、5年間の対戦成績は118打数42安打(10本塁打)。3割5分6厘の高打率を残しているが、34三振も喫している。

 その清原が「自分のタマで勝負できる最後のピッチャー」だったと述懐している。清原にしてみたら、あの松坂だって眼中にないのだ。

 これからは引く手あまただろうが、日本での解説者などつまらない仕事は引き受けてほしくない。海の向こうで、また新しい道を切り開いていくのが彼には似合っている。

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2008年7月16日 (水)

金光大阪vs高槻

 いよいよ大阪も梅雨明け宣言。真夏の陽射しが眩しい。

 そんな中、午後から仕事を休みにして、豊中球場まで行ってきた。

 2008_07160012妹の次男が高校野球の地区予選に出ているのだ。5年ぶりに緒戦を突破し、今日の2回戦の相手は”金光大阪”。昨年夏の大阪代表として甲子園に出た強豪である。

 双方のスタンドを見比べると、さすがに格が違う。相手校はベンチ入りできなかったユニフォーム姿の選手たちを中心に、そろいのTシャツ姿で応援席に整然と陣取る。地鳴りがするような一糸乱れぬ手拍子には、思わず見とれてしまう。

 対するこちらはバラバラの寄せ集め応援団で、声を出すのも何だか恥ずかしげ。いや、こういうのが素人臭くていいのだ。試合前のノックにしても、相手はプロの監督。こちらは… でも、もうそれは言わない。

 2008_07160022しかし驚くなかれ…コールド負けかと思いきや、フタを開けてみると試合はがっぷり四つに組んだ好ゲーム。そしてクライマックスは8回裏。1点差に追いついてなおも1死満塁。一打逆転の好機に、1年生ながら3番を任されたわが甥っ子が登場。3塁側スタンドは興奮の坩堝(るつぼ)。隣の母は目をつぶって手を合わせ、最前席で父はデジカメを構えて微動だにしない。固唾を飲んで見守る応援席。しかし、その願いもむなしくフルカウントからあえなく三振。後続も絶たれ、スタンドから悲鳴が聞こえる。

 大金星の夢は消えた。でも敗れたとはいえ、2-3の善戦は立派。

 泣くな!胸をはれ!

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2008年7月14日 (月)

記録と記憶

 イチローが3000本安打までカウントダウン。

 Mlb_photo_thumb_2173春先から低迷していた打率も、このところの固め打ちで3割を超えた。そして8年連続で球宴出場。

 イチローが天才打者であることは今さら言うまでもないが、ボクは打撃よりも、むしろ走塁や守備が印象に残る。とくに矢のようなレーザービームで走者を刺すクロスプレーは圧巻。でもこれは記録としては、一刺殺というだけのこと。

 「記録に残らなくても、記憶に残るプレーヤーでありたい」というのは、かつての巨人軍・中畑清の名セリフ。たしかに打率290(実働13年)はともかく、171本塁打、621打点、1294安打では巨人軍の4番として物足りない。

 4月に金本が2000安打を達成したときに、ふとこの言葉が頭をよぎった。

 阪神に来て6年目。広島時代は前田・江藤とクリーンアップを組んでいたことは知っていたが、それほど目立つ選手でもなかった。もしあのまま広島にいたら、2000本を打ったかもしれないが、こんなに騒がれることもなかっただろう。

 野球に取り組む真摯な姿がファンの共感を呼び、人気チームの4番打者ということで余計にスポットライトが当たった。でも金本が光り輝くのは、けっして安打数ゆえではない。

 2000本安打や200勝が立派な記録であることを否定はしないが、それだけを超一流選手のモノサシにするのはどうか。ボクは名球会という組織の体質が好きではない。お山の大将になりたいカネヤンが、ONを両脇に従えてボスに座った。しかも入会資格を昭和生まれに限って、大先輩たちを弾き飛ばしてしまう。

 かつての柴田(巨人)は、一度も3割を打つことなくこの名球会に入った。最近では田中幸雄(日本ハム)をはじめ、立浪(中日)や駒田(横浜)などはお世辞にも超一流とは言えない。有資格者の落合監督が入会を辞退したのも肯ける。

 中西(西鉄)が打った安打は1262本だし、杉浦(南海)がマークしたのは187勝。だが、名球会に名を連ねた選手たちより、はるかに強烈な印象を残している。

 地味に安打や勝ち星を重ねるだけが野球選手の勲章にあらず。サヨナラホームランやファインプレーなど、大観衆を沸かせることこそプロの真骨頂である。

 日米で200勝を達成した野茂。でも彼のすごさは、あのトルネード投法を引っさげて、単身海を渡ってメジャーへの道を切り開いたこと。新人王や2度のノーヒットノーランも経験したが、事実上の解雇通告も一度ならず受けた。現役続行への執念が、所属球団11チームというとんでもない記録を作った。もし200勝が達成できなかったとしても、彼の雄姿はいつまでもファンの心に残る。

 もし自分が野球選手なら、やはり記録よりも記憶に残る選手でありたい。 

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2008年6月25日 (水)

セ・パ交流戦

 プロ野球のセ・パ交流戦が終わった。

 昨日から5日間の中休みというのは間延びしすぎて、これまで盛り上がった球趣に水をさす。早く帰宅しても、長い夜は退屈だ。

 このセ・パ交流戦も今年で4年目。ふだん接する機会の少ないパリーグの選手をじっくり見ることができて、なかなか楽しい。ましてや今年は、4チームが最後まで首位を争う大混戦。

 90551_c160ソフトバンクと阪神が同じ勝率で並んだが、昨年の交流戦順位でソフトバンクが優勝。

 これも不思議なルールだ。せめて得失点差や直接対決での成績など、今年の数字だけで決めた方がスッキリする。来年は再考して欲しい。

 さて、セリーグは岡田阪神の快走が続く。6.5ゲーム差は安全圏だという人もいるが、長い低迷期に慣れたオールドファンは、不安を隠せない。

 阪神OBの野球解説者が「こんな独走の経験がないから落ち着かない」という。8月の北京五輪は楽しみだが、好調なチームほど主力をごっそり抜かれるのもツライところ。

 何しろ「タイガースはファンの期待に応えるのではなく、つねに期待を裏切り、ファンを驚かせることをチームカラーにし続けてきた」(『タイガースへの鎮魂歌』玉木正之)球団である。

 このまま突っ走ってほしいが、そうは問屋がおろすまい。

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2008年6月19日 (木)

月見草の記録

 ノムさんこと楽天・野村監督が昨夜の阪神戦で敗れて、監督通算最多となる1454敗目を喫した。

 スポーツ紙によると、不滅の日本記録だそうだ。

 この人が阪神の監督に就任したのは、ダメ虎末期の1999年オフ。三顧の礼を尽くしてヤクルトから迎えられたものの、3年連続最下位と結果が出せなかった。試合後はいつも選手を名指しで批判して、今岡や坪井など才能ある選手たちを腐らせてしまった。

 ノムさんというと、その頃の陰湿な印象が強いが、最近の飄々としたコメントはアク抜けしていて稚気さえ感じる。

 ところで、阪神を今のような常勝軍団に育て上げた最大の功労者は星野SDだといわれているが、最近になって彼の功績も無視できないのではないかと思い始めた。

 圧倒的な戦力不足の中で、井川をひとり立ちさせ、遠山を松井キラーとして蘇らせた。さらに伸び悩んでいた檜山を3割バッターに変貌させ、赤星・藤本たちをF1セブンと名づけて機動力野球を叩き込み、矢野を球界を代表する捕手に育てあげた。

 492229821彼の手法は、選手にしっかり教育をして、自らの力で勝てるようにするという時間のかかるやり方。一昨日の甲子園での試合前、広沢コーチが3塁側ベンチへ表敬訪問に訪れた。かつての教え子に笑顔で応対していたが、ノムさんが蒔いた種は今立派に大輪の花を咲かせている。

 ヤクルト、阪神、楽天と、みごとに弱いチームばかり。負け数が多いのは仕方ないだろう。

 ちなみにワースト記録を調べてみたら、最多三振 1944(清原)、最多併殺打 378(野村)、最多敗北 298(金田)、最多暴投 148(村田)、最多失点 1940(米田)

 みんな錚々たるメンバーである。これも勲章か。

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2008年6月 8日 (日)

おめでとう!植田ジャパン

 昨夜、男子バレーボールのアルゼンチン戦をテレビ観戦。

 野球、ラグビー、サッカー、テニス、ゴルフ…たいていのスポーツは好きだが、ここ数年バレーボールはあまり関心がなかった。最初から最後まで全部観たのは十数年ぶりで、キャプテンの荻野以外の選手は名前も顔も知らない。

 ルールもずいぶん変わった。ボクがよく観ていた頃は、サーブ権がないとポイントが動かないサイドアウト制。いつの間にかラリーポイント制が導入されてゲームの進行が早くなった。これもテレビの放送時間の関係かもしれない。

 ユニフォームの色が違うのは、リベロという守備専門の選手。これも後で調べて分かった話だが、アタックが制限されていたり、サーブができなかったりするらしい。こうやってバレーも分業化されていくのだろうか。

 Pk2008060802100082_size8フルセットの接戦にもつれ込み、最後に決めたのはベテラン荻野。レフトからのスパイクが敵陣に炸裂する。16年ぶりの五輪切符。割れんばかりの大歓声の中、感極まった植田監督はコートに倒れ伏したままピクリとも動かない。

 その監督は試合後のインタビューで「ハッキリ言いますがメダル狙います!」と早くも次の目標を宣言した。その心意気やよし。

 しかし「すごく尊敬するおじいちゃんのような松平名誉会長(78才)、お父さんのような大古さん(60才)」という言葉にはビックリした。彼はまだ41歳だそうだ。ミュンヘン五輪での金メダルに感動したわれわれ世代とは、まったく時代感覚が違う。あの頃は『ミュンヘンへの道』なんてアニメもあって、今とは比較にならないほど国民的スポーツだった。いわばバレーの黄金時代。ところがその後どんどんメダルから遠ざかり、オリンピックにも出られなくなってしまう。

 ともあれ おめでとう!北京で頑張れ!植田ジャパン!

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2008年5月31日 (土)

魔法の水着

 たかが水着くらいで、そんなにスピードが違うとは考えもしなかった。

 裸同然で競う水泳は用具など関係ないと思っていたが、スピード社の最新水着を着た選手たちが世界新記録を連発している。生地は極薄、表面はスベスベ。超音波を利用して縫い目をなくし、水の抵抗を最小限に抑えるそうだ。着るのに数十分かかるほど窮屈で、価格は国産の3倍以上するとか。

 それなら日本選手もこの水着を使ったらいいと思うが、話はそんなに単純ではない。日本水連はすでに北京五輪で国内メーカーの水着を使う契約をしている。そして後塵を拝した国内3社は改良を急ぎ、昨日それぞれ新しい水着を発表した。そしてその評価はこれから。

 しかしこうなると選手の力や技を飛び越えて、何やら技術五輪の様相。

 かつて棒高跳びは、グラスファイバーポールの採用によって飛躍的に記録が伸びた。野球の金属バットやゴルフのカーボンシャフト・メタルヘッドなど、スポーツの世界にも技術革新の波が押し寄せている。

 それに加えて、五輪には商業主義が跋扈する。メーカーにしたら絶好の宣伝のチャンスだから、これを逃す手はない。大枚叩いてでも独占契約を結ぶ。

 企業の広告塔として踊らされるのは選手たち。しかし用具の性能差で勝負が決まるなどおかしいではないか。少なくとも契約はフリーにして、スピード社の水着も使えるようにしてあげてほしい。それがダメなら、全員裸で泳ぐしかない。もちろん画面にはモザイクでも入れて…

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2008年5月 5日 (月)

現役復帰

 11年ぶりに現役復帰した伊達公子のゲームと記者会見を見た。

 ライジングショットの切れ味は往年と変わらないし、何より表情がいい。

 10062160859_s柔和な話し方を聞いていると、ずいぶん大人になったものだと思う。ボクはかつての彼女のインタビューでの態度がキライだった。テニスでの実力は認めるが、生意気で不遜な口の利き方に好感を持てなかったのだ。

 考えてみたら仕方がない。6歳からテニスを始め、26歳で引退するまでずっとテニス漬け。学校の勉強もろくにしていないだろうし、ふつうの青春時代もなかったはずだ。自分で選んだ道とはいえ、日本中の期待を一身に背負って、若い女性にはさぞ過酷な日々だったことと思う。

 そして突然の引退発表。唐突さに驚いたが、ここまでで精一杯だったのだろうと気の毒さを感じたものだ。

 よもや復活があるとは予想もしなかった。ビッグネームの再登場で、いちやく注目を浴びた女子テニス。これで若手が刺激を受けてくれたらいいのだが。

 昨日、たまたま長女のテニスを観戦。いつの間にか強豪校のナンバーワン選手が入れ替わっている。何と新1年生で、ジュニア時代から有名だった選手という。

 大阪あたりだと、中学に入ってからテニスを始めたのでは遅すぎるらしい。伊達のように幼時から英才教育を施さなければ上位は狙えない。また、中学・高校でも有名な選手は、必ずスクールで専任コーチについていて、学校の部活のほうは籍を置いているだけなのだそうだ。

 勉強だけでなく、スポーツも今や過熱気味である。黄色い声を張り上げて応援しているお母さんたちを見て、そう思った。バランスのおかしな子供にならなければいいと念じるのみ。

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2008年5月 2日 (金)

天井理論

 ハンカチ王子こと斎藤佑ちゃんの話。

 ボールも速くなったし、低めの制球力は大学野球のレベルを越えている。毎試合神宮に何万人ものファンを集めるのにも驚くが、はるか大阪で東京六大学野球のテレビ中継が見られるようになったのも彼のおかげ。

 最近ある雑誌で、
「虫かごのバッタはその天井までの高さしか跳べなくなる。本当はそれ以上跳べる力を持っていても、その高さに慣れてしまう。人間も同じ。」という彼のコメントが紹介されていた。

 これを「天井理論」と呼んで、彼は大学野球を虫かごに譬えている。ソコソコの力で勝ててしまうと、本当はもっと素晴らしいピッチングができるのにそれ以上の力が出せなくなる、という意味らしい。今のところ大学野球では向かうところ敵なしだが、本人はバッタにはなりたくないから、現状に満足せずより高い目標を掲げているという。

 Saitou3そこまで考えているなら、どうしてプロに入らなかったのだろう。不安もあっただろうが、ともに甲子園を沸かせた楽天・田中マー君の活躍を見ると、余計にその思いが強まる。

 いずれプロを目ざすつもりなら早いほうがいい。大学の4年間はあまりに長くもったいない。高卒のバッターが即戦力になるのは難しいが、速球とキレのいい変化球を持つピッチャーなら充分にプロでも使える。かつての松坂はもちろん、ダルビッシュや成瀬、涌井、マー君などがマウンドで吼える姿を目にするにつけ、何かと対照的なハンカチ王子の端正なプレートさばきも見たかったものだと、寂しく思うのである。

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2008年4月17日 (木)

ニュー甲子園

 リニューアルされた甲子園球場で、阪神-広島戦を観てきた。

 第1期工事で内野席が変わった。

 簡単にいうと、内野席がグランド側に広くなった。以前の内野席は幅も前後も狭くて、上着を脱いだり、弁当を広げたりすると身動きがつかなかった。ましてや体格のいい人と隣合わせでもすると往生したものだが、それがかなり緩和された。

 さらに通路が増えたので、出入りが楽になった。これはビールを飲んでトイレが近くなるわれわれにはありがたい。

 2008416ところで試合のほうは、小刻みに得点して5対1で完勝。なんと下柳がスイスイと完投して、久保田も藤川も見られずじまい。

 雨にも降られず、9時前にはヒーローインタビューも終わって帰路につく。でも何だか物足りず、結局梅田で飲み直すことに。

 気のせいかも知れないが、北新地には応援グッズを持ったグループがチラホラ。

 負けたら自棄酒、勝ったら祝い酒、結局ファンというのはいつも飲んでいる…

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2008年4月 5日 (土)

順位予想

 開幕カードでヤクルトが巨人に3タテを食らわしたかと思ったら、今度はパリーグでは楽天が首位に躍り出た。

 こういうのは面白い。ボクは断然弱いチームの味方である。

 毎年オープン戦の終わり頃になると、野球評論家なる人たちが、もっともらしい顔をして今年の順位予想なるものを発表する。これをまた熱心に聞いているファンがいる。

 いつもバカじゃないかと思う。だいたいこんなモノは当たったタメシがない。前年の順位を少しいじっただけで、これくらいなら小学生でもできる。セリーグでいえば、Aクラスは巨人・中日・阪神、パリーグだと日ハム・ロッテ・ソフトバンクと、判で押したように同じ。こんなつまらない予想に理屈をつけて、恥ずかしくないのか。

 キャンプやオープン戦を回ってきた評論家ならば、足で稼いだ独自のネタがあるはずだ。それをモトにして、ファンを唸らせるような大胆な予想ができないものか。もしヤクルトや楽天の優勝を予想する評論家がいたら、ボクは当たらずとも間違いなくファンになる。

 だいたい予想は楽しむもの。誰も当たるとは期待していない。

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2008年3月28日 (金)

野球とベースボール

 昨日、野球とベースボールは違うスポーツだと書いた。

 少し補足したい。

 もちろん野球が明治の初期にアメリカから伝わったことは百も承知。初めは大学野球として定着し、さらに少年野球として裾野を広げた。戦後はテレビの普及とともに、プロ野球が国民的大衆スポーツに昇り詰めていく。

 ということは、日本に来てすでに130年ほどの長い歴史がある。文化も生活習慣も異なる遠い異国で、幾多の苦労を重ねたことだろう。しかしそれらを克服して、しっかりと根を下ろして立派に花を咲かせた。軟式野球のように、日本で独自の進化をとげたものもある。移民でいえば三世、四世の世代。もう母国語など話せないかもしれない。

 ルーツも大切だろうが、しかし百年以上も経ってなお、金科玉条の如く舶来信仰を持ち続けるのはいかがなものか。いまだに「本場のメジャーリーグ」などと口にする評論家をいつも苦々しく思う。

 食べ物ではそんな例はいくらもある。

 たとえばカレー。これはもともとインドの国民食ともいうべき料理だが、明治の初めに日本に持ち込まれた。そして日本人の味覚に合うように改良を重ねて、現在の形に完成された。今ではれっきとした日本の家庭料理で、インド料理の専門店で出てくるカレーとは違う食べ物だといっていい。

 ラーメンにしても、中国から入ってきたものが日本で生まれ変わった。ボクは何度か中国で拉麺を食べたことがあるが、麺もスープも日本のラーメンのほうがはるかに質が高い。

 野球とベースボールは似て異なるもの。目ざしている方向とて同じではない。パワーやスピードでは一歩譲るとしても、日本野球独自の道があるはず。少なくとも何でもメジャーに臣従する卑屈な根性だけは捨てようではないか。

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2008年3月27日 (木)

プロ野球開幕

 一昨日の夜、アスレチックスvsレッドソックスの日本開幕戦をテレビ観戦。

 Mlb_photo_thumb_4295東京ドームは、松坂大輔の凱旋姿をひと目見ようという熱心なファンで超満員。しかし肝心の松坂は制球難で自滅。5回2安打2失点ながら、球数が多くて緊張感のないゲームだった。西武時代と比べて成長したとも思えない。失望して途中でチャンネルを代えてしまった。

 しかし、パリーグは20日から開幕しているというのに、なぜこの時期にメジャーを呼ぶのだろうか。各メディアはパリーグそっちのけで、メジャーの話題で持ちきり。

 興行的には成功かもしれない。でも、日本の野球とメジャーといったいどちらが大切なのか。

 この開幕シリーズを主催しているのは球界の盟主たる巨人軍の親会社である読売新聞社。テレビも日本テレビ系列の独占中継。

 今、日本球界はスター選手のメジャー流出を防ごうと必死になっている。FAの取得年数にしても、国内移籍を国外より短くしようとするほどだ。その議論の先頭にいるのも巨人だったはずなのに、言ってることとやってることが矛盾していないか。改革という旗印の下、方向が定まらずに迷走している。

 それにしても、今年のパリーグはなかなか面白い。開幕ゲームはすべて1点差の好ゲーム。ダルビッシュ、小林宏、涌井、加藤大などがこぞって力投。イキのいい若手も伸びてきた。これで中田(日ハム)あたりが1軍に上がってきたら話題にはこと欠かない。

 もうメジャー信仰はやめようではないか。かつては体力的にも技術的にも大きな格差があったかもしれない。しかし、ここ数年の日本人選手の活躍を見ていると、日米のレベルはさほど違わない。むしろ三振かホームランかという大味なメジャー野球よりも、日本の繊細な野球のほうが質が高いと思うことすらある。

 断じて舶来を要せず!大枚払って役に立たない助っ人とやらを連れてくるのもやめよう。ボクは野球とベースボールとは違うスポーツだと思っている。

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2008年3月24日 (月)

引退

 引退試合や断髪式を見ていて、いつも思うこと。

 幸せな現役生活だったのだろうか。ここで引退して悔いはないのだろうか。

 棺に納まった物言わぬ顔を見ても同じことを思うが、引退は自分の意思で決めること。体力・気力の衰え、目標の喪失、経済的な不安、さまざまな思いの中で決断していくのだろう。

 最近では、10日ほど前の黒木の引退セレモニーにホロリときた。万年最下位だったロッテを支えたかつてのエース。だが、その復活は結局叶わなかった。オープン戦としては異例の3万人という観客が集まったらしいが、マウンドで吼えるジョニーの雄姿はいつまでもファンの記憶に残るだろう。

 引退後の仕事が保証されているのなら、晩節を汚さずにスパっと辞めるという選択肢もある。こうして第二の人生で活躍しているのは江川と掛布。逆にボロボロになるまで生涯一捕手を貫いたのは楽天・野村監督。

 それぞれの人生観や問題だから、どちらがいいとは言わない。しかし、ピークを過ぎた一流選手が、過去の名声を捨ててまで若手に混じって己の道をまっとうする姿には頭が下がる。自分にはとても真似できない。

 ということで今年は、横浜・工藤(44歳)、パイレーツ・桑田(39歳)、中山ゴン(40歳)と三浦カズ(41歳)に注目。

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2008年3月 9日 (日)

夢かなわず

 名古屋国際女子マラソン。

 Bjn003016009119復活を期した高橋尚子の夢はかなわなかった。9キロ地点で失速し、あとは先頭集団との差は開く一方。終わってみれば27位と惨敗だった。

 Qちゃんの強みは、マラソン10戦7勝という実績と経験。しかし、1年4ヶ月ぶりのレースと35歳という年齢を考えると不安は大きかった。さらに、これまでは練習の目安としていたハーフマラソンに出ずじまい。

 今日のブログはQちゃんのことを書くつもりだった。もし優勝して北京の切符をつかんだら書こうと思っていたネタもあったが、それは封印しておく。

 昔からQちゃんのファンで、彼女が出るレースはほとんどすべてライブで見ている。過酷なマラソンレースとあの爽やかな笑顔とのアンバランスが何とも魅力的だった。2000年のシドニーで、シモンとの死闘を制してゴールのテープを切った姿は今でもハッキリ覚えている。

 その彼女に対する印象が変わったのは、アテネの代表選考から落ちたときの記者会見。陸連が下した決定そのものは正しかったのだろうが、選考基準の曖昧さに国民は憤った。

 会見は圧巻だった。ヒロインの悔し涙を待ち望んで集まったテレビカメラを前にして、当のQちゃんは恨みごとひとつ言わず、一粒の涙も見せなかった。陸連の決定を従容として受け入れ、すべてを自分の責任として甘受する姿勢を貫いたのだ。タダの人ではない。記者団とのやりとりを見ていて、ここまでデキた人間はそうザラにはいないと感心した。

 そのアテネの翌年11月、東京国際で2年ぶりのフルマラソンを制して、不死鳥のように蘇る。表彰台で彼女は、国立競技場を埋め尽くした観客に笑顔でこう語った。
「夢を持ち続けて頑張れば、暗闇の道にも光が射してくることをみなさんに伝えたかった」
オリンピックがすべてではない。マラソンは楽しむために走るのだ。そういう生き様が気負いのない言葉に表れていた。泣けた…

 仕事でも勉強でも、苦しいとすぐに投げ出す人がいる。失敗したら二度と同じことに挑戦しない人がいる。 それに比べて、シドニーの金メダルからいったん奈落の底まで落ちて、再び這いあがってきたQちゃんが何と神々しく輝いて見えたことか。

 結果が出せずに挫折したときに、まず自分の弱さや欠点を省みることのできる強さ。自分が一番苦しいはずなのに、弱音を吐かず、言いわけもせず、ふだんと同じ笑顔で答えられる精神力。

 今日のレースでも、沿道を埋め尽くす応援はQちゃんひとりに向けられていたといっていい。そのプレッシャーをバネに、声援をエネルギーに、彼女は先頭集団から離されても黙々と完走した。

 剣道に『遊剣不動』という言葉がある。厳しい剣の修行に耐えて、その苦しさを楽しみつつ不動の自分をつくる、という意味だろうか。人生万事に通ずる極意である。アベベも円谷も君原もみんなそうだったが、マラソンランナーは哲学者であり求道者である。

 解説をしていた有森裕子が、かつてこんな言葉を残している。「レースの日は 42.195kmですべてが終わる。だから少しも苦しくない。その水面下にあるこの何百倍もの練習こそがマラソンと呼べるものなのです。」

 これからのQちゃんの人生にエールを送りたい。

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2008年2月20日 (水)

二重契約

 パウエルの契約をめぐって、オリックスとソフトバンクがもめている。

 オリックスが「先に契約を交わした」といえば、ソフトバンクは「その契約が破談になったと聞いたから契約した」と主張する。でも真相はヤブの中。

 ファックスやノートの切れ端でも法律上は有効。同じ契約書にサインしたら二重契約になりかねない。両球団から金銭を得る権利が発生する一方で、両球団でプレーする義務が生じる。そんなことができるはずがなく、選手としてはあるまじき行為。日本のプロ野球がなめられている。

 理屈はともあれ、本契約の寸前でソフトバンクが横からさらっていったというのは争う余地がない。

 プロ野球は公共の文化である。ファンとの信頼関係なしには成り立たない。外国人だからといって特別扱いすべきでない。契約金のつり上げを狙った選手や代理人の言い分を黙って認めるのも、ファンに対する裏切り行為。今後の外国人との契約の手続きの指針になるような裁定を期待する。

 清原が「金で魂を売るようなヤツ。(対戦する)価値もない」と吐き捨てている。タマには男気のあることを言う。同感である。

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2007年12月10日 (月)

契約更改

 この季節になると、スポーツ紙は契約更改の話題が続く。

 今年のデータを見ると、12球団の支配下公示選手744人の平均年俸は3,553万円で、1億円以上の選手が66人並んでいる。ヤンキースの松井が巨人にいた頃に、ホームラン1本がサラリーマンの年収に匹敵すると週刊誌に書かれたことがある。たしかにわれわれからすると雲の上の話だが、プロ野球選手は夢を売る商売だから、それで球団経営が成り立つのであれば高いとも思わない。

 阪神でいうと、昨年金本が5.5億円で3年契約を結んだ。今年の成績は物足りないが、あのプロ根性や克己心、練習量、人柄などはぬるま湯に浸かっていた後輩たちに大きな刺激を与えたはず。もうこれからは4番にこだわらず、若手の指導者としての役割も期待したい。

 故障に泣いた今岡の大幅減俸はやむを得ない。来期は新井の加入でサード争いも激しくなるだろうが、一昨年の打点王。もう一度あの勝負強いバッティングを見たいものだ。

 鳥谷・林などの野手に比べると中継ぎ投手の評価が低い。久保田・江草・橋本らが保留し、いずれも仏頂面で会見に臨んだ。1億円を越えた久保田はともかく、他の中継ぎ陣は少し気の毒な気がする。

 ボクの記憶では、かつてのONはこうした更改の席ではつねに一発サインだった。満足できる提示額だったかは別として、球界を代表するスター選手が金のことでガタガタ言うのはみっともないとでも思っていたのだろうか。

 しかし今や時代も変わった。ゴリ押しがいいとは思わないが、思いの丈をキッチリと主張したほうがいい。契約更改はとかく金額ばかりに目がいきがちだが、選手が自分の成績や評価について球団幹部と冷静に話し合ういい機会。その大切な交渉を代理人任せにするなどもっての他である。

 そのいっぽうで、サラリーマン社会ではなかなか年俸制は定着しない。やっぱりウェットな日本の企業風土には合わないのだろうか。

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2007年12月 4日 (火)

おめでとう!星野ジャパン!

 素晴らしい3連戦だった。

 とくに一昨日の韓国戦は最後まで息詰まる緊迫した接戦。夜遅くまでハラハラしながらテレビに釘づけになっていたが、終盤はピンチの連続。上原が最後のバッターを一飛に打ち取ったときは、思わず跳び上がってしまった。

 1204top 日の丸を背負って勝つことを宿命とされたチームを率いるプレッシャーは、凡人には想像もつかない。その星野監督も、さすがに韓国戦後のインタビューでは安堵感からかいつもの冷静さを欠いていた。「オレ何言ってんだろう…」と苦笑いした無防備な表情が人間臭くて、とても好感が持てた。

 今回の最大のヒーローは打者では4番を任された新井。投手では岩瀬だと思う。

 新井は5番の阿部とともに中軸の重責を充分に果たした。何よりも野武士のような面構えがいい。昨夜の台湾戦の初回。死球のミスジャッジをものともせず、三遊間を抜いて先制適時打。そして一塁ベース上でベンチに向かって大きくガッツポーズ。この闘志がナインを奮い立たせたことはいうまでもない。

 投手陣はみんな素晴らしかったが、なかでも韓国戦でロングリリーフに耐えた岩瀬の力投が秀逸。8回は藤川に継投かと思ったが、速球に強い韓国打線には岩瀬のような技巧派のほうが打ちにくいらしい。再三のピンチでの沈着なプレートさばき、そしてこれをしのいでマウンドでこぶしを挙げて躍る姿はまさに感動モノ。

 星野采配でなるほどと思ったのは、将来の日本野球を背負う涌井・成瀬・ダルビッシュの若手3人に先発を命じたこと。そして立派に彼らはその期待にこたえてくれた。

 野球というのは、こんなにエキサイティングな素晴らしいスポーツなのだ。昨日の台湾戦も逆転された時は一瞬ヒヤッとしたが、ベンチは冷静だった。稲葉に打たせて1、2塁にしたあと、代走宮本の果敢なスライディング、意表をつく大村のスクイズ、そしてたたみかける連打、この集中力こそが日本野球の真骨頂である。

 いよいよ来年の北京が楽しみになってきた… ガンバレ!星野ジャパン!

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2007年11月 2日 (金)

非情な采配

 あっけなく日本シリーズが終わってしまった。緒戦を落としたあとは、中日の4連勝。とくに後半の日ハム打線はまったく精彩を欠いていて、あっけないシリーズだった。
 写真
 どちらに肩入れしているわけでもないから、見ていても力が入らない。おまけに、両チームとも地味でインパクトが乏しい。

 そのなかで唯一ハラハラして見ていたのは、昨夜のゲーム。8回を終わって1対0。パーフェクトの好投を続ける山井は、日本シリーズ初の偉業まであとアウト3つ。ところが落合監督は、ここで驚くべき断を下した。なんと山井に代えて守護神・岩瀬を投入したのだ。

 賛否両論あると思う。勝ったからいいという人もあろうが、今朝のスポーツ紙では否定的な意見が多かった。

 表情をあまり変えない監督の内心は読み取れない。しかし、恐ろしく勇気のいる決断だったはず。岩瀬が3人でキッチリ抑えてくれたからよかったものの、もし1本でもヒットを打たれていたら、またフォアボールでも出していたら、何を言われたか分かったものではない。しかも点差はわずか1点。万が一ここで逆転負けでも喫していたら、シリーズの流れが一挙に日ハムに傾きかねず、世紀の交代劇として球史に長く名を残したに違いない。

 プロだからこそ勝敗にこだわる。そのためには温情を断ち切らないとならないときもある。

 このときボクは、この中日には阪神は勝てないと思った。この監督なら金本に代打を出すことも躊躇しないだろう。

 さて来月になれば、今度は北京五輪アジア予選。今年は、まだしばらく野球が楽しめる。

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2007年10月28日 (日)

投げた!打った!勝った!

 気持ちのいい秋晴れだったが、一日家でゆっくりしていた。朝からレッドソックスvsロッキーズのワールドシリーズ中継を観戦。注目の松坂vs松井稼の日本人対決はなかなか見ごたえがあった。
  Sokuho018_2
  ロッキーズはメジャーに参加してまだ15年の新しい球団。敵地ボストンで連敗した後、本拠地デンバーで大観衆が見守る中で迎えた第3戦。防寒具を身にまとったファンたちは白い息を吐きながら、全員が立ち上がって一球一打に驚喜する。こういう風景はなかなかいいものだ。

 デンバーにとってメジャー誘致が長年の悲願だったことは、このスタンドの盛り上がりを見ればよく分かる。これが本来のフランチャイズ制で、日本ハムや楽天もいい本拠地を選んだものだ。

 3時間近く観戦していて、気になったのは選手や監督たちがグランドやベンチの中ですぐにツバを吐くこと。ガムを噛むくらいは許すにしても、守備位置でピーナッツ袋を広げたり、ベンチでスナック菓子を頬張るのは行儀が悪すぎる。さすがに日本人選手たちにはこの悪癖は身についていなかったが・・・

 ゲームは中継ぎの岡島が3ランを喫したものの、レッドソックスが後半に追加点を入れて逃げ切った。試合後はヒーローインタビューも六甲おろしの大合唱もなく、観客は整然と帰路につく。彼らはみんな車で帰るし、ここらあたりは半分宴会場と化する日本の球場とは違うところ。

 このクアーズスタジアムは標高1,600mにあって空気が薄いためボールがよく飛ぶらしい。だからバッター優位でホームランが出やすいのだが、ここで唯一ノーヒットノーランを達成したのがあの野茂英雄だったはず。

 たまたま昨日のスポーツニュースで、彼がベネズエラに渡って現役を続けている姿を見た。最近でこそ多くの日本人が海を渡って活躍しているが、その先駆者たる野茂が残した功績は大きい。

 パイオニアとして大変な苦労をしながら道を切り開く。そして後続たちがたどり着いた時分にはどこやらに消えて姿も見えない。そういうのもちょっとカッコよすぎるのではないか。もう一度、あのトルネードの雄姿が大舞台で躍るのを見たい。

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2007年10月22日 (月)

大相撲改革

 今月の初め頃だったと思うが、テレビをつけたら渡会文科大臣と北の海理事長がニュースに写っていた。

 大臣は、小さな身体を90度折り曲げて最敬礼。いっぽうの理事長は、申し訳程度に頭を下げているだけ。時津風部屋の若手力士が死亡した事件で文科省から呼び出されて事情説明をしていたらしいが、理事長は身体も大きく不遜な態度で、どちらが謝罪しているのか分からない。それにしても、あの文科大臣の姿はちょっと情けなかった。

 若貴の引退後、角界は長らく低迷が続いている。積年の八百長疑惑は晴れず、出稼ぎ外国人力士に上位を独占されたまま。しかも朝青龍問題に続いて今回の暴行死事件と、問題山積である。

 しかし現在の北の海体制では、思い切った改革などとうてい期待できない。大相撲そのものが存亡の危機に瀕しているのに、問題意識が希薄で、自分が先頭に立って改革していこうという意欲がまったく感じられない。今回の問題でも「親方の責任」というコメントをくり返すが、そんな次元の話ではなく、根元からこの閉鎖社会の体質改善をしない限り大相撲には未来などない。

 もちろん北の海は、押しも押されぬ往年の名横綱。しかし、だからといって優れた指導者だという保証はない。ましてや理事長職ともなると、経営手腕やバランス感覚を問われる。

 プロ野球やJリーグを見習ってほしい。監督は必ずしも名選手ばかりではないし、外国からの招聘も辞さない。またプロ野球のコミッショナーは検事出身だし、元日本代表であるJリーグ・チェアマンにしても、先見性のある経営者である。

 しかるに旧態依然とした角界では、新人親方には発言権すらない。何ヶ月か前に貴乃花親方が、協会運営などに関する持論をメディアで繰り返し発言したことで厳重注意を受けたばかりだが、「力士給与の年俸制」「狭い升席を四席から二席に」「地方場所で合同地方宿舎の設置」「協会が小中高一貫の相撲学校を経営」など、なかなか傾聴に値するビジョンを持っている。こういう改革派の若手親方の斬新な意見を取り入れるためには、思い切って外部の有識者を理事長に登用するしかないと思う。

 いったい相撲は、神事なのかスポーツなのか、それとも娯楽ショーなのか。少なくとも、相撲だけを国技だとして特別扱いする時代でないことだけは確かである。

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2007年10月18日 (木)

先がないスポーツ

 近ごろの朝青龍や亀田兄弟の問題を見ていると、どうも最近のスポーツ選手は天狗になりすぎている。

 強ければ何をしても許されると勘違いしている。これを甘やかすマスコミにも責任があるし、取り巻きも悪い。本来なら弟子や選手を指導する立場にある親方やセコンドが、その役割を果たせていない。

 昔から「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるが、トップを目ざすなら、若いうちからスポーツの技術だけでなく人格をも磨く修練を積ませるべきだ。どんな分野でも一流といわれるような人は、人間的にも一級品である。

 今年の女子プロゴルフ界での注目株は上田桃子。彗星のごとく躍り出てすでに3勝。しかし彼女もマナーが悪く無愛想で、今流行りの言葉でいえば『エリカ様』的。悔しさは分かるが、プレーオフで敗れた勝者との握手で、目も合わせない不遜な態度はいかがなものか。

 その彼女が今月初めの『情熱大陸』で「バレーやバスケは先がない(プロがない)スポーツ、よくやる気になる」と言ってしまった。そしてこの発言に批判が集中。彼女なら言いかねないと思って炎上したとされる彼女のブログを覗いてみたら、何とタイトルが『待ってろ世界!』といかにも挑戦的。

 不動・大山などの先輩たちと見比べると、やはり品格が違う。こんなことではキミにも先はないよ。もうちょっとゴルフ以外の勉強をしたらどう・・・

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2007年10月12日 (金)

タイトルマッチ

 昨夜、WBC世界フライ級タイトルマッチをテレビ観戦。
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 虫唾が走るほど嫌いな亀田3兄弟が負ける姿が観たいというのは、我ながら相当気持ちがゆがんでいる。アンチ巨人の比ではない。

 しかし試合は期待外れで、ひと言でいえば凡戦。試合前の会見でゴキブリと侮辱されたチャンピオンが大毅をマットに沈めてくれるシーンを心待ちにしていたのに、残念ながら内藤にはそこまでの力はなかった。

 33歳の内藤はテクニシャンだがハードパンチャーにあらず。それよりも大毅の未熟さばかりが目立つ。頭を下げて突進しても、得意の左フックは空を切るばかり。いっぽう内藤の右フック、ボディーアッパーは当たっているが、さほど効いているとも思えない。

 採点公開制によって4回と8回に途中経過を発表する試みはなかなかいい。大差をつけられた大毅は、最後はヤケクソで内藤を持ち上げて投げ飛ばしてしまう。こんなのはボクシングではない。デビューから1年余り。これまで10戦無敗だったらしいが、格下の外国人相手に勝ち星を重ねても価値はない。

 素人目にもマナーが悪すぎる。頭突きを食らわしたり、グローブを故意に相手の目に入れたり、太ももを叩いて相手の足を止めてみたり・・・内藤の右目の上が切れたのもパンチではなくバッティングによるものではないか。

 口や態度は生意気だが、ボクシングの基本ができていない。こんなチンピラは徹底的に叩きのめしてほしかったのに、何とも不完全燃焼の試合だった。

 それにしても、ボクシング界にも爽やかなスター選手が現れてくれないものか。そのときは亀田3兄弟には、ぜひともダーティーな敵役をお願いしたいものだ。

 試合後の内藤は、相手の罵詈雑言を気にしない大人のコメントをしている。
「反則が多かったが、そんなことをしなくてもいい選手。防御勘もあるし、もっとクリーンにやればいいボクサーなのに・・」と将来性を認め、切腹発言については、
「最初から切らないのは分かっているから、ネチネチとこれ以上いったらかわいそう。」と受け流す。

 そのとおり!こんなのを相手に本気でケンカしたらチャンピオンの名折れである。

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2007年10月 3日 (水)

ビールかけ

 あっけなく巨人が優勝してしまった。

 最後は敵失で逆転サヨナラ勝ちという、何ともお粗末な幕切れ。それにしても、優勝のかかったゲームなのに日本テレビでさえ地上波で生中継をしないというのは、往年の球界の盟主としては寂しい限り・・・

 昨夜、そのビールかけを見ながら考えていた。

 何千本ものビールがほんの30分ほどの間に消えてなくなるバカ騒ぎ。何年か前にダイエーが「商品を無駄にしている」という世間の批判を慮って、祝勝水で代用したこともあった。ビールは飲むものだとマユをひそめる向きもあろうが、これを楽しみに1年間頑張ってきたのだから、この日くらいは大目に見てあげてもいいだろう。

 ただし、会場にテレビカメラやマイクを持ち込んで、びしょびしょになった選手たちにインタビューして回るのはいただけない。興奮しきった選手たちからはロクなコメントが取れないし、ましてや女子アナがカッパ姿で取材するのは明らかにやり過ぎ。ファンもそんな姿など見たくないと思う。

 たぶんこのビールかけはメジャーリーグのシャンパンファイトを誰かがマネて始まったのだろうが、これは似て異なる習慣。メジャーでは選手たちがロッカールームでシャンパンをかけ合った後、すぐに満員の観客がスタンドで待つグラウンドに飛び出してくる。そしてフェンス沿いを走りながら、シャンパンを観客に盛大に振りかけて回るのだ。

 これはファンを大切にするメジャーらしい祝勝会で、見ていてもなかなかいい光景だ。でも日本の場合は取材側が仕組んだ単なるバカ騒ぎで、残念ながら底が浅い。

 その写真の脇に、ロッテがジョニーこと黒木知宏投手に戦力外通告をしたという記事が小さく出ていた。彼は気迫あふれる投球で低迷期のロッテを支えたかつてのエース。イチローや中田英寿のようなクールさがもてはやされた時代に、泥臭い感情をむき出す姿は新鮮だった。ひそかに復活を心待ちにしていただけにとても残念。背番号54。もう一度マウンドであの雄姿を見たかった。

 そして今日は高校生ドラフト。

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2007年9月20日 (木)

大敗!甲子園

 昨夜、久しぶりに甲子園で巨人戦を観てきた。

 前日までの勢いで3連勝かと思いきや、1-11の大敗。悔しさを通り越して言葉も出ない。

 早めに仕事を終えて、阪神梅田駅から甲子園行きの臨時特急に飛び乗る。直通電車だから乗客の行き先はみんな一緒。すでに気持ちはひとつになっていて、思い思いの選手のユニフォームを着た若者や、弁当に水筒・メガホンで膨れ上がった手提げ袋を持った家族連れで盛り上がっている。

 スタンドに着いたのがちょうど6時。腰を落ち着けてビールを飲みだした矢先の2回表に無死満塁のピンチ。ここで伏兵ゴンザレスに満塁ホームランを浴びる。
 「まあ、これくらいハンディつけたれや~」
と前席のおっちゃんたちはまだまだ余裕タップリ。

070920tig20070920021_mde00284g07091   ところが4回表、先発ボーグルソンがよりにもよってピッチャーの内海に危険球をぶつけて一発退場。張りつめた雰囲気の中で、高橋由が急遽登板したダーウィンから右翼席へ3ラン。静まりかえったスタンドからは大きなため息と野次。ここで勝負は決まってしまった。あとはその内海に三振のヤマ。7回裏のジェット風船もむなしい。

 勝敗への興味が薄れてしまったので、後半はグランドのあちこちを眺めていた。スタンドから見ていると、ふだんのテレビ画像とは違う視点からゲームを楽しめる。球筋や球種は分かりにくいが、野手の位置はよく見える。打者によって守備位置が変わるし、内野手などはカウントによっても立つ位置が違う。野球というのはなかなか繊細なゲームだと感心した。

 終盤に追加点を入れられるが、緊張感を失ったゲームは淡々と進む。楽しみにしていたJFKにもお目にかかれず。でも守護神・上原を投入してくれたのは、最終カードということでのせめてものファンサービスか。

 このカードには珍しく、9時過ぎにゲームセット。ヒーローインタビューも六甲おろしの大合唱もなく、ファンはスゴスゴと帰路につく。

 帰りの電車で、たまたま行きの家族連れと出くわした。首に手拭いを巻いたお父さんは、ヤケ酒のせいか真っ赤な顔をしている。
 「大負けでも一敗は一敗や!せいせいするわ~」
 こういうのは負け惜しみという。お疲れさんでした。

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2007年9月10日 (月)

10連勝

 敵地東京ドームで宿敵巨人に 3タテを食らわして、ついに10連勝!

 この3連戦、終盤はほとんど家でテレビにかじりついていたが、すべて1点差の緊迫した総力戦。見ごたえ充分で、トラキチにはこたえられないナイスゲームの連続だった。

070908tig20070908012_mde00385g07090  緒戦の見せ場は 8対8の同点で迎えた9回表。ピッチャーはこの回から抑えのエース上原。代打はベテラン桧山。右手一本ですくい上げた打球は失速しながらも右翼最前列に吸い込まれていく。ぼう然と打球を見送る上原を尻目に、桧山はゆっくりとダイヤモンドを回っていく。結局このゲーム、巨人は7本のホームランを打っても勝てず。桧山のヒーローインタビューを聞きながら、今年最高のゲームかと思ったが、今思えばこれが熱き3連戦の幕開けだった。

 第2戦はうって変わって息詰まる投手戦。勝因は安藤の好投だが、ゲームを決めたのは伏兵葛城の一発。ヒーローが日替わりで出てくるのが強いチームの証(あかし)。

 そして昨夜の第3戦だが、これも5時間をこえる打撃戦。勝敗の行方は最後まで分からず、東京ドームの観客も11時になっても席を立てない。

 好ゲームに水をさしたのは、7回表のシーツの走塁。1塁ベース上で李と交錯して、原監督が血相を変えてベンチから飛び出してきた。両軍の選手がにらみ合ってあわや乱闘かと思われたが、ビデオを見たら明らかに故意に足を踏んでいる。こういうやり方はスポーツマンらしくない。

 その裏の二岡の同点2ランはあっぱれ。彼は憎らしいほどチャンスに強い好打者で、このときも打つような予感がした。これでまたゲームは振り出しに戻ったが、救援陣が豊富な阪神にはまだ余裕がある。

 10回表からまたもや上原。真っ向勝負の姿勢がすがすがしい。1死2塁の場面で、ふつうなら当たっている鳥谷を敬遠するところだが、まともに投げて見事に左中間を抜かれた。そのあと実績のない藤原にまでライト前に運ばれて万事休す。
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 その裏の藤川。疲れがたまっているのか速球にいつもの威力がなく、フォークの連投。小笠原のタイムリーで1点を失ったあと、じっくり間をおいて腕を振り上げた瞬間、李から「タイム!」のコール。そしてそれを見た藤川が、ボールを三塁線方向に投げつけたのには驚いた。あんな形相の藤川を初めて見たが、一球にかけるすさまじい精神力が凝縮されていたというべきか。

 最後にヒーローインタビューを見ていて感じたのは、選手たちももう少し日本語を勉強してほしいということ。何を聞かれても「そうですね~ やっぱり・・・」だけでは芸がない。ファンに気持ちが伝わるような言葉で感動を共有したいものだ。岡田監督にも同じことをお願いしておく。

 今朝は休刊日で、駅売りのスポーツ紙は早朝から売り切れ。もうしばらくは熱い夜が続く。

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