2008年11月26日 (水)

改名

 大関に昇進した安馬が、新しい四股名「日馬富士(はるまふじ)」を発表した。

 2008112600000500sanspospoview000出世頭の大関昇進を機に伊勢ケ浜親方が「いつまでも『安い馬』じゃ困る。ふさわしい名前を」と決断したらしい。あえて難を言えば読みにくいことくらいで、独創性のあるいい名前だと思う。

 それにしても改名というのは難しい。名前に応じて中味が成長するというものでもないから、歌舞伎役者でも噺家でも、あまり立派な看板を背負うとその後がシンドイ。

 よく襲名披露で「○○の名に恥じないように…」なんて挨拶しているが、プレッシャーで潰されることだってないとはいえない。

 ボクは本当は背伸びしないで、そのままの名前を使い続けるのが好きだ。イチロー以前の野球選手は苗字をそのまま登録名にしていた。掛布(阪神)が出てきたとき、失礼ながら何と弱々しい名前かと思った記憶がある。それがホームランを量産するようになると、その活字が急に輝いて見えたから不思議なものだ。

 名前でハクをつけるというのは、姑息に思えてならない。当人が精進して、その名前にハクをつけるほうがもっと素晴らしい。

 安馬改め日馬富士の活躍を期待する。

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2008年11月10日 (月)

日本一!

 西武 日本一おめでとう!

 2008110900000537sanbaseview000_2就任1年目の渡辺監督の巨体が、東京ドームで何度も宙に舞った。

 若獅子軍団が重量打線を抑えて日本一に輝いた。最終戦までもつれた今年の日本シリーズ。先週はたまたま早く帰宅した日が多く、連日テレビにかじりついていたが、息詰まる接戦続きで見ごたえ充分。

 セパ交流戦があるとはいえ、ふだんパリーグの選手を見る機会は少ない。特に西武はここ数年で世代交代が進んでいて、岸をはじめ、片岡・栗山・後藤・佐藤・銀仁朗など知らない選手ばかり。殊勲選手の平尾が阪神からトレードされたことも初めて知った。

 涌井で逆転負けした第5戦がポイントだと思った。そして王手をかけられて敵地で背水の陣。しかし勝負は最後まで分からないものだ。ここでまた岸が快投を演じて、シリーズの流れを引き戻してしまう。

 どちらを応援しているわけでもないのだが、敵役の外国人レスラーを思い出させるラミレスなど、気の毒ながら風貌で損をしている。とくに細腕・岸との対決なんて、半分目をつぶりながら、ついついあのイケメンを応援してしまう。

 昨日の最終戦は坂本のホームランで決まったと思った。しかし早めの継投が功を奏し、終盤に見事な逆転劇が待っていた。

 最後までがっぷり四つに組んだ素晴らしいシリーズだったと思う。やはりセ・パの首位同士が覇権を争うのが日本シリーズ。興行面ではプラスがあるのだろうが、来年からクライマックスシリーズなどやめたらどうか。

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2008年10月25日 (土)

「お前で終われてよかった」

 「お前で打たれてよかった。なあ球児。お前で終われてよかった」

 2008102100000021dalbasethum000中日とのCS最終戦に敗れた後で、ウッズに決勝弾を浴びた藤川に、岡田監督がそう言葉をかけたらしい。最後までテレビ観戦していたボクは、あのシーンは歩かせてもいいと思ったし、勝負するならフォークでもいいと思った。しかし藤川はストレートにこだわる。そしてフルカウントから渾身の力を込めて投じた150キロの直球を、ものの見事に左中間スタンドに運ばれてしまう。万事休す。この1球で今季の阪神の野球に終止符が打たれ、ユニフォームを脱ぐ指揮官の花道を飾る夢ははかなく消えた。

 「マウンドとホームの2人の勝負。送りこんだ以上何も言うことないよ」

 話を聞いて胸が熱くなった。こんな言葉、なかなか言えるものではない。ましてや口下手なこの人の口から出たとなると、余計に心にしみる。先発で伸び悩む藤川の性格を見抜いてリリーフに抜擢。自らの最高傑作ともいえる愛弟子が打たれて終わったのなら悔いはないというところか。

 前任の星野監督に比べて、この人にはいかにも華がない。しかも石橋を叩いて渡る地味な性格で、大勝負に向かない。つねに結果を求められる人気球団の監督としての心労たるや、察するにあまりある。

 最後のミーティングで選手たちに、
「成績が悪くて辞めるんちゃう。優勝できんかったから辞めるんよ。悔いなんてない。ある程度勝てるチームは作ったからな」と言ったそうだ。たしかにこの5年間で、あのダメトラが常に優勝争いができるチームに育ってきたのは事実。

 保守的で意気地のない采配に見えるけれど、功績も大きい。長い歴史の中では『中興の祖』として讃えられるかもしれない。

 来季は新体制で再スタートする。5年間ご苦労さんでした。

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2008年10月19日 (日)

八百長相撲

 大相撲の八百長が問題になっている。

 しかし何でこんなに大騒ぎするのだろう。 そもそも相撲は神事であって、真剣勝負のスポーツにあらず。今でこそ日本の国技として祀り上げられているが、もともとは神前で行われた出し物。つまり祭りでのアトラクションにすぎない。プロレスのようにエンタテインメントだから、その相撲に八百長があるのは当たり前のこと。単なるショーであって、ガチンコで勝ち負けを争うものではない。

 それがいつからか、中途半端にスポーツなどと称するようになった。しかしその成り立ちからして、野球やサッカーとはまったく異なる大衆的な見世物。昔からタニマチと称するスポンサーたちが角界を裏で支えている。そして巨躯の力士たちを連れて歩くのが彼らの甲斐性。歌舞伎役者や舞妓衆と同じような感覚だろう。

 もともと八百長というのは相撲の世界から出た言葉。関取が星の貸し借りをしていることは、日本人なら子供でも知っている。それがおかしくなってきたのは、外国人力士が台頭してきてからだ。異文化で育った彼らには伝統芸能の阿吽の呼吸が通じない。

 さすがに相撲協会も「相撲は八百長で、星の売り買いをしている」と表立っては言えないが、法廷で八百長だの名誉毀損だのと争うのは愚の骨頂である。

 八百長はもっと上手にやれと言いたい。相撲がガチンコだと信じている人は誰もいない。それに目くじらたてるのも大人げない。

 つまらない訴訟などやめにして、純粋にファンを楽しませることのできる技を磨いてほしい。それが相撲道の生き残る道なのだから。

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2008年10月12日 (日)

V逸

 突然マロンが亡くなって我が家が悲しみに沈んでいた一昨日の夜のこと、阪神が横浜に敗れて、3年ぶりの優勝を逃した。

 最大13ゲーム差をひっくり返されての歴史的な逆転劇である。前半戦が終わった時点では、阪神ファンは安心しきっていたし、巨人ファンはもうあきらめていた。

 Bsb0810120504007n1ところが8月に入って、新井・矢野・藤川が北京五輪に駆り出された頃から、めっきり雲行きが怪しくなってきた。でも主力選手がゴッソリ抜けるのはどのチームも同じで、文句はいえない。そうして阪神がモタモタしている間に、巨人は連勝街道まっしぐら。中日をあっさり突き放して、あれよあれよという間に首位阪神とのゲーム差をどんどん縮めていく。

 こうなると追う方に勢いがある。並ばれて何度か踏みとどまったものの、いったん抜かれると、もう抜き返す力は残ってなかった。

 阪神がだらしないのか、巨人が強すぎたのか、はたまたその両方なのか。

 やはりここは指揮官が責任を取らないといけないと思っていたら、早々と岡田監督が辞意を表明した。仕方ないだろう。

 巨人は札ビラを切って各チームの精鋭を集めてきたといわれているが、着実に生え抜きの若い芽も育っている。それに比べて阪神は世代交代が思うように進まず、後半戦でベテランが息切れしてしまった。来期は新布陣で若手の育成に全力をあげてほしい。一から出直しである。

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2008年10月 1日 (水)

ハリゴエ

 イチローの今季最終ゲームは4打数2安打。残念ながら張本の持つ3085安打まであと2本及ばず。ということで”ハリゴエ”は来年に持ち越しとなった。

 080919_bbl_mlb_ichiro_180シーズン最終戦で4安打が条件。さすがのイチローにしても厳しかった。しかし早かれ遅かれ達成される記録だから、そんなに騒ぐこともない。

 崖っぷちでのドラマというと、かつて谷沢(中日)がシーズン最終戦でかため打ちして首位打者をもぎ取ったことがあった。

 調べてみたら 1976年10月19日のこと。長嶋ジャイアンツが強力打線を擁して初優勝を飾った年である。当時ボクは大学生。ヒットを打った谷沢が、帽子を振ってスタンドの拍手に応えていた姿が記憶にある。

 さらに記録を調べたら、10ゲームを残して2分近く水を開けられていたのを驚異的なペースで追い上げたようだ。そして迎えた広島との最終ダブルヘッダー第1戦。ここで何と3安打を放って逆転。1毛(厳密には7糸)差の首位打者というのは、今に至るも僅差の記録らしい。

 若かったボクは、彼がその時点でベンチに下がった(次打席は代打)ことが気に入らなかった。最終打席でもう1本打てば、さらに男が上がっただろうに。

 奇しくもそのとき首位打者を争っていたのが、パリーグから移籍したばかりの張本(巨人)。あのときもスポーツ紙は”ハリゴエ”という言葉を使っていたように思う。因縁を感じる。

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2008年9月19日 (金)

イチロー

 イチローがまた偉業を達成した。

 200809180007spnavi_2008091800014_vi8年連続200本安打。メジャーの歴史に燦然と輝く金字塔である。

 これまでの長い道のり、天才ゆえの悩みもあろうし、凡人には想像も及ばない重圧もあっただろう。そのなかでの大記録樹立は立派としかいいようがない。

 しかし、カウントダウンが始まってからのマスコミの過熱ぶりは異常である。ことイチローに関しては、腫れ物に触るような特別扱いはどうしたことなのか。松井でも松坂でもこんなことはない。

 インタビューなどを見ていても、イチローが難しい選手であることは伝わってくる。機嫌でも損ねようものなら一大事。無難なやりとりを重ねるのは、質問が制限されているからかもしれない。しかしこの及び腰の取材スタイルはどうにかならないものか。

 イチローはおよそマスコミ受けしない選手。でもメジャーにはそんな連中がゴマンといる。メディアを敵に回しても何のメリットもないのに、そうやって自分を崖っぷちに追い詰めて、テンションを上げて結果を出す。それがうまく循環している。

 イチローも日本の球界から飛び出していった変わり者。悪くいえば、ひとりよがりの自己陶酔者。そんなの放っておけばいいものを、大挙してシアトルくんだりまで押しかけてコメントを取ろうとする。だからいつもすれ違い。

 オリックスに入団した頃のイチローの話しぶりを聞いたことがあるが、今よりずっと素直で好感が持てた。彼が日本のムラ社会でそのまま一流選手を目ざすなら、そうやって人格・識見をも磨いていかねばならなかった。

 しかし彼はその道を捨てる決心をして、海を渡ったのだ。あえて孤高の道を選んだのに、それを許さずに勝手に追いかけていったのは日本のマスコミである。

 最近よくイチローパッシングを聞く。でもそれは見当外れだ。もう彼は日本人にあらず。その言動をわれわれ日本人の価値観で計ってはならないと思う。

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2008年9月 8日 (月)

往生際

 北の湖理事長が辞任するらしい。

 でもちょっと往生際が悪すぎる。

 2008090800000023jijpspoview000昨年から企業の不祥事が続いているが、ボクはこういう場合に辞めるだけが責任の取り方ではないと思う。まずは真相究明を急ぎ、キチンと再発防止の道筋をつけるべし。そのうえで信頼回復のために最善の体制を築いて、後事を託さねばならない。場合によっては針のむしろに座する覚悟で、職に留まることも必要である。

 しかし、それにしても今回は引き際を誤った。

 昨年から相撲協会の体質を問われる事件が続いている。時津風部屋での力士暴行死事件、朝青龍のサッカー騒動による2場所連続出場停止処分など。

 これは単に親方の責任ではなく、明らかに角界全体の問題。しかし理事長の会見を聞く限り、そんな危機感はまったくなし。もし職に留まるなら不退転の決意で角界刷新のために大鉈(おおなた)をふるうべきで、それができないなら誰かにさっさとバトンを渡すべきだった。しかし彼は不思議な人だ。辞めもせず、さりとて改革にも手をつけない。要は何もしない。単にマネージメント能力が欠如しているにすぎない。

 そんななかで若ノ鵬が大麻取締法違反で逮捕され、露鵬と白露山が抜き打ち尿検査で陽性反応が出る事態に発展。ところが理事長は、あくまで両力士の言葉を信じる姿勢を崩さない。愛弟子ゆえ気持ちは分かるが、それではファンは納得するまい。

 決断が遅すぎる。北の湖といえば往年の名横綱だが、だからといって理事長職にふさわしいかどうかは別問題。死に体の相撲協会を再生するには、ここは荒療治しかない。弟子に暴力をふるう力があるなら、自慢の腕力でいっそのこと協会もぶっつぶしたらどうか。後任は武蔵川親方だそうだが、あまり期待できない。ここは思い切って、外部有識者や企業経営者を招聘するくらいの英断が望まれる。

 しかし、せめて土俵際に追い詰められる前に、自ら出所進退を決められなかったものか。こんな人を8年半も理事長に据え置いたのは、角界の不幸である。

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2008年9月 6日 (土)

メダルの話

 ここ数日はテレビをつけると政治一色。同じようなインタビューを各局が繰り返し流していて、いささか食傷気味。つい1週間ほど前までは、北京五輪のメダリストばかりが出ていたのに。

 そんな中で、女子ソフトの上野投手と王監督(ソフトバンク)の対談が新鮮に映った。スポーツウェア姿の彼女の首には金メダルが輝いていた。おそらくあちこちで引っ張りだこで、いつもこの格好で出演するのだろう。

 下世話な話だが、それを見ながら、いったいこの金メダルというのはどれほどの価値があるのだろうと考えていた。まさか、生活に困って処分する選手などいないだろうが。

 気になってオリンピック憲章を調べたら、銀や銅とちがって金メダルは純金製ではないらしい。銀台(純度92.5%)に6gの純金メッキ。大きさは直径6cm以上、厚さは3mmと定められている。

 その製造原価はいくらかというのは情報源によってバラバラ。でもせいぜい20~30万円程度というから、さほど高価なものではない。

 これ以外にJOC(日本オリンピック委員会)から報奨金が出るが、これは金300万円、銀200万円、銅100万円と決まっている。それでも日本は比較的安くて、中国は1000万円、東南アジアなら軒並み数千万円。奇妙なのはインドで、4000万円の報奨金と電車乗り放題のパスが支給されるらしい。いずれも貨幣価値を考慮すると、一生遊んで暮らせるご褒美である。

 ニンジンで馬を走らせるというと失礼だが、こういう報奨金も発展途上国ではインセンティブになるだろう。さらに社会的地位や兵役免除が保証される国もある。

 いちど紅白に出ると死ぬまで地方回りができるといわれた時代があったが、メダルを取ったらずっとその世界で食べていけるのだろうか。それにしても、東京五輪の頃は日本ももっとハングリーだった。少し豊かになりすぎたのかもしれない。

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2008年8月27日 (水)

リベンジ

 メダルを逃した星野ジャパンに対する容赦ないパッシング。しかも嵩(かさ)にかかって、ここぞとばかりにいっせいに罵声を浴びせる。スポーツ紙も週刊誌もワイドショーも…

 つい先日までは追従記事を重ねて、気味が悪いほど持ち上げていたはず。ところが負けたとたんに、手のひらを返したように態度を豹変させる。

 これが悲しいかな、日本のマスコミの現実である。ひと言でいえば、定見がない。誰かが右といえば右。サッカーに例えたら、いつも全員でボールの在り処(か)を追いかけている。

 もちろん今回の野球は残念な結果だったし、敗因は冷静に分析する必要がある。

 しかしこれは、監督ひとりの責任にあらず。われわれは、この人を選んですべてを任せたのだ。よく政治の世界でいわれることだが、まさに任命権者の責任。今さら後ろ向きの繰り言などいうべきではない。

 巷間囁かれるように、闘将星野は情の人である。敢えて不調の岩瀬を起用し、不振のGG佐藤や村田を使い続けた。彼らの反発心や意気に賭けたのだと思う。しかし結果は裏目に出た。一発勝負の短期決戦ではツキを大切にして、調子の出ない選手を思い切って切り捨てる勇気が必要だ。勝負にこだわるなら、非情な交替もやむをえない。

 しかし、彼にそれを求めるのは無理。緻密なデータ野球で勝ちにいくなら、他に適当な人材がいたはずだ。

 でもボクはこの采配が好きだ。分かりやすくて華がある。ここはもう一度、来春のWBCでリベンジのチャンスを与えてあげてほしい。いちばん悔しい思いをしているのは間違いなくご本人。このままで引き下がれるものか。今厳しく彼の責任を問い質すのではなく、こういう時期だからこそ、非常事態宣言でもして挙国一致の支援体制を作るべし。そして何とか男の花道を飾らせてあげたい。

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2008年8月23日 (土)

ソフトボールと野球

 ソフトボールと野球が終わった。

 野球は、韓国・アメリカに連敗してメダルを逃した。今日の3位決定戦をテレビ観戦していたが、とても勝てる気がしなかった。出てくる投手が次々と打たれ、打線は沈黙したまま。アメリカとのパワーの違いを見せつけられたし、韓国とはここ一番での執念の差を感じた。

 惜しいというゲームでもない。おそらく決勝リーグに残った4チームで総当たり戦をしても最下位だっただろう。星野監督が目ざしたスモールベースボールは無残にも打ち砕かれた。期待が大きかっただけに、失望も大きい。選手よりも監督が目立ちすぎたかもしれない。この北京五輪で「○○ジャパン」と監督の名を冠した競技は、ことごとく惨敗している。

 2008082100000073jijpspoview000それにひきかえ、ソフトボールは4連覇を狙った王者アメリカを破って堂々の金メダル。

 上野投手の奮闘はすさまじかった。前の日に300球以上投げたのに、決勝でも7回を完投。過酷な連投に耐えて、鬼気迫る投球を見せた。

 ソフトの試合などオリンピックくらいしか観る機会がないから、じっくり楽しませてもらった。彼女の球は世界最速の119キロで、バッテリー間は野球の3分の2ほど。腕を風車のように回すウインドミル投法から繰り出す球は、あっという間に捕手のミットに収まる。迫力満点である。

 パワーでは及ばないが、堅実な守りと組織力で金星をあげた。戦後の日本がここまで発展してきた縮図がここにある。

 また観てみたいが、野球とともに次のロンドン大会からは姿を消すのが残念。

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2008年8月19日 (火)

胃がキリキリ…

 星野ジャパンがカナダ戦で1-0の辛勝。

 2008081800000049jijpspoview000成瀬(ロッテ)を始めとする投手陣の好投と堅守で、かろうじて土俵際で踏みとどまった。星野監督は「オレを殺す気か!」と言ったらしいが、たしかにこういうゲームは胃がキリキリして、精神衛生上よくない。

 北京五輪もあと1週間。たいていのスポーツは好きでよく観るが、体操やシンクロあたりは応援していても緊張の連続。そういえばフィギィアスケートなども、転倒しないかといつもハラハラしながら見ていた。

 美しさの完成度を競う種目は減点法で採点されるから、ひとつのミスが命取りになる。応援するほうも祈るような気持ち。難度の高い大技を期待するというよりも、ミスをしないで無事に演技が終わるのをただ息を潜めて待つ。

 野球やアメフト、サッカーのPK戦などは攻守がハッキリしていて、攻めている間は気楽だが、守っているときはそうはいかない。

 一昨日の韓国戦は継投の遅れが勝敗を決した。今日は好投の成瀬に代えて 8回から藤川(阪神)を投入。あとは鉄壁のリリーフ陣の出番である。投球練習の間にひと息つこうとチャンネルを替えたら、高校野球決勝は17-0という大味なゲームをしている。こうなるともう、興味は失せている。

 終盤に差しかかったところで来客。長話をしているうちにゲームが終わってしまった。結果を見たら、1-0 のままゲームセット。

 これで3勝2敗。まだ気は抜けないが、あと1勝したら何とか決勝トーナメントに進める。

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2008年8月16日 (土)

伸びしろ

 最近心に残った言葉。

 「完璧でいるよりも、伸びしろを残しておいたほうがいい」

 2008081400000033jijpspothum000男子平泳ぎ100mと200mで2冠を達成した北島康介選手のレース後のコメントである。

 日本中の大きな期待を背負って、プレッシャーも並大抵ではなかったはず。予選・準決勝・決勝と、力を温存しながらタイムを上げていく。水泳はもっと単純なスピードレースかと思っていたが、今回の組み立てを見ていて、いかに戦術が重要かがよく分かった。

 北京入りするまで、一度も満足できる泳ぎをしていなかったらしい。そしてそのことを、本番で爆発させるために「伸びしろを残した」と表現した。不世出の天才にしてもこうなのだ。4年に一度のオリンピックに照準を合わせて、ピークに持っていくことの難しさは素人にも想像がつく。しかし彼は万全のコンディションに仕上げたうえで、本番でさらに1ランク上の記録を出せるような余裕を残しておくことが重要だというのだ。

 もちろん才能に甘えて練習をサボったら結果が出ないのは自明の理。しかし逆に、練習で体力を使い果たして燃え尽きてしまったのでは元も子もない。

 勉強でも同じことかもしれない。進学校で塾通いまでして、難関の一流大学に合格した。でも、そこまでで器が一杯になってしまって、肝心の大学では余力がない。伸びきったゴムはもうそれ以上伸びない。

 頑張るのはもちろん大切。しかし少し余裕を持って、伸びしろを残しておく。これはすべてに通じる奥義かもしれない。

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2008年8月10日 (日)

「ママでは銅」

 北京五輪の柔道女子48kg級で、ヤワラちゃんが準決勝でまさかの優勢負け。

 2008080900000025maipspothum0003連覇の期待がかかったが、「ママでも金」はならなかった。もう彼女も32歳。出産や育児も経験している。指導の判定は素人には分かりにくいが、文句のない一本勝ちができなかったのは、すでにピークを過ぎているということだろう。

 試合後も笑顔はなく「今後に関しては、自分ひとりでは決められない。周りと話をして考える」と語っている。

 残念だが、彼女で負けたのなら仕方ない。応援していた我々も納得できる。5大会連続のメダルは立派というしかない。「ボクには金に見える」というご主人のコメントもまた素晴らしい。引退後は家庭に戻って、ゆっくりと後進の指導にあたってほしい。

 日本中が注目するオリンピック。もちろん勝ってくれるのがベストだが、たとえ敗れても誰もが納得する負け方を作ることが重要。「何であんな選手を代表にしたのか」なんて思われたら後味が悪い。そういう意味では、代表選考にあたった各種団体の幹部たちは、胃が痛くなる思いで見守っているはず。

 同じ日の男子柔道で、60キロ級の平岡拓晃は初戦で力を出し切れずに敗れた。この平岡は、五輪3連覇の野村忠宏を押しのけて代表に決まった選手。最後までスッタモンダした末の決定だったから、野村の分まで頑張ってほしかった。全柔連も痛恨の思いだろう。

 あとは男子100キロ超級で、井上康生を抑えて代表になった石井 慧の健闘を期待する。プレッシャーに負けないように!

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2008年8月 4日 (月)

8月の五輪

 毎日、うだるような暑さが続く。

 クールビズとか言いながら、気がついたらエアコン全開の事務所にこもって、口にするのは冷たいものばかり。これじゃカラダにいいはずがない。

 テレビをつけると熱闘甲子園。試合終了を告げるサイレンの音。泥だらけのユニフォーム姿の球児たちが一列に並ぶ。ふき出す汗と涙。スタンドからは割れんばかりの拍手と歓声。真っ黒に日焼けした口元からこぼれる皓い歯。ここ何十年、まったく変わらない真夏の風景である。

 いっぽうこちらは、涼しいところでアイスコーヒーを飲みながらのテレビ観戦。それにしても選手たちの若さに感心しきり。どうしてこんな暑いときに、炎天下で野球なんかできるのか。

 さて北京五輪まであと数日。北京は涼しいのかと思って天気予報を見たが、最高気温が33℃。よりによって、なぜこんな酷暑の時期を選ぶのだろう。

 考えてみたら、東京五輪(1964年)の開会式は10月10日だし、ソウル五輪(1988年)も9月だったはず。

 古代五輪は真夏の農閑期に開催したが、最近の近代五輪も真夏ばかり。その理由はスポーツのシーズンオフで、テレビの視聴率や放映権料を考えると夏枯れの時期が最適ということらしい。

 たしかに8月は欧州サッカーも休み。米バスケットボールが終わり、メジャーリーグの頂上決戦はまだ先の話。五輪に世間の耳目を集めるには絶好の季節かもしれない。

 商業主義の犠牲になるアスリートたちを気の毒に思いつつ、申し訳ないが涼しい部屋で観戦させてもらおう。

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2008年8月 1日 (金)

桑田さんと清原

 数日前のこと、左ひざのリハビリを終えた清原が、桑田を相手にフリーバッティングをしていた。

 2008073000000020sanspospothum000桑田もいい球を投げていたが、現役を退いた投手のボールを空振りしているようではまだまだ。二人の美談として話題性だけに終わりそうだ。

 ボクは長い間、この桑田が嫌いだった。巨人入団時のいきさつもあるが、若い頃からスポーツ選手らしい爽やかさが欠けていると感じていた。人を食ったような江川の口調も不快だったが、ネチネチした桑田の話しぶりは好きになれなかった。

 少し見方が変わったのは、ケガで2年ほど棒にふった後で驚異的なカムバックを遂げた頃から。野球漬けのストイックな生き様に共感を覚えた。

 さらに一昨年末、メジャーに挑戦するという話を聞いて、応援しようという気持ちに変わった。しかしもうそこには、往年の桑田の姿はなかった。最大の武器であるコントロールも精彩を欠き、打ち込まれることが多かった。そして球威の衰えやケガもあって、残念ながら戦力外通告を受ける。しかし彼の表情はすがすがしく、やり尽くした男の満足感が見てとれた。

 長い間、彼を誤解していたのかもしれない。ちょっと申し訳なく思う。これからは豊富な経験と卓越した野球理論をもとに、若手の指導者として活躍してほしい。

 それにしても、スポーツニュースがみんな「桑田さん」と呼ぶのがおかしい。新聞を開くとこちらは「桑田氏」と書いてある。引退したスポーツ選手には敬称をつけるのが決まりらしいが、いっぽうの清原は当然のことながら呼び捨てだから、どうもアンバランスで妙な気がする。

 20数年前に甲子園を沸かせたKKコンビ。8月2日から選手権大会が始まるが、そのPL学園は南大阪大会決勝で姿を消してしまった。そして明夜はPLの花火大会。

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2008年7月22日 (火)

グレッグ・ノーマン

 久しぶりにビッグネームが戻ってきた。

 Apx200807200003全英オープンでのグレッグ・ノーマン(53歳)の雄姿に心が躍った。おそらく世界中の50代が同じ気持ちを抱いたのではないか。さすがに外貌は年齢を隠せないが、白髪をなびかせながら鬼気迫る形相でのショットは、一時代を築いた全盛期の姿を彷彿させる。

 ホワイトシャーク(白い鮫)という異名を持ち、80年代には世界のゴルフ界の頂点に君臨した男である。あまりに強すぎて、アメリカでは悪役だった。不思議とメジャーのタイトルには恵まれず、2位・3位が多かったと記憶している。それでも、331週間に亘って世界ランク1位を守った。

 リンクス特有の強風に各選手がスコアを崩す中、単独首位で最終日を迎えた。ひょっとして…と思いながら、日曜日の深夜、家族が寝静まったテレビの前にひとり陣取る。テーブルにはスコッチのオンザロックス。

 バレスレロス、ニクラウス、ランガー、ワトソンなど、往年の好敵手たちの姿が次々と目に浮かぶ。若い頃、会社の独身寮で夜更かししながら何度も見た光景だ。

 結局その最終日、ノーマンは77とスコアを崩し、通算9オーバーで3位に終わった。残念だが、充分に楽しませてもらった。

 ホールアウト後のセルフがふるっている。
 「夢を追うのに年齢は関係ない。」
 スポーツだけでなく、すべてに通じる名言である。猛暑の3連休、心の底まで熱くなった。

 ボクも同い年。負けてはいられない。

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2008年7月20日 (日)

野茂の引退

 何日か前に野茂の話を書いたばかりなのに、その野茂が引退を発表した。

 2008071800000000maipbaseview0004月にロイヤルズを解雇された後も、現役続行を希望していたらしい。でも結局は、彼を獲得する球団は現れなかった。引退に際して、会見も開かずに「悔いが残る」とコメントしているのが、いかにも野茂らしい。

 彼が近鉄を任意引退して海を渡ったのが1994年。翌年ドジャースとマイナー契約を結ぶ。ボクが会社を辞めて大阪に戻ってきた年だから、よく覚えている。

 今回の報道を見ていると、メディアは一様に「メジャーに挑戦したパイオニア」と高く賞賛している。勝ち馬に乗るのがマスコミの習性とはいえ、「今ごろよく言うよ」というのがボクの素直な感想である。

 14年前を思い起こしてほしい。あのとき、日本球界もマスコミも彼を手厳しく非難した。わがままだと決めつけて、メジャーでの活躍にも懐疑的だった。

 あの寡黙さから彼の気持ちを読み取ることは難しいが、パッシングの嵐の中、傷心で日本球界を去ったのだと思う。そして二度とここには戻らないと退路を断ったはずだ。

 彼の素晴らしさは、自らを信じ、他人の意見などに一切耳を貸さず、自らの力で進むべき道を切り開いていったこと。名門校で指導者に恵まれたわけでもなく、自分で編み出したトルネード投法を頑固に守り通した。雑草のように武骨な生き方。

 かつて『平成の名勝負』と言われた清原との対決は見ごたえがあった。フォークを封印してストレート1本勝負。記録を調べてみたら、5年間の対戦成績は118打数42安打(10本塁打)。3割5分6厘の高打率を残しているが、34三振も喫している。

 その清原が「自分のタマで勝負できる最後のピッチャー」だったと述懐している。清原にしてみたら、あの松坂だって眼中にないのだ。

 これからは引く手あまただろうが、日本での解説者などつまらない仕事は引き受けてほしくない。海の向こうで、また新しい道を切り開いていくのが彼には似合っている。

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2008年7月16日 (水)

金光大阪vs高槻

 いよいよ大阪も梅雨明け宣言。真夏の陽射しが眩しい。

 そんな中、午後から仕事を休みにして、豊中球場まで行ってきた。

 2008_07160012妹の次男が高校野球の地区予選に出ているのだ。5年ぶりに緒戦を突破し、今日の2回戦の相手は”金光大阪”。昨年夏の大阪代表として甲子園に出た強豪である。

 双方のスタンドを見比べると、さすがに格が違う。相手校はベンチ入りできなかったユニフォーム姿の選手たちを中心に、そろいのTシャツ姿で応援席に整然と陣取る。地鳴りがするような一糸乱れぬ手拍子には、思わず見とれてしまう。

 対するこちらはバラバラの寄せ集め応援団で、声を出すのも何だか恥ずかしげ。いや、こういうのが素人臭くていいのだ。試合前のノックにしても、相手はプロの監督。こちらは… でも、もうそれは言わない。

 2008_07160022しかし驚くなかれ…コールド負けかと思いきや、フタを開けてみると試合はがっぷり四つに組んだ好ゲーム。そしてクライマックスは8回裏。1点差に追いついてなおも1死満塁。一打逆転の好機に、1年生ながら3番を任されたわが甥っ子が登場。3塁側スタンドは興奮の坩堝(るつぼ)。隣の母は目をつぶって手を合わせ、最前席で父はデジカメを構えて微動だにしない。固唾を飲んで見守る応援席。しかし、その願いもむなしくフルカウントからあえなく三振。後続も絶たれ、スタンドから悲鳴が聞こえる。

 大金星の夢は消えた。でも敗れたとはいえ、2-3の善戦は立派。

 泣くな!胸をはれ!

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2008年7月14日 (月)

記録と記憶

 イチローが3000本安打までカウントダウン。

 Mlb_photo_thumb_2173春先から低迷していた打率も、このところの固め打ちで3割を超えた。そして8年連続で球宴出場。

 イチローが天才打者であることは今さら言うまでもないが、ボクは打撃よりも、むしろ走塁や守備が印象に残る。とくに矢のようなレーザービームで走者を刺すクロスプレーは圧巻。でもこれは記録としては、一刺殺というだけのこと。

 「記録に残らなくても、記憶に残るプレーヤーでありたい」というのは、かつての巨人軍・中畑清の名セリフ。たしかに打率290(実働13年)はともかく、171本塁打、621打点、1294安打では巨人軍の4番として物足りない。

 4月に金本が2000安打を達成したときに、ふとこの言葉が頭をよぎった。

 阪神に来て6年目。広島時代は前田・江藤とクリーンアップを組んでいたことは知っていたが、それほど目立つ選手でもなかった。もしあのまま広島にいたら、2000本を打ったかもしれないが、こんなに騒がれることもなかっただろう。

 野球に取り組む真摯な姿がファンの共感を呼び、人気チームの4番打者ということで余計にスポットライトが当たった。でも金本が光り輝くのは、けっして安打数ゆえではない。

 2000本安打や200勝が立派な記録であることを否定はしないが、それだけを超一流選手のモノサシにするのはどうか。ボクは名球会という組織の体質が好きではない。お山の大将になりたいカネヤンが、ONを両脇に従えてボスに座った。しかも入会資格を昭和生まれに限って、大先輩たちを弾き飛ばしてしまう。

 かつての柴田(巨人)は、一度も3割を打つことなくこの名球会に入った。最近では田中幸雄(日本ハム)をはじめ、立浪(中日)や駒田(横浜)などはお世辞にも超一流とは言えない。有資格者の落合監督が入会を辞退したのも肯ける。

 中西(西鉄)が打った安打は1262本だし、杉浦(南海)がマークしたのは187勝。だが、名球会に名を連ねた選手たちより、はるかに強烈な印象を残している。

 地味に安打や勝ち星を重ねるだけが野球選手の勲章にあらず。サヨナラホームランやファインプレーなど、大観衆を沸かせることこそプロの真骨頂である。

 日米で200勝を達成した野茂。でも彼のすごさは、あのトルネード投法を引っさげて、単身海を渡ってメジャーへの道を切り開いたこと。新人王や2度のノーヒットノーランも経験したが、事実上の解雇通告も一度ならず受けた。現役続行への執念が、所属球団11チームというとんでもない記録を作った。もし200勝が達成できなかったとしても、彼の雄姿はいつまでもファンの心に残る。

 もし自分が野球選手なら、やはり記録よりも記憶に残る選手でありたい。 

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2008年6月25日 (水)

セ・パ交流戦

 プロ野球のセ・パ交流戦が終わった。

 昨日から5日間の中休みというのは間延びしすぎて、これまで盛り上がった球趣に水をさす。早く帰宅しても、長い夜は退屈だ。

 このセ・パ交流戦も今年で4年目。ふだん接する機会の少ないパリーグの選手をじっくり見ることができて、なかなか楽しい。ましてや今年は、4チームが最後まで首位を争う大混戦。

 90551_c160ソフトバンクと阪神が同じ勝率で並んだが、昨年の交流戦順位でソフトバンクが優勝。

 これも不思議なルールだ。せめて得失点差や直接対決での成績など、今年の数字だけで決めた方がスッキリする。来年は再考して欲しい。

 さて、セリーグは岡田阪神の快走が続く。6.5ゲーム差は安全圏だという人もいるが、長い低迷期に慣れたオールドファンは、不安を隠せない。

 阪神OBの野球解説者が「こんな独走の経験がないから落ち着かない」という。8月の北京五輪は楽しみだが、好調なチームほど主力をごっそり抜かれるのもツライところ。

 何しろ「タイガースはファンの期待に応えるのではなく、つねに期待を裏切り、ファンを驚かせることをチームカラーにし続けてきた」(『タイガースへの鎮魂歌』玉木正之)球団である。

 このまま突っ走ってほしいが、そうは問屋がおろすまい。

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2008年6月19日 (木)

月見草の記録

 ノムさんこと楽天・野村監督が昨夜の阪神戦で敗れて、監督通算最多となる1454敗目を喫した。

 スポーツ紙によると、不滅の日本記録だそうだ。

 この人が阪神の監督に就任したのは、ダメ虎末期の1999年オフ。三顧の礼を尽くしてヤクルトから迎えられたものの、3年連続最下位と結果が出せなかった。試合後はいつも選手を名指しで批判して、今岡や坪井など才能ある選手たちを腐らせてしまった。

 ノムさんというと、その頃の陰湿な印象が強いが、最近の飄々としたコメントはアク抜けしていて稚気さえ感じる。

 ところで、阪神を今のような常勝軍団に育て上げた最大の功労者は星野SDだといわれているが、最近になって彼の功績も無視できないのではないかと思い始めた。

 圧倒的な戦力不足の中で、井川をひとり立ちさせ、遠山を松井キラーとして蘇らせた。さらに伸び悩んでいた檜山を3割バッターに変貌させ、赤星・藤本たちをF1セブンと名づけて機動力野球を叩き込み、矢野を球界を代表する捕手に育てあげた。

 492229821彼の手法は、選手にしっかり教育をして、自らの力で勝てるようにするという時間のかかるやり方。一昨日の甲子園での試合前、広沢コーチが3塁側ベンチへ表敬訪問に訪れた。かつての教え子に笑顔で応対していたが、ノムさんが蒔いた種は今立派に大輪の花を咲かせている。

 ヤクルト、阪神、楽天と、みごとに弱いチームばかり。負け数が多いのは仕方ないだろう。

 ちなみにワースト記録を調べてみたら、最多三振 1944(清原)、最多併殺打 378(野村)、最多敗北 298(金田)、最多暴投 148(村田)、最多失点 1940(米田)

 みんな錚々たるメンバーである。これも勲章か。

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2008年6月 8日 (日)

おめでとう!植田ジャパン

 昨夜、男子バレーボールのアルゼンチン戦をテレビ観戦。

 野球、ラグビー、サッカー、テニス、ゴルフ…たいていのスポーツは好きだが、ここ数年バレーボールはあまり関心がなかった。最初から最後まで全部観たのは十数年ぶりで、キャプテンの荻野以外の選手は名前も顔も知らない。

 ルールもずいぶん変わった。ボクがよく観ていた頃は、サーブ権がないとポイントが動かないサイドアウト制。いつの間にかラリーポイント制が導入されてゲームの進行が早くなった。これもテレビの放送時間の関係かもしれない。

 ユニフォームの色が違うのは、リベロという守備専門の選手。これも後で調べて分かった話だが、アタックが制限されていたり、サーブができなかったりするらしい。こうやってバレーも分業化されていくのだろうか。

 Pk2008060802100082_size8フルセットの接戦にもつれ込み、最後に決めたのはベテラン荻野。レフトからのスパイクが敵陣に炸裂する。16年ぶりの五輪切符。割れんばかりの大歓声の中、感極まった植田監督はコートに倒れ伏したままピクリとも動かない。

 その監督は試合後のインタビューで「ハッキリ言いますがメダル狙います!」と早くも次の目標を宣言した。その心意気やよし。

 しかし「すごく尊敬するおじいちゃんのような松平名誉会長(78才)、お父さんのような大古さん(60才)」という言葉にはビックリした。彼はまだ41歳だそうだ。ミュンヘン五輪での金メダルに感動したわれわれ世代とは、まったく時代感覚が違う。あの頃は『ミュンヘンへの道』なんてアニメもあって、今とは比較にならないほど国民的スポーツだった。いわばバレーの黄金時代。ところがその後どんどんメダルから遠ざかり、オリンピックにも出られなくなってしまう。

 ともあれ おめでとう!北京で頑張れ!植田ジャパン!

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2008年5月31日 (土)

魔法の水着

 たかが水着くらいで、そんなにスピードが違うとは考えもしなかった。

 裸同然で競う水泳は用具など関係ないと思っていたが、スピード社の最新水着を着た選手たちが世界新記録を連発している。生地は極薄、表面はスベスベ。超音波を利用して縫い目をなくし、水の抵抗を最小限に抑えるそうだ。着るのに数十分かかるほど窮屈で、価格は国産の3倍以上するとか。

 それなら日本選手もこの水着を使ったらいいと思うが、話はそんなに単純ではない。日本水連はすでに北京五輪で国内メーカーの水着を使う契約をしている。そして後塵を拝した国内3社は改良を急ぎ、昨日それぞれ新しい水着を発表した。そしてその評価はこれから。

 しかしこうなると選手の力や技を飛び越えて、何やら技術五輪の様相。

 かつて棒高跳びは、グラスファイバーポールの採用によって飛躍的に記録が伸びた。野球の金属バットやゴルフのカーボンシャフト・メタルヘッドなど、スポーツの世界にも技術革新の波が押し寄せている。

 それに加えて、五輪には商業主義が跋扈する。メーカーにしたら絶好の宣伝のチャンスだから、これを逃す手はない。大枚叩いてでも独占契約を結ぶ。

 企業の広告塔として踊らされるのは選手たち。しかし用具の性能差で勝負が決まるなどおかしいではないか。少なくとも契約はフリーにして、スピード社の水着も使えるようにしてあげてほしい。それがダメなら、全員裸で泳ぐしかない。もちろん画面にはモザイクでも入れて…

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2008年5月 5日 (月)

現役復帰

 11年ぶりに現役復帰した伊達公子のゲームと記者会見を見た。

 ライジングショットの切れ味は往年と変わらないし、何より表情がいい。

 10062160859_s柔和な話し方を聞いていると、ずいぶん大人になったものだと思う。ボクはかつての彼女のインタビューでの態度がキライだった。テニスでの実力は認めるが、生意気で不遜な口の利き方に好感を持てなかったのだ。

 考えてみたら仕方がない。6歳からテニスを始め、26歳で引退するまでずっとテニス漬け。学校の勉強もろくにしていないだろうし、ふつうの青春時代もなかったはずだ。自分で選んだ道とはいえ、日本中の期待を一身に背負って、若い女性にはさぞ過酷な日々だったことと思う。

 そして突然の引退発表。唐突さに驚いたが、ここまでで精一杯だったのだろうと気の毒さを感じたものだ。

 よもや復活があるとは予想もしなかった。ビッグネームの再登場で、いちやく注目を浴びた女子テニス。これで若手が刺激を受けてくれたらいいのだが。

 昨日、たまたま長女のテニスを観戦。いつの間にか強豪校のナンバーワン選手が入れ替わっている。何と新1年生で、ジュニア時代から有名だった選手という。

 大阪あたりだと、中学に入ってからテニスを始めたのでは遅すぎるらしい。伊達のように幼時から英才教育を施さなければ上位は狙えない。また、中学・高校でも有名な選手は、必ずスクールで専任コーチについていて、学校の部活のほうは籍を置いているだけなのだそうだ。

 勉強だけでなく、スポーツも今や過熱気味である。黄色い声を張り上げて応援しているお母さんたちを見て、そう思った。バランスのおかしな子供にならなければいいと念じるのみ。

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2008年5月 2日 (金)

天井理論

 ハンカチ王子こと斎藤佑ちゃんの話。

 ボールも速くなったし、低めの制球力は大学野球のレベルを越えている。毎試合神宮に何万人ものファンを集めるのにも驚くが、はるか大阪で東京六大学野球のテレビ中継が見られるようになったのも彼のおかげ。

 最近ある雑誌で、
「虫かごのバッタはその天井までの高さしか跳べなくなる。本当はそれ以上跳べる力を持っていても、その高さに慣れてしまう。人間も同じ。」という彼のコメントが紹介されていた。

 これを「天井理論」と呼んで、彼は大学野球を虫かごに譬えている。ソコソコの力で勝ててしまうと、本当はもっと素晴らしいピッチングができるのにそれ以上の力が出せなくなる、という意味らしい。今のところ大学野球では向かうところ敵なしだが、本人はバッタにはなりたくないから、現状に満足せずより高い目標を掲げているという。

 Saitou3そこまで考えているなら、どうしてプロに入らなかったのだろう。不安もあっただろうが、ともに甲子園を沸かせた楽天・田中マー君の活躍を見ると、余計にその思いが強まる。

 いずれプロを目ざすつもりなら早いほうがいい。大学の4年間はあまりに長くもったいない。高卒のバッターが即戦力になるのは難しいが、速球とキレのいい変化球を持つピッチャーなら充分にプロでも使える。かつての松坂はもちろん、ダルビッシュや成瀬、涌井、マー君などがマウンドで吼える姿を目にするにつけ、何かと対照的なハンカチ王子の端正なプレートさばきも見たかったものだと、寂しく思うのである。

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2008年4月17日 (木)

ニュー甲子園

 リニューアルされた甲子園球場で、阪神-広島戦を観てきた。

 第1期工事で内野席が変わった。

 簡単にいうと、内野席がグランド側に広くなった。以前の内野席は幅も前後も狭くて、上着を脱いだり、弁当を広げたりすると身動きがつかなかった。ましてや体格のいい人と隣合わせでもすると往生したものだが、それがかなり緩和された。

 さらに通路が増えたので、出入りが楽になった。これはビールを飲んでトイレが近くなるわれわれにはありがたい。

 2008416ところで試合のほうは、小刻みに得点して5対1で完勝。なんと下柳がスイスイと完投して、久保田も藤川も見られずじまい。

 雨にも降られず、9時前にはヒーローインタビューも終わって帰路につく。でも何だか物足りず、結局梅田で飲み直すことに。

 気のせいかも知れないが、北新地には応援グッズを持ったグループがチラホラ。

 負けたら自棄酒、勝ったら祝い酒、結局ファンというのはいつも飲んでいる…

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2008年4月 5日 (土)

順位予想

 開幕カードでヤクルトが巨人に3タテを食らわしたかと思ったら、今度はパリーグでは楽天が首位に躍り出た。

 こういうのは面白い。ボクは断然弱いチームの味方である。

 毎年オープン戦の終わり頃になると、野球評論家なる人たちが、もっともらしい顔をして今年の順位予想なるものを発表する。これをまた熱心に聞いているファンがいる。

 いつもバカじゃないかと思う。だいたいこんなモノは当たったタメシがない。前年の順位を少しいじっただけで、これくらいなら小学生でもできる。セリーグでいえば、Aクラスは巨人・中日・阪神、パリーグだと日ハム・ロッテ・ソフトバンクと、判で押したように同じ。こんなつまらない予想に理屈をつけて、恥ずかしくないのか。

 キャンプやオープン戦を回ってきた評論家ならば、足で稼いだ独自のネタがあるはずだ。それをモトにして、ファンを唸らせるような大胆な予想ができないものか。もしヤクルトや楽天の優勝を予想する評論家がいたら、ボクは当たらずとも間違いなくファンになる。

 だいたい予想は楽しむもの。誰も当たるとは期待していない。

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2008年3月28日 (金)

野球とベースボール

 昨日、野球とベースボールは違うスポーツだと書いた。

 少し補足したい。

 もちろん野球が明治の初期にアメリカから伝わったことは百も承知。初めは大学野球として定着し、さらに少年野球として裾野を広げた。戦後はテレビの普及とともに、プロ野球が国民的大衆スポーツに昇り詰めていく。

 ということは、日本に来てすでに130年ほどの長い歴史がある。文化も生活習慣も異なる遠い異国で、幾多の苦労を重ねたことだろう。しかしそれらを克服して、しっかりと根を下ろして立派に花を咲かせた。軟式野球のように、日本で独自の進化をとげたものもある。移民でいえば三世、四世の世代。もう母国語など話せないかもしれない。

 ルーツも大切だろうが、しかし百年以上も経ってなお、金科玉条の如く舶来信仰を持ち続けるのはいかがなものか。いまだに「本場のメジャーリーグ」などと口にする評論家をいつも苦々しく思う。

 食べ物ではそんな例はいくらもある。

 たとえばカレー。これはもともとインドの国民食ともいうべき料理だが、明治の初めに日本に持ち込まれた。そして日本人の味覚に合うように改良を重ねて、現在の形に完成された。今ではれっきとした日本の家庭料理で、インド料理の専門店で出てくるカレーとは違う食べ物だといっていい。

 ラーメンにしても、中国から入ってきたものが日本で生まれ変わった。ボクは何度か中国で拉麺を食べたことがあるが、麺もスープも日本のラーメンのほうがはるかに質が高い。

 野球とベースボールは似て異なるもの。目ざしている方向とて同じではない。パワーやスピードでは一歩譲るとしても、日本野球独自の道があるはず。少なくとも何でもメジャーに臣従する卑屈な根性だけは捨てようではないか。

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2008年3月27日 (木)

プロ野球開幕

 一昨日の夜、アスレチックスvsレッドソックスの日本開幕戦をテレビ観戦。

 Mlb_photo_thumb_4295東京ドームは、松坂大輔の凱旋姿をひと目見ようという熱心なファンで超満員。しかし肝心の松坂は制球難で自滅。5回2安打2失点ながら、球数が多くて緊張感のないゲームだった。西武時代と比べて成長したとも思えない。失望して途中でチャンネルを代えてしまった。

 しかし、パリーグは20日から開幕しているというのに、なぜこの時期にメジャーを呼ぶのだろうか。各メディアはパリーグそっちのけで、メジャーの話題で持ちきり。

 興行的には成功かもしれない。でも、日本の野球とメジャーといったいどちらが大切なのか。

 この開幕シリーズを主催しているのは球界の盟主たる巨人軍の親会社である読売新聞社。テレビも日本テレビ系列の独占中継。

 今、日本球界はスター選手のメジャー流出を防ごうと必死になっている。FAの取得年数にしても、国内移籍を国外より短くしようとするほどだ。その議論の先頭にいるのも巨人だったはずなのに、言ってることとやってることが矛盾していないか。改革という旗印の下、方向が定まらずに迷走している。

 それにしても、今年のパリーグはなかなか面白い。開幕ゲームはすべて1点差の好ゲーム。ダルビッシュ、小林宏、涌井、加藤大などがこぞって力投。イキのいい若手も伸びてきた。これで中田(日ハム)あたりが1軍に上がってきたら話題にはこと欠かない。

 もうメジャー信仰はやめようではないか。かつては体力的にも技術的にも大きな格差があったかもしれない。しかし、ここ数年の日本人選手の活躍を見ていると、日米のレベルはさほど違わない。むしろ三振かホームランかという大味なメジャー野球よりも、日本の繊細な野球のほうが質が高いと思うことすらある。

 断じて舶来を要せず!大枚払って役に立たない助っ人とやらを連れてくるのもやめよう。ボクは野球とベースボールとは違うスポーツだと思っている。

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2008年3月24日 (月)

引退

 引退試合や断髪式を見ていて、いつも思うこと。

 幸せな現役生活だったのだろうか。ここで引退して悔いはないのだろうか。

 棺に納まった物言わぬ顔を見ても同じことを思うが、引退は自分の意思で決めること。体力・気力の衰え、目標の喪失、経済的な不安、さまざまな思いの中で決断していくのだろう。

 最近では、10日ほど前の黒木の引退セレモニーにホロリときた。万年最下位だったロッテを支えたかつてのエース。だが、その復活は結局叶わなかった。オープン戦としては異例の3万人という観客が集まったらしいが、マウンドで吼えるジョニーの雄姿はいつまでもファンの記憶に残るだろう。

 引退後の仕事が保証されているのなら、晩節を汚さずにスパっと辞めるという選択肢もある。こうして第二の人生で活躍しているのは江川と掛布。逆にボロボロになるまで生涯一捕手を貫いたのは楽天・野村監督。

 それぞれの人生観や問題だから、どちらがいいとは言わない。しかし、ピークを過ぎた一流選手が、過去の名声を捨ててまで若手に混じって己の道をまっとうする姿には頭が下がる。自分にはとても真似できない。

 ということで今年は、横浜・工藤(44歳)、パイレーツ・桑田(39歳)、中山ゴン(40歳)と三浦カズ(41歳)に注目。

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2008年3月 9日 (日)

夢かなわず

 名古屋国際女子マラソン。

 Bjn003016009119復活を期した高橋尚子の夢はかなわなかった。9キロ地点で失速し、あとは先頭集団との差は開く一方。終わってみれば27位と惨敗だった。

 Qちゃんの強みは、マラソン10戦7勝という実績と経験。しかし、1年4ヶ月ぶりのレースと35歳という年齢を考えると不安は大きかった。さらに、これまでは練習の目安としていたハーフマラソンに出ずじまい。

 今日のブログはQちゃんのことを書くつもりだった。もし優勝して北京の切符をつかんだら書こうと思っていたネタもあったが、それは封印しておく。

 昔からQちゃんのファンで、彼女が出るレースはほとんどすべてライブで見ている。過酷なマラソンレースとあの爽やかな笑顔とのアンバランスが何とも魅力的だった。2000年のシドニーで、シモンとの死闘を制してゴールのテープを切った姿は今でもハッキリ覚えている。

 その彼女に対する印象が変わったのは、アテネの代表選考から落ちたときの記者会見。陸連が下した決定そのものは正しかったのだろうが、選考基準の曖昧さに国民は憤った。

 会見は圧巻だった。ヒロインの悔し涙を待ち望んで集まったテレビカメラを前にして、当のQちゃんは恨みごとひとつ言わず、一粒の涙も見せなかった。陸連の決定を従容として受け入れ、すべてを自分の責任として甘受する姿勢を貫いたのだ。タダの人ではない。記者団とのやりとりを見ていて、ここまでデキた人間はそうザラにはいないと感心した。

 そのアテネの翌年11月、東京国際で2年ぶりのフルマラソンを制して、不死鳥のように蘇る。表彰台で彼女は、国立競技場を埋め尽くした観客に笑顔でこう語った。
「夢を持ち続けて頑張れば、暗闇の道にも光が射してくることをみなさんに伝えたかった」
オリンピックがすべてではない。マラソンは楽しむために走るのだ。そういう生き様が気負いのない言葉に表れていた。泣けた…

 仕事でも勉強でも、苦しいとすぐに投げ出す人がいる。失敗したら二度と同じことに挑戦しない人がいる。 それに比べて、シドニーの金メダルからいったん奈落の底まで落ちて、再び這いあがってきたQちゃんが何と神々しく輝いて見えたことか。

 結果が出せずに挫折したときに、まず自分の弱さや欠点を省みることのできる強さ。自分が一番苦しいはずなのに、弱音を吐かず、言いわけもせず、ふだんと同じ笑顔で答えられる精神力。

 今日のレースでも、沿道を埋め尽くす応援はQちゃんひとりに向けられていたといっていい。そのプレッシャーをバネに、声援をエネルギーに、彼女は先頭集団から離されても黙々と完走した。

 剣道に『遊剣不動』という言葉がある。厳しい剣の修行に耐えて、その苦しさを楽しみつつ不動の自分をつくる、という意味だろうか。人生万事に通ずる極意である。アベベも円谷も君原もみんなそうだったが、マラソンランナーは哲学者であり求道者である。

 解説をしていた有森裕子が、かつてこんな言葉を残している。「レースの日は 42.195kmですべてが終わる。だから少しも苦しくない。その水面下にあるこの何百倍もの練習こそがマラソンと呼べるものなのです。」

 これからのQちゃんの人生にエールを送りたい。

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2008年2月20日 (水)

二重契約

 パウエルの契約をめぐって、オリックスとソフトバンクがもめている。

 オリックスが「先に契約を交わした」といえば、ソフトバンクは「その契約が破談になったと聞いたから契約した」と主張する。でも真相はヤブの中。

 ファックスやノートの切れ端でも法律上は有効。同じ契約書にサインしたら二重契約になりかねない。両球団から金銭を得る権利が発生する一方で、両球団でプレーする義務が生じる。そんなことができるはずがなく、選手としてはあるまじき行為。日本のプロ野球がなめられている。

 理屈はともあれ、本契約の寸前でソフトバンクが横からさらっていったというのは争う余地がない。

 プロ野球は公共の文化である。ファンとの信頼関係なしには成り立たない。外国人だからといって特別扱いすべきでない。契約金のつり上げを狙った選手や代理人の言い分を黙って認めるのも、ファンに対する裏切り行為。今後の外国人との契約の手続きの指針になるような裁定を期待する。

 清原が「金で魂を売るようなヤツ。(対戦する)価値もない」と吐き捨てている。タマには男気のあることを言う。同感である。

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2007年12月10日 (月)

契約更改

 この季節になると、スポーツ紙は契約更改の話題が続く。

 今年のデータを見ると、12球団の支配下公示選手744人の平均年俸は3,553万円で、1億円以上の選手が66人並んでいる。ヤンキースの松井が巨人にいた頃に、ホームラン1本がサラリーマンの年収に匹敵すると週刊誌に書かれたことがある。たしかにわれわれからすると雲の上の話だが、プロ野球選手は夢を売る商売だから、それで球団経営が成り立つのであれば高いとも思わない。

 阪神でいうと、昨年金本が5.5億円で3年契約を結んだ。今年の成績は物足りないが、あのプロ根性や克己心、練習量、人柄などはぬるま湯に浸かっていた後輩たちに大きな刺激を与えたはず。もうこれからは4番にこだわらず、若手の指導者としての役割も期待したい。

 故障に泣いた今岡の大幅減俸はやむを得ない。来期は新井の加入でサード争いも激しくなるだろうが、一昨年の打点王。もう一度あの勝負強いバッティングを見たいものだ。

 鳥谷・林などの野手に比べると中継ぎ投手の評価が低い。久保田・江草・橋本らが保留し、いずれも仏頂面で会見に臨んだ。1億円を越えた久保田はともかく、他の中継ぎ陣は少し気の毒な気がする。

 ボクの記憶では、かつてのONはこうした更改の席ではつねに一発サインだった。満足できる提示額だったかは別として、球界を代表するスター選手が金のことでガタガタ言うのはみっともないとでも思っていたのだろうか。

 しかし今や時代も変わった。ゴリ押しがいいとは思わないが、思いの丈をキッチリと主張したほうがいい。契約更改はとかく金額ばかりに目がいきがちだが、選手が自分の成績や評価について球団幹部と冷静に話し合ういい機会。その大切な交渉を代理人任せにするなどもっての他である。

 そのいっぽうで、サラリーマン社会ではなかなか年俸制は定着しない。やっぱりウェットな日本の企業風土には合わないのだろうか。

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2007年12月 4日 (火)

おめでとう!星野ジャパン!

 素晴らしい3連戦だった。

 とくに一昨日の韓国戦は最後まで息詰まる緊迫した接戦。夜遅くまでハラハラしながらテレビに釘づけになっていたが、終盤はピンチの連続。上原が最後のバッターを一飛に打ち取ったときは、思わず跳び上がってしまった。

 1204top 日の丸を背負って勝つことを宿命とされたチームを率いるプレッシャーは、凡人には想像もつかない。その星野監督も、さすがに韓国戦後のインタビューでは安堵感からかいつもの冷静さを欠いていた。「オレ何言ってんだろう…」と苦笑いした無防備な表情が人間臭くて、とても好感が持てた。

 今回の最大のヒーローは打者では4番を任された新井。投手では岩瀬だと思う。

 新井は5番の阿部とともに中軸の重責を充分に果たした。何よりも野武士のような面構えがいい。昨夜の台湾戦の初回。死球のミスジャッジをものともせず、三遊間を抜いて先制適時打。そして一塁ベース上でベンチに向かって大きくガッツポーズ。この闘志がナインを奮い立たせたことはいうまでもない。

 投手陣はみんな素晴らしかったが、なかでも韓国戦でロングリリーフに耐えた岩瀬の力投が秀逸。8回は藤川に継投かと思ったが、速球に強い韓国打線には岩瀬のような技巧派のほうが打ちにくいらしい。再三のピンチでの沈着なプレートさばき、そしてこれをしのいでマウンドでこぶしを挙げて躍る姿はまさに感動モノ。

 星野采配でなるほどと思ったのは、将来の日本野球を背負う涌井・成瀬・ダルビッシュの若手3人に先発を命じたこと。そして立派に彼らはその期待にこたえてくれた。

 野球というのは、こんなにエキサイティングな素晴らしいスポーツなのだ。昨日の台湾戦も逆転された時は一瞬ヒヤッとしたが、ベンチは冷静だった。稲葉に打たせて1、2塁にしたあと、代走宮本の果敢なスライディング、意表をつく大村のスクイズ、そしてたたみかける連打、この集中力こそが日本野球の真骨頂である。

 いよいよ来年の北京が楽しみになってきた… ガンバレ!星野ジャパン!

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2007年11月 2日 (金)

非情な采配

 あっけなく日本シリーズが終わってしまった。緒戦を落としたあとは、中日の4連勝。とくに後半の日ハム打線はまったく精彩を欠いていて、あっけないシリーズだった。
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 どちらに肩入れしているわけでもないから、見ていても力が入らない。おまけに、両チームとも地味でインパクトが乏しい。

 そのなかで唯一ハラハラして見ていたのは、昨夜のゲーム。8回を終わって1対0。パーフェクトの好投を続ける山井は、日本シリーズ初の偉業まであとアウト3つ。ところが落合監督は、ここで驚くべき断を下した。なんと山井に代えて守護神・岩瀬を投入したのだ。

 賛否両論あると思う。勝ったからいいという人もあろうが、今朝のスポーツ紙では否定的な意見が多かった。

 表情をあまり変えない監督の内心は読み取れない。しかし、恐ろしく勇気のいる決断だったはず。岩瀬が3人でキッチリ抑えてくれたからよかったものの、もし1本でもヒットを打たれていたら、またフォアボールでも出していたら、何を言われたか分かったものではない。しかも点差はわずか1点。万が一ここで逆転負けでも喫していたら、シリーズの流れが一挙に日ハムに傾きかねず、世紀の交代劇として球史に長く名を残したに違いない。

 プロだからこそ勝敗にこだわる。そのためには温情を断ち切らないとならないときもある。

 このときボクは、この中日には阪神は勝てないと思った。この監督なら金本に代打を出すことも躊躇しないだろう。

 さて来月になれば、今度は北京五輪アジア予選。今年は、まだしばらく野球が楽しめる。

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2007年10月28日 (日)

投げた!打った!勝った!

 気持ちのいい秋晴れだったが、一日家でゆっくりしていた。朝からレッドソックスvsロッキーズのワールドシリーズ中継を観戦。注目の松坂vs松井稼の日本人対決はなかなか見ごたえがあった。
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  ロッキーズはメジャーに参加してまだ15年の新しい球団。敵地ボストンで連敗した後、本拠地デンバーで大観衆が見守る中で迎えた第3戦。防寒具を身にまとったファンたちは白い息を吐きながら、全員が立ち上がって一球一打に驚喜する。こういう風景はなかなかいいものだ。

 デンバーにとってメジャー誘致が長年の悲願だったことは、このスタンドの盛り上がりを見ればよく分かる。これが本来のフランチャイズ制で、日本ハムや楽天もいい本拠地を選んだものだ。

 3時間近く観戦していて、気になったのは選手や監督たちがグランドやベンチの中ですぐにツバを吐くこと。ガムを噛むくらいは許すにしても、守備位置でピーナッツ袋を広げたり、ベンチでスナック菓子を頬張るのは行儀が悪すぎる。さすがに日本人選手たちにはこの悪癖は身についていなかったが・・・

 ゲームは中継ぎの岡島が3ランを喫したものの、レッドソックスが後半に追加点を入れて逃げ切った。試合後はヒーローインタビューも六甲おろしの大合唱もなく、観客は整然と帰路につく。彼らはみんな車で帰るし、ここらあたりは半分宴会場と化する日本の球場とは違うところ。

 このクアーズスタジアムは標高1,600mにあって空気が薄いためボールがよく飛ぶらしい。だからバッター優位でホームランが出やすいのだが、ここで唯一ノーヒットノーランを達成したのがあの野茂英雄だったはず。

 たまたま昨日のスポーツニュースで、彼がベネズエラに渡って現役を続けている姿を見た。最近でこそ多くの日本人が海を渡って活躍しているが、その先駆者たる野茂が残した功績は大きい。

 パイオニアとして大変な苦労をしながら道を切り開く。そして後続たちがたどり着いた時分にはどこやらに消えて姿も見えない。そういうのもちょっとカッコよすぎるのではないか。もう一度、あのトルネードの雄姿が大舞台で躍るのを見たい。

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2007年10月22日 (月)

大相撲改革

 今月の初め頃だったと思うが、テレビをつけたら渡会文科大臣と北の海理事長がニュースに写っていた。

 大臣は、小さな身体を90度折り曲げて最敬礼。いっぽうの理事長は、申し訳程度に頭を下げているだけ。時津風部屋の若手力士が死亡した事件で文科省から呼び出されて事情説明をしていたらしいが、理事長は身体も大きく不遜な態度で、どちらが謝罪しているのか分からない。それにしても、あの文科大臣の姿はちょっと情けなかった。

 若貴の引退後、角界は長らく低迷が続いている。積年の八百長疑惑は晴れず、出稼ぎ外国人力士に上位を独占されたまま。しかも朝青龍問題に続いて今回の暴行死事件と、問題山積である。

 しかし現在の北の海体制では、思い切った改革などとうてい期待できない。大相撲そのものが存亡の危機に瀕しているのに、問題意識が希薄で、自分が先頭に立って改革していこうという意欲がまったく感じられない。今回の問題でも「親方の責任」というコメントをくり返すが、そんな次元の話ではなく、根元からこの閉鎖社会の体質改善をしない限り大相撲には未来などない。

 もちろん北の海は、押しも押されぬ往年の名横綱。しかし、だからといって優れた指導者だという保証はない。ましてや理事長職ともなると、経営手腕やバランス感覚を問われる。

 プロ野球やJリーグを見習ってほしい。監督は必ずしも名選手ばかりではないし、外国からの招聘も辞さない。またプロ野球のコミッショナーは検事出身だし、元日本代表であるJリーグ・チェアマンにしても、先見性のある経営者である。

 しかるに旧態依然とした角界では、新人親方には発言権すらない。何ヶ月か前に貴乃花親方が、協会運営などに関する持論をメディアで繰り返し発言したことで厳重注意を受けたばかりだが、「力士給与の年俸制」「狭い升席を四席から二席に」「地方場所で合同地方宿舎の設置」「協会が小中高一貫の相撲学校を経営」など、なかなか傾聴に値するビジョンを持っている。こういう改革派の若手親方の斬新な意見を取り入れるためには、思い切って外部の有識者を理事長に登用するしかないと思う。

 いったい相撲は、神事なのかスポーツなのか、それとも娯楽ショーなのか。少なくとも、相撲だけを国技だとして特別扱いする時代でないことだけは確かである。

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2007年10月18日 (木)

先がないスポーツ

 近ごろの朝青龍や亀田兄弟の問題を見ていると、どうも最近のスポーツ選手は天狗になりすぎている。

 強ければ何をしても許されると勘違いしている。これを甘やかすマスコミにも責任があるし、取り巻きも悪い。本来なら弟子や選手を指導する立場にある親方やセコンドが、その役割を果たせていない。

 昔から「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるが、トップを目ざすなら、若いうちからスポーツの技術だけでなく人格をも磨く修練を積ませるべきだ。どんな分野でも一流といわれるような人は、人間的にも一級品である。

 今年の女子プロゴルフ界での注目株は上田桃子。彗星のごとく躍り出てすでに3勝。しかし彼女もマナーが悪く無愛想で、今流行りの言葉でいえば『エリカ様』的。悔しさは分かるが、プレーオフで敗れた勝者との握手で、目も合わせない不遜な態度はいかがなものか。

 その彼女が今月初めの『情熱大陸』で「バレーやバスケは先がない(プロがない)スポーツ、よくやる気になる」と言ってしまった。そしてこの発言に批判が集中。彼女なら言いかねないと思って炎上したとされる彼女のブログを覗いてみたら、何とタイトルが『待ってろ世界!』といかにも挑戦的。

 不動・大山などの先輩たちと見比べると、やはり品格が違う。こんなことではキミにも先はないよ。もうちょっとゴルフ以外の勉強をしたらどう・・・

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2007年10月12日 (金)

タイトルマッチ

 昨夜、WBC世界フライ級タイトルマッチをテレビ観戦。
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 虫唾が走るほど嫌いな亀田3兄弟が負ける姿が観たいというのは、我ながら相当気持ちがゆがんでいる。アンチ巨人の比ではない。

 しかし試合は期待外れで、ひと言でいえば凡戦。試合前の会見でゴキブリと侮辱されたチャンピオンが大毅をマットに沈めてくれるシーンを心待ちにしていたのに、残念ながら内藤にはそこまでの力はなかった。

 33歳の内藤はテクニシャンだがハードパンチャーにあらず。それよりも大毅の未熟さばかりが目立つ。頭を下げて突進しても、得意の左フックは空を切るばかり。いっぽう内藤の右フック、ボディーアッパーは当たっているが、さほど効いているとも思えない。

 採点公開制によって4回と8回に途中経過を発表する試みはなかなかいい。大差をつけられた大毅は、最後はヤケクソで内藤を持ち上げて投げ飛ばしてしまう。こんなのはボクシングではない。デビューから1年余り。これまで10戦無敗だったらしいが、格下の外国人相手に勝ち星を重ねても価値はない。

 素人目にもマナーが悪すぎる。頭突きを食らわしたり、グローブを故意に相手の目に入れたり、太ももを叩いて相手の足を止めてみたり・・・内藤の右目の上が切れたのもパンチではなくバッティングによるものではないか。

 口や態度は生意気だが、ボクシングの基本ができていない。こんなチンピラは徹底的に叩きのめしてほしかったのに、何とも不完全燃焼の試合だった。

 それにしても、ボクシング界にも爽やかなスター選手が現れてくれないものか。そのときは亀田3兄弟には、ぜひともダーティーな敵役をお願いしたいものだ。

 試合後の内藤は、相手の罵詈雑言を気にしない大人のコメントをしている。
「反則が多かったが、そんなことをしなくてもいい選手。防御勘もあるし、もっとクリーンにやればいいボクサーなのに・・」と将来性を認め、切腹発言については、
「最初から切らないのは分かっているから、ネチネチとこれ以上いったらかわいそう。」と受け流す。

 そのとおり!こんなのを相手に本気でケンカしたらチャンピオンの名折れである。

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2007年10月 3日 (水)

ビールかけ

 あっけなく巨人が優勝してしまった。

 最後は敵失で逆転サヨナラ勝ちという、何ともお粗末な幕切れ。それにしても、優勝のかかったゲームなのに日本テレビでさえ地上波で生中継をしないというのは、往年の球界の盟主としては寂しい限り・・・

 昨夜、そのビールかけを見ながら考えていた。

 何千本ものビールがほんの30分ほどの間に消えてなくなるバカ騒ぎ。何年か前にダイエーが「商品を無駄にしている」という世間の批判を慮って、祝勝水で代用したこともあった。ビールは飲むものだとマユをひそめる向きもあろうが、これを楽しみに1年間頑張ってきたのだから、この日くらいは大目に見てあげてもいいだろう。

 ただし、会場にテレビカメラやマイクを持ち込んで、びしょびしょになった選手たちにインタビューして回るのはいただけない。興奮しきった選手たちからはロクなコメントが取れないし、ましてや女子アナがカッパ姿で取材するのは明らかにやり過ぎ。ファンもそんな姿など見たくないと思う。

 たぶんこのビールかけはメジャーリーグのシャンパンファイトを誰かがマネて始まったのだろうが、これは似て異なる習慣。メジャーでは選手たちがロッカールームでシャンパンをかけ合った後、すぐに満員の観客がスタンドで待つグラウンドに飛び出してくる。そしてフェンス沿いを走りながら、シャンパンを観客に盛大に振りかけて回るのだ。

 これはファンを大切にするメジャーらしい祝勝会で、見ていてもなかなかいい光景だ。でも日本の場合は取材側が仕組んだ単なるバカ騒ぎで、残念ながら底が浅い。

 その写真の脇に、ロッテがジョニーこと黒木知宏投手に戦力外通告をしたという記事が小さく出ていた。彼は気迫あふれる投球で低迷期のロッテを支えたかつてのエース。イチローや中田英寿のようなクールさがもてはやされた時代に、泥臭い感情をむき出す姿は新鮮だった。ひそかに復活を心待ちにしていただけにとても残念。背番号54。もう一度マウンドであの雄姿を見たかった。

 そして今日は高校生ドラフト。

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2007年9月20日 (木)

大敗!甲子園

 昨夜、久しぶりに甲子園で巨人戦を観てきた。

 前日までの勢いで3連勝かと思いきや、1-11の大敗。悔しさを通り越して言葉も出ない。

 早めに仕事を終えて、阪神梅田駅から甲子園行きの臨時特急に飛び乗る。直通電車だから乗客の行き先はみんな一緒。すでに気持ちはひとつになっていて、思い思いの選手のユニフォームを着た若者や、弁当に水筒・メガホンで膨れ上がった手提げ袋を持った家族連れで盛り上がっている。

 スタンドに着いたのがちょうど6時。腰を落ち着けてビールを飲みだした矢先の2回表に無死満塁のピンチ。ここで伏兵ゴンザレスに満塁ホームランを浴びる。
 「まあ、これくらいハンディつけたれや~」
と前席のおっちゃんたちはまだまだ余裕タップリ。

070920tig20070920021_mde00284g07091   ところが4回表、先発ボーグルソンがよりにもよってピッチャーの内海に危険球をぶつけて一発退場。張りつめた雰囲気の中で、高橋由が急遽登板したダーウィンから右翼席へ3ラン。静まりかえったスタンドからは大きなため息と野次。ここで勝負は決まってしまった。あとはその内海に三振のヤマ。7回裏のジェット風船もむなしい。

 勝敗への興味が薄れてしまったので、後半はグランドのあちこちを眺めていた。スタンドから見ていると、ふだんのテレビ画像とは違う視点からゲームを楽しめる。球筋や球種は分かりにくいが、野手の位置はよく見える。打者によって守備位置が変わるし、内野手などはカウントによっても立つ位置が違う。野球というのはなかなか繊細なゲームだと感心した。

 終盤に追加点を入れられるが、緊張感を失ったゲームは淡々と進む。楽しみにしていたJFKにもお目にかかれず。でも守護神・上原を投入してくれたのは、最終カードということでのせめてものファンサービスか。

 このカードには珍しく、9時過ぎにゲームセット。ヒーローインタビューも六甲おろしの大合唱もなく、ファンはスゴスゴと帰路につく。

 帰りの電車で、たまたま行きの家族連れと出くわした。首に手拭いを巻いたお父さんは、ヤケ酒のせいか真っ赤な顔をしている。
 「大負けでも一敗は一敗や!せいせいするわ~」
 こういうのは負け惜しみという。お疲れさんでした。

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2007年9月10日 (月)

10連勝

 敵地東京ドームで宿敵巨人に 3タテを食らわして、ついに10連勝!

 この3連戦、終盤はほとんど家でテレビにかじりついていたが、すべて1点差の緊迫した総力戦。見ごたえ充分で、トラキチにはこたえられないナイスゲームの連続だった。

070908tig20070908012_mde00385g07090  緒戦の見せ場は 8対8の同点で迎えた9回表。ピッチャーはこの回から抑えのエース上原。代打はベテラン桧山。右手一本ですくい上げた打球は失速しながらも右翼最前列に吸い込まれていく。ぼう然と打球を見送る上原を尻目に、桧山はゆっくりとダイヤモンドを回っていく。結局このゲーム、巨人は7本のホームランを打っても勝てず。桧山のヒーローインタビューを聞きながら、今年最高のゲームかと思ったが、今思えばこれが熱き3連戦の幕開けだった。

 第2戦はうって変わって息詰まる投手戦。勝因は安藤の好投だが、ゲームを決めたのは伏兵葛城の一発。ヒーローが日替わりで出てくるのが強いチームの証(あかし)。

 そして昨夜の第3戦だが、これも5時間をこえる打撃戦。勝敗の行方は最後まで分からず、東京ドームの観客も11時になっても席を立てない。

 好ゲームに水をさしたのは、7回表のシーツの走塁。1塁ベース上で李と交錯して、原監督が血相を変えてベンチから飛び出してきた。両軍の選手がにらみ合ってあわや乱闘かと思われたが、ビデオを見たら明らかに故意に足を踏んでいる。こういうやり方はスポーツマンらしくない。

 その裏の二岡の同点2ランはあっぱれ。彼は憎らしいほどチャンスに強い好打者で、このときも打つような予感がした。これでまたゲームは振り出しに戻ったが、救援陣が豊富な阪神にはまだ余裕がある。

 10回表からまたもや上原。真っ向勝負の姿勢がすがすがしい。1死2塁の場面で、ふつうなら当たっている鳥谷を敬遠するところだが、まともに投げて見事に左中間を抜かれた。そのあと実績のない藤原にまでライト前に運ばれて万事休す。
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 その裏の藤川。疲れがたまっているのか速球にいつもの威力がなく、フォークの連投。小笠原のタイムリーで1点を失ったあと、じっくり間をおいて腕を振り上げた瞬間、李から「タイム!」のコール。そしてそれを見た藤川が、ボールを三塁線方向に投げつけたのには驚いた。あんな形相の藤川を初めて見たが、一球にかけるすさまじい精神力が凝縮されていたというべきか。

 最後にヒーローインタビューを見ていて感じたのは、選手たちももう少し日本語を勉強してほしいということ。何を聞かれても「そうですね~ やっぱり・・・」だけでは芸がない。ファンに気持ちが伝わるような言葉で感動を共有したいものだ。岡田監督にも同じことをお願いしておく。

 今朝は休刊日で、駅売りのスポーツ紙は早朝から売り切れ。もうしばらくは熱い夜が続く。

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2007年9月 2日 (日)

驚異の粘り

 土佐礼子選手、銅メダルおめでとう!

 今朝の世界陸上女子マラソンで、土佐選手が堂々3位に入った。
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 7時のスタートまでにイヌの散歩をすませて、テレビの前に陣取る。過酷な真夏の消耗戦はかなりのスローペースで始まったが、土佐は先頭集団を引っぱる積極的なレース展開。昨夜の女子 5,000m決勝で後半に失速した福士の姿が重なって「あまり無理しなくていいのに」と心配になる。

 沿道で小旗を振って声援する人たち。ボクも何度か観戦したことがあるが、マラソンランナーは驚くほど速い。待っている時間は長いが、通り過ぎるのは一瞬のウチ。あっという間にうしろ姿が遠のいていくから何だかあっけない。テレビで見ていると、昔ながらの小旗の間からシャッターチャンスを狙ったケータイがあちこちできらめいているのがいかにも現代的。

 そしてついに勝負どころの38キロ過ぎ。ヌデレバのスパートに遅れて 5位まで落ちたが、ラストの驚異的な粘りで 2選手を抜いてそのままゴール。それにしてもいったん離されてから挽回するというのはとてつもない精神力。最後はアゴが上がって泣きそうな表情だったが、なぜこんな酷暑の大阪でマラソンをするのかと気の毒になる。

 ともあれ、ようやくこれで陸連待望のメダルがとれたことになる。
 さあこれから!と思ったら、もう今夜が閉会式らしい。ボクは大阪府民として何のお役にも立てませんでしたが、関係者の皆さんお疲れさんでした!

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2007年8月28日 (火)

世界陸上

 世界陸上男子100mで、ゲイがパウエルを押さえて優勝した。

  ボクはもともと陸上にはそんなに興味もないのだが、一昨日の夜、チャンネルを回したらたまたま中継が目にとまった。
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 ふだん関心が薄いから選手の名前も頭にないし、世界のトップアスリートたちがどのくらいの記録で競っているのかという、いわゆる記録の相場みたいなのも知らない。世界記録更新だといわれたら「あっそうなのか」と思う程度の『にわか視聴者』である。この感覚は、電気製品を買い替えようと数年ぶりに家電店に行って、新しい機能も値段も分からずに説明を聞いているだけというのに近い。まあ浦島太郎みたいなものだ。

 テレビをつけたら織田裕二がシキリに「ゲイが」「ゲイが」と連発していたが、ボクはそれを聞くまで、ゲイ(Tyson Gay)というのが選手の名前だということすら知らなかった。

 その昔、マラソンで宗兄弟というのがいた。レース中に解説者が、コメントを求められるたびに同じ口癖から入るのが可笑しかった。
 「今日の宗の調子はどうでしょうか?」
 「そうですね~ 」
というような具合。

 ゲイというのは同性愛者のゲイ(gay)とスペルも同じ。名前は変えられないのだろうが、あまり気分のいいものでもなかろう。

 何の関係もないが、昨夜、ある会合の流れで近所のカラオケスナックへ。店の扉を開いた瞬間、
 「ゲイの~ためならぁ~♪ 女房も泣かすぅ~♪」
と『浪花恋しぐれ』の熱唱が聞こえる。その瞬間、ふとあの筋肉のカタマリみたいな黒人のスプリンターの姿が頭に浮かんだ。

 ふ~大阪の暑い夏はまだ終わらない。

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2007年8月24日 (金)

判定

 夏の高校野球決勝で、佐賀北が広陵を 5-4で下して初の全国制覇を遂げた。

 立派な施設や潤沢な寄付金、優れた選手を集める力では、とうてい私学の甲子園常連校に敵(かな)うはずもない。そんなハンディの中で地方の県立校が優勝したというのは立派というしかない。

 ボクはライブでゲームを見ていなかったが、4点を追う8回、1死から連打と2四球でまず1点。さらに劇的な逆転満塁本塁打で 5-4と試合をひっくり返した。7回まで1安打に抑えられていたのに、終盤のワンチャンスをものにした集中力は素晴らしい。 
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 夜、家でニュースを見たら、負けた広陵の監督が主審のストライクボールの判定に怒りを露わにしていた。高校野球でこんなことは珍しい。そういわれて改めてジックリ見たら、たしかにあの8回のボール判定はどうかと思う。とくに押し出しになった最後の一球は、低めのストライクにしか見えない。ポーカーフェースの投手が驚きの表情を浮かべ、捕手はミットで地面を叩いていた。

 まさか公立校への判官びいきもなかったと思うが、少し後味の悪い夏の終わりとなった。

 あとでビデオを見ながらだと何とでもいえるが、その場での一瞬の判断だから公正さを維持するのは難しい。実力では広陵が一枚上だっただけに、選手の気持ちを慮る監督の立場もよく分かる。しかしここは主審の判断が正しかったと信じよう。唇をかんで優勝旗を見上げていた広陵の選手たちの純粋さを、ファンは忘れないはずだ。

 判断といえば、大相撲の朝青龍問題のほうは解決の糸口が見えない。横綱に批判的な世論を尻目に、理事会はどうケリをつけるのか。こちらの時間はたっぷりあったのだから、誰もが納得できる結論を出してほしい。

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2007年8月20日 (月)

野球雑感

 このところ、朝は早起きしてメジャーの試合をチェックして、昼間は車で高校野球を聞いて、そしてまた夜はプロ野球中継を見ている。

 そんなに一日中野球ばかり見ていて面白いのかと不思議がられるが、これがどうして面白いのである。

 我が家では、ボク以外は誰も野球に関心がない。というよりも野球を知らない。そんな人間にイチからルールを教えることは並大抵のことではない。これがサッカーやラグビーならルール自体は単純。前にボールを進めてゴールやトライを狙うだけだから、素人でも黙って見ていたら分かる。

 ところが野球はそうはいかない。ルールがやたらと複雑で、作戦も多種多様。バントや盗塁、犠牲フライあたりはまだいいとして、振り逃げにボーク、インフィールドフライ、隠し玉あたりになると上級者でも面食らう。でも完成度の高さでいうと、これを超えるスポーツはない。

 いつも感心するのは、マウンドとホームベースまでの 18.44mという距離。もっと長いとポカスカ打たれるし、短いと手も足も出ないだろう。投手と打者のバランスを保って今くらいの点の取り合いをさせるためには、絶妙に計算された距離。ストライクゾーンの設定とともに、仕組みを作った人に敬服する。

 ベース間の距離は 27.431mと、これもよくできている。一塁ベース上では、深い内野ゴロのスリリングなクロスプレーを演出するし、二塁ベースまでの距離が 50センチでも違えば、盗塁阻止率が大きく変わるはずだ。また三塁からホームベースまでの距離は、スクイズやタッチアップの成否を決する。こうしてふだん当たり前のように見ていることでも、実に巧みに施された細工の痕がある。

 その野球が大衆娯楽としてここまで成熟したのは、見せ場の合間に気を抜ける時間が散りばめられているからだ。手に汗握る緊張の瞬間と、のんびりトイレに立てるアイドルタイムが交互にやってくる。サッカーは身体の芯から熱くなるが、目が離せないだけに肩がこる。その点野球は仲間とワイワイやりながら、ヤマ場だけ集中すればいい。

 要するに、ボクのようなズボラ者には格好のゲームなのである。

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2007年5月31日 (木)

ゴルフ

 梅雨入り前のこの季節は絶好のゴルフシーズン。

 ということで、今週の月曜日に友達2人と滋賀県の京阪カントリークラブに行ってきた。家から片道40分。スコアは相変わらずだが、風薫る新緑の中で白球を追いかけるのは楽しい。

 ボクがゴルフを始めたのは今から20年ほど前のこと。最初の頃は年に10回以上のハイペースだった。今思えばあの頃にレッスンプロにでもついてキッチリ基本を教わればよかったのだが、もう後の祭り。我流のスイングだから、いっこうに上達しない。

 大阪に戻ってからは回数もめっきり減って、今ではせいぜい年に1、2回。付き合いゴルフはすべて断って、気のおけない仲間から誘われたときだけ行くことにしている。

 バブルに踊らされて会員権も買った。あんなもので金儲けをしようという根性が浅ましいが、当時はみんな1つや2つホームコースを持っていた。ゴルフもしないのに利殖目的で買い漁る輩(やから)もいた。しかしその後相場は暴落。ボクも1つは損切り処分したが、もう1つは売れずに持ち続けている。2つ合わせたら高級外車1台分くらいの損をしていて、とても妻には言えない。でも、東京でマイホームまで買わなかっただけ運が良かったとあきらめている。

 そして先日のゴルフ。友達がネット予約してくれたのだが、昼食つきで1万円。平日とはいえ往時と比べたら驚くほど安い。

 でも自分の小遣いで楽しむレジャーだと思えば、妥当な価格設定かもしれない。そう思って会員権相場を調べたら、売り3万円、買い1万円。1回のビジターフィーより安いというのはいったいどういうことか。ビジターでも簡単に予約ができるから、会員権を持つ意味などないということかもしれない。

 世の中、リースやレンタルが大流行り。それでも充分に人生は楽しめる。所有しないと安心できないというのはちょっと頭が古いのかもしれない。

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2007年5月24日 (木)

野球とベースボール

 最近メジャーリーグのゲームを見る機会が増えたが、やはり日本の野球とは似ていて異なるという気がする。

 アメリカ人の気質といえばそれまでだが、ベースボールはエンターテイメントであって楽しむもの。それに対して野球は高校野球の延長。もっといえば軍人教育の一環で、軍隊の封建的規律が浸透している。その昔ヤクルトにいたボブ・ホーナーが「日本にはベースボールに似たゲームがある」という言葉を残して去っていったのを思い出す。

 だいたい野球用語には物騒な言葉が多い。「一死・二死」「死球」「憤死」「刺殺」「併殺」「犠牲バント」、しかも無事にホームベースに戻ってきたら「生還」など、時代錯誤もはなはだしい。

 ベースボールは球場の雰囲気からして違う。観客はグローブを持って球場に来て、手拍子でハンカチを振って応援する。スコアブックをつけて楽しむファンも多く、球場というよりボールパークという表現が似合う。7回表が終わったときに観客全員が立ち上がって”Take me out to the ball game”を歌う光景も大好きだ。

 野球はチームプレーを重視するが、ベースボールは徹底した個人主義。チャンスには初球から積極的に打ちにくるし、犠牲バントを嫌う。監督の采配を絶対視する日本野球とは考え方が違う。

 常に相手に敬意を払いプライドを尊重する。だから大量リードの試合では0-3からの球は打たず、盗塁もしない。ホームランを放っても三振を奪っても派手なガッツポーズはご法度。これを知らない新庄が0―3からの球を打って、翌日の同じカードで報復死球を受けたことがあった。逆にマイク・キャメロンは、5打席連続本塁打の新記録がかかる打席で、0―3からのど真ん中の絶好球を見送って男を上げた。

 ”unwritten rule”(紙には書いていないルール)を守る。これがベースボールの奥の深さかもしれない。いっぽう日本の永田町には「法律に違反してはいない」と開き直る人がいる。日本人の法意識はまだまだ遅れている。

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2007年5月14日 (月)

特待生

 西武の裏金事件から端を発した『特待生問題』。

 高野連は大騒ぎして全国調査をしたものの、最終的には経済的事情による緩和措置を決めた。そして大学野球のほうは、調査も処分もせずじまい。

 大学のほうが大人の解決だったと思う。特待生というのは学業ではもちろんのこと、ラグビーでも相撲でもある。優れた学生に特別の便宜を計らうことは、私立学校では許されていいはずだ。野球だけがそれを禁じるというのは合点がいかない。

 しかしボクは、その特待生を甘やかすのには反対だ。
 いわゆる『スポーツ入学』という制度がある。有名私学でも、一般入試とは別枠で優れたスポーツ選手を採っている。しかし、この選手たちを入学後も特別扱いするのはどうかと思う。

 たとえば大学野球のトップレベルでも、卒業後、野球で食べていける選手は1割もいない。そして残りの9割以上は、一般学生と同じく普通の社会人になる。その選手たちには、大学の卒業生として恥ずかしくないだけの専門教育を施さなければならない。それは入学させた大学の責務である。看板選手には授業出席を免除したり、単位にゲタをはかせるなどは言語道断だと思う。

 学生の本分は学問である。部活はあくまで余暇を利用した活動に過ぎない。ボクは勤めていた頃に採用の応援をしたことがあるが、「学生時代は部活(またはサークル)で対人関係に力を入れていました」とヌケヌケと答える学生を本当に悲しく思った。

 学業との両立は厳しいだろうが、練習で忙しければ寝る時間を削って勉強したらいい。文武両道をなしえてこそ、アマチュア選手として賞賛に値する。大学側も一定の成績以下の学生には、部活を禁止すべきだ。だいたい4年間野球しかやっていない学生など社会に出て何の役にも立たない。世間は学生を甘やかしすぎている。

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2007年5月 9日 (水)

8連敗

 阪神 泥沼の8連敗・・・

 昨夜の巨人戦中継は帰りの車で聞いていた。不振の打線を組み替えて、2番・葛城、3番・林。しかし肝心の中軸が凡退してチャンスを生かせない。そのうちに先発のジャンが崩れてあとはいいところなし。自慢の中継ぎ・抑えも出番がなく、終わってみれば7対1の完敗。まさかまさかの5年ぶり8連敗。ついにヤクルトと並ぶ最下位へと転落してしまった。

 2年目の福田という投手に初勝利を献上。ラジオのため姿は見ずじまいだったが、解説のムッシュ吉田とクセモノ元木はイキのいい投手だと褒めていた。また苦手ピッチャーにならなければいいが・・・

 タイガースは昔からノラリクラリの軟投タイプに弱い。古いところでは安田に梶間(ヤクルト)、間柴(大洋)、松本(中日)。みんなそろってハエがとまりそうなボールを投げる。最近の天敵 山本昌(中日)だってけっして速球派ではない。

 チャンスに打てず残塁のヤマ。そのうちに先発投手が我慢し切れず崩れる。これがタイガース本来の姿である。オールドファンは連日のように安酒場で愚痴った日々のことを忘れはしない。だいたいここ数年のタイガースは強すぎて、見ていても「え~こんなんでいいの・・・」という感じだったもの。 

 ということで明日の巨人戦。甲子園に誘われてるんだけど、懐かしのダメトラを見に行こうかな・・・

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2007年5月 4日 (金)

豪球列伝

 手元に『豪球列伝』というタイトルの”number”別冊がある。

 Number もう20年以上前の雑誌で、紙も黄色くなりかけている。これまでの豪球投手を片っ端から集めていて、これが何度読んでも面白い。

 ボクの野球観戦歴はせいぜい40~50年だから、もちろん沢村やスタルヒンは知らない。金田や稲尾の全盛期にも間に合わなかった。そしてそのボクが、これまで見たピッチャーの中で最も速いと感じたのは、江川と江夏である。

 江川の全盛期は高校時代。手元でホップする快速球は相手打者のバットにかすりもしない。甲子園で三振の山を築いた勇姿が、今でもおぼろげに記憶に残っている。単純に比較はできないが、あの松坂よりも速かったのではないか。

 しかし江川には、スポーツマンらしい爽やかさが欠けていた。巨人入団時の『空白の一日』騒動でミソをつけ、その後も登板間隔を要求したり、速球を投げ渋ったり、計算高さが鼻についてボクはどうも好きになれなかった。

 そして、もうひとりの江夏。大阪学院高からドラフト1位で阪神に入団し、その翌年には401奪三振の世界記録を樹立した。球宴で9連続奪三振の離れ業を演じたのはハッキリ覚えている。直球は悠に150キロを超えていただろう。その速球と落差のある2種類のカーブとフォーク。卓越した投球術でONと名勝負を繰り広げてきた。

 その後、南海・広島・日ハム・西武と渡り歩く。南海ではリリーフに転向し、広島では日本一(2回)、日ハムではリーグ優勝に大きく貢献し、優勝請負人と呼ばれた。しかし、残した成績の割りには1つの球団で厚遇されることはなかった。

 最後はメジャー挑戦を決意し渡米するが、結局は夢叶わず引退。一時の気の迷いで薬物に手を出して、自ら指導者の道を断ってしまった。最近たまにテレビの野球解説に出てくるが、ボクは彼の解説は好きではない。名選手必ずしも名指導者、名解説者にあらずというところ。

 組織の中でも、仕事は素晴らしくできるが、回りから浮いていて、およそマネージャーには向かない人がいる。江夏はそういうタイプだ。

 ひとりで何役もこなせなくていい。その職人肌の不器用さがいいのだ。だから、いかにもイヤイヤやっているような鈍重な野球解説なら聞きたくもない。自分の中での江夏は、40年前の姿のまま、マウンドに仁王立ちする精悍な奪三振王として封印されている。

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2007年4月20日 (金)

チームというもの

 子供の頃からプロ野球ファン。でもなぜだか”大洋ホエールズ”というマイナーな球団が好きだった。

 今もってその理由は分からない。育ったのは大阪市内の歓楽街で、回りは阪神ファンばかり。そのなかでたった独りで、大洋漁業の鯨肉缶詰を食べながら、はるか遠き川崎を本拠地とするホエールズを応援していた。津波のような六甲おろしの大合唱などまったく意に介さない。周囲の声を聞かない頑固な性分は生来のものかもしれない。

 あの頃はもちろん贔屓の選手もいたが、チームそのものが好きだった。ポーカーで総替えというのがあるが、もし当時、大洋と巨人の選手を総取っ替えしたとしたら、やっぱり大洋を応援していたのではないかと思う。

 それから半世紀近く経った。今でも熱心な野球ファンであることには間違いないが、だんだん興味の対象がチームから選手個人に移ってきた。松坂(西武)と松中(ソフトバンク)の対戦などは、ゲームの勝敗に関係なく心が躍る。

 世間でよく、出身地や所属する組織でひとくくりに論じられることがある。往時の西鉄ライオンズは野武士軍団、慶応ボーイはアカ抜けてスマート、上州出身ならカカア天下とそれぞれ相場が決まっている。でもこれはずいぶん乱暴な話で、その集合体の性格を決定づけるのは結局は構成員の個性なのだ。チームにもそれぞれ独自のカラーがあるが、それはあくまで箱の色に過ぎない。その中に個性的な選手たちが詰まっていて、中身が入れ替われば器への思いも変わる。

 今年は日本からメジャーに熱い視線が注がれている。でも眠い目をこすって応援しているのはレッドソックスではなく松坂大輔というプレイヤー。日本球界屈指のエースが並み居るメジャーの強打者たちをキリキリ舞いさせる姿が見たい。所属するチームはどうだっていいのだ。

 国内に目を移すと、今季は横浜に移籍した工藤に注目。3連敗で調子を落としているが、野球に取り組む真摯な姿勢には好感が持てる。43歳の大ベテランにもうひと花咲かせてほしい。

 広島では、FA権を取得しながら残留を決めた豪腕・黒田。「ほかのユニホームを着てプレーすることは考えられない」。このひと言で黒田の株価は急騰した。球団には激励メールや手紙が殺到しているらしいが、今どき珍しいナイスガイである。

 最後に楽天の田中。まだまだ荒削りながら、大器の片鱗をうかがわせる。何よりもあどけない笑顔が可愛い。このまま大きく伸びていってほしい。

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2007年4月 6日 (金)

高校野球

 今年はほとんど見ないうちに高校野球が終わってしまった。

 だから、今年のセンバツ大会を語る資格はない。しかも、ヒドイことに優勝校の常葉菊川を「ジョウヨウキクカワ」と読んでいて、茨城県の学校だと思い込んでいた。よく出てくる常総学園あたりとゴッチャになっていたのかもしれない。

 毎年、名前を聞いただけではどこにあるのか分からない学校がいくつかある。
 今年だと常葉菊川(静岡)のほか、小城(佐賀)、聖光学園(福島)、創造学園大付(長野)などが所在不明。学校としてはいい宣伝になるのだろうが、数年前に日本航空(山梨)という学校が出てきたときは驚いた。社会人野球チームが混じっているのかと思ったのである。

 ボクが30年前に社会に出て上京したとき、首都圏の地名が分からないのには閉口した。さすがに東京都下の市の名前くらいはすぐに覚えたが、千葉、埼玉、さらに北関東あたりになるともうお手上げ。

 ボクたちは『カルタ取り』と呼んでいたが、毎年1月に償却資産の申告という面倒な仕事があった。会社が所有している償却資産を各市町村に申告するのだが、アチコチにある自動販売機の大半が当時はメーカー所有だったから膨大な数である。関東地方の全市町村からいっせいに届いた申告書を、まず都道府県別に分類するのがボクたちの仕事。

 これが厄介な作業だった。下妻市(茨城)、真岡市(栃木)、安中市(群馬)、八潮市(埼玉)、東金市(千葉)・・・なんて言われてもどこにあるのか見当もつかない。郵便番号簿と首っ引きで、遅くまで残業して調べたのも今では懐かしい思い出。

 あれれ、高校野球の話のつもりがだいぶ脱線してしまったかな・・・

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2007年3月30日 (金)

世界水泳

 昨夜早く帰宅したので、家で世界水泳を見ていた。

 お目当ては、次女と同じスイミングスクールに所属する中西悠子選手。
 コーチたちもみんなシドニーまで応援に行っているらしい。しかし昨夜の200mバタフライ決勝では惜しくも6位。3大会連続のメダルは成らなかった。残念!

 久々にいろいろな種目を見ていたが、昔に比べて格段に泳ぎ方が進化して速くなっている。
 4つ目の金をとったフェルペスの泳ぎにしても、かつてのショランダーやスピッツの泳ぎ方とは明らかに違う。昨年引退したソープの泳ぎとも違っていて、左右の肩のローテーションを使って器用に水をかき分けていく。自由形の泳法には制限がないから、水中で人間の身体をいかに早く進めるかがテーマ。まさにスポーツは科学である。

 この泳法のルールというのは分かりにくい。アテネ五輪で北島康介選手の泳法が違反だと騒がれたが、その平泳ぎのルールが今年から改正されたらしい。しかし選手が従うルール自体は、あまり頻繁に変えるべきではないとボクは思う。

 以前に本で読んだ話だが、戦前の平泳ぎは「うつぶせで、左右の手足の動きが対称的な泳法」と定められていたらしい。そうした中で、バタフライみたいな手の掻き方を編み出した選手が現れて、オリンピックで大活躍する。水連は大騒ぎ。そして紆余曲折を経て、今のバタフライという種目が独立した。

 この話は、企業努力を税制が吸収してしまう話に似ている。
 今 ビール市場に肉薄する勢いの発泡酒。これはもともとは、酒税法のルール内で安くて美味い商品を作れないかという研究者たちの長年の努力の結晶だ。そして麦芽の混和率をギリギリまで下げて、なおかつビールと遜色のない風味を出すことに成功したのだ。

 ところが、発泡酒にビールが食われて税収が減ることに危機感を持った課税当局は、いとも簡単に酒税法を改正してしまう。

 それはないだろう。ルールを決める人間は安易にモノサシを変えるべきではない。企業の開発努力や選手の創意工夫はいったいどうなる。大木の枝の隅にようやく安住できる棲家を探し当てたのに、大木そのものを揺らされたらひとたまりもない。 

 ところでそのバタフライもどきを発明した選手は、その後どうしたのだろう。バタフライに転向したのか、それとも怒ってフテ寝を決め込んだのか、残念ながらボクはその後日談を知らない。

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2007年3月15日 (木)

栄養費

 西武の栄養費問題。
 内容はアチコチで言い尽くされているからもういいとして、栄養費という言葉の響きが何とも古臭い。

 まだ日本が貧しかった頃、将来性はあるのに経済的な事情で食事もままならない学生に、せめて美味いものでも食べてくれという意味で渡していたのが栄養費。もちろん青田買いという意味もあっただろう。かつての長嶋や杉浦あたりもこの恩恵に与(あずか)っていた。その頃はドラフト制度もなかったし。プロとアマの接触も禁止されていなかったからルール上の問題もなかった。

 しかしこの飽食の時代。栄養費といっても何に使われているのか分からない。つまり実質は裏金である。

 数年前の一場事件で懲りたのかと思っていたら、そうではなかった。おそらく西武の話は氷山の一角で、似たような話はどこの球団でもあるのだろう。

 事実関係の調査は急務だが、問題は禁止されていることを何故やるのかということだ。おそらく今のドラフトの仕組み自体が、どうしようもないところまで来ているのだと思う。

 逆指名・希望枠という制度ができて、アマチュア有力選手の選択権が確保されたかのように見える。でも実際は希望枠を取ってもらうための球団からの裏金が常態化しているということだから、この仕組みが公正に機能していないのだ。

 こうなれば、ドラフトの希望枠は廃止して、メジャーのように完全ウェーバー制に移行すべきだ。その代わりにフリーエージェント制を拡大したらどうか。契約に絡む不適正な金銭の授受に対しては、球団と選手の双方に厳しい措置をとるしかない。渡す方も悪いが、平気でそんな汚れたカネをもらう方もおかしいと思う。

 日本のプロ野球は相当の重傷だ。 ここはコミッショナーとやらの出番。思い切って大鉈(おおなた)をふるうべし。

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2007年3月13日 (火)

春場所

 地下鉄に乗ったら、お相撲さんの3人連れに出くわした。
 近くに寄ると、鬢(びん)つけ油の匂いがする。

 そういえばちょうど春場所。

 関取(席取り?)というだけあって、7人掛けのシートを3人で独占してしまった。身体だけ大きいが、しぐさはまだあどけない。

 ひとりはケータイのゲームに夢中だ。大きな手のひらにケータイがすっぽり収まって、太い指で器用に操る。さすが現代っ子力士。その隣の力士は i-pod を首からぶらさげて音楽を聴いている。もともと小さい i-pod が、さらにひと回り小さく見える。いちばん端の若者は浴衣の前をはだけて居眠りをしている。

 初日の日曜日、父と妹夫婦が相撲見物に行ってきた。座布団が舞う様子を一度見てみたいと言っていたが、たまたま結びの一番で朝青龍が敗れる番狂わせ。リクエストの通り、天井高く座布団が飛ぶ。なかなか経験できないシーンだろう。翌日の朝刊を広げたら、勝負審判の後ろに3人の顔がそろって写っている。新聞社に頼んで焼き増してもらうと言ってたけど・・・

 眠っていた力士が鼻を掻きだした。ハ~クショ~ン!と大音響。いっせいに車内の視線が集まる。でも本人はまだ目を覚まさない。大物かもしれない。四股名を聞いとけば良かった。

 また一昨日から寒の戻り。数日前にサクラの開花予報を早めたというのに、予報士泣かせの気まぐれな空模様である。やっぱり暦通りかな。荒れる春場所。今年はどうだろう。

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2007年3月10日 (土)

球春

 いったい誰が考えたのか『球春』という言葉。
 最近の辞書にはちゃんと出てるし、パソコンでもキュウシュンで一発変換される。

 だんだん暖かくなるこの季節。キャンプも終わって、開幕を待ちながらアチコチのオープン戦を見て回るというのも楽しいだろうなぁ~なんていうのは夢物語で、最近はスポーツニュースすら見る余裕がない。

 昨日、喫茶店で遅めの昼食をとった後、店に置いてあったスポーツ紙を斜め読みしていた。ここ数年はメジャーに注目が集まっているが、今年から松坂や井川も参戦したので、これでまた外地ネタが増えることだろう。しかし、それもまた寂しい話。

 ボクがいつも不思議なのは、この時期のオープン戦というのはまったくのミズモノで、ここでの勝敗や打率・防御率などは公式戦での成績とあまり関係ないということ。また毎年、オープン戦で期待させておいて、本番ではさっぱりという若手もいる。

 しかし、これはファンには分かりにくい。
 学校や塾の模擬テストならほぼ本人の実力を反映していて、直前模試で低迷している生徒が本番でトップ合格することなどないはずだ。本当の実力は試験当日まで封印しておくなんてカッコイイ話はありえない。

 ところが、野球のオープン戦ではそんなことがよくある。調整のための試合だから、お互いタメシに投げたり打ったりしている。だから打たれても構わないし、三振してもいいのだそうだ。

 これも一種のだまし合いなのだろうか。今年は目をシッカリ開けて見なければ・・・

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2006年12月 5日 (火)

ポスティングシステム

 松坂に60億円、井川に30億円と気が遠くなるような値段がついた。

 日本野球の実力が認められた証(あかし)かもしれないが、ちょっと過熱気味のような気がする。こんなことが続くと、日本のプロ野球がメジャーリーグのマイナー化してしまわないかと心配だ。

 この移籍金を球団はどう使うのだろうか。1兆円を超える有利子負債を抱える西武グループからみたら60億円など端金(はしたがね)だが、これが再建費用として親会社の懐に入るようだとライオンズの将来はない。松坂の置き土産は別勘定にして、選手の補強や設備の改修などに投入してほしい。イチロー(オリックス)にしろ石井一(ヤクルト)にしろ、その後のチームの低迷を見ていると、ポスティングの移籍金を活用して成功したとはいえない。

 この制度ができたのは1998年だが、ここまでの相場高騰は誰も予想しなかったのではないか。1993年に選手の権利保障のためにFA制度がスタートしたが、せっかく育てた選手にFAで逃げられたら球団には1円も入らない。どうせ出ていくのなら少し時期を早めて、移籍金で損失を穴埋めしようというのがポスティング制。しかし入札合戦はマネーゲームの様相を呈して、とうとうメジャーリーグ機構も相場の暴騰を憂慮する声明を発表した。

 日本人としては、松坂がメジャーの並み居る強打者を力でねじ伏せる姿を見たい。松井のホームランも見たい。これまで別々のチームの一員として活躍してきた選手たちが海を渡った瞬間に、彼らはチームを越えて日本人の代表になる。もう西武ファンも巨人ファンも関係ない。これまで敵と味方に別れていた松井と井川が同じヤンキースのユニフォームを着る。英語に弱いオールドファンたちは地名やチーム名を覚えるだけでも大変だ。それならいっそのこと、メジャーに日本人だけのチームをひとつ作ったら分かりやすいと思うけど・・・

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2006年12月 3日 (日)

早明戦

 午後から早明戦をテレビで観戦。

 ボクはラグビーが大好きだが、とりわけこの早明戦はほとんど見逃したことがない。どちらのファンというわけでもないのだが、対照的なチームカラーの両校がガップリ四つに組んでの対戦は見ごたえがある。重量FWを軸に前に突進する明治、快速BKを走らせて左右に展開をはかる早稲田。縦と横。力と技、豪と柔・・・毎年メンバーは入れ替わっても、伝統的なチームの特色は引き継がれていく。

 ボクがまだ若かった頃、サッカーは今ほど人気がなかったから、スポーツ観戦といえば野球かラグビーだった。そしてラグビーは社会人よりも学生ラグビーのほうが人気があって、早慶明の3校が突出していた。なかでも毎年12月の第一日曜日に行われる早明戦のチケットは入手が難しかった。ボクは何度かそのプラチナチケットを手に入れて国立競技場で観たことがあるが、ゲームが沸騰してくると観客席は興奮の坩堝(るつぼ)と化する。最近でこそ関東学院大など新興勢力の台頭を許しているが、当時の早明戦は名実ともに学生横綱同士の対決だった。また、今のように社会人との圧倒的な力の差もなく、たびたび学生が日本選手権を制した。

 そんな昔を思い出しつつテレビを見ていたが、今年の早明戦は7トライを決めた早稲田が43-21で明治に完勝。6年連続19度目の優勝を果たした。 

 得点差はあったものの、両校の特徴が出ていたと思う。特に早稲田は、タッチに蹴り出さないで『つなぐラグビー』にこだわる持ち味が出た好ゲームだった。来年こそは明治に雪辱を果たしてもらいたい。

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2006年11月20日 (月)

四股名

 久しぶりにウチで大相撲を見たが、ハッキリ言ってつまらない。

 朝青龍、朝赤龍、時天空のモンゴル人力士から始まって、琴欧洲、黒海、露鵬、把瑠都、白露山と幕内には外国人の名前が並ぶ。若貴ブーム以来、日本人力士のスター不在が続いているが、この豊かな国では角界を目ざすハングリーな青少年が育たないのだろう。プロ野球のように大リーグに流出するわけではないが、相撲取りの母集団がやせ細ってきている。国技の相撲や本家の柔道が外国勢力に母屋を奪われているのは、見ている側からは寂しい。

 番付を見ていて感じたのは、四股名(しこな)の付け方に工夫が足りないこと。これは親方のセンスが問われるところだが、昔の四股名には美しい大和言葉が使われていた。故郷の山や海にちなんだ名前もいい。逆に「栃」「玉」「魁」とか部屋ごとに決まった漢字を使うのは分かりやすいが芸がない。

 ボクが個人的に好きな(力士の好き嫌いではなく)四股名の双璧は、霧島と曙。どちらもゆったりとおおらかな響きがいい。創作ネーミングでは、今年引退した追手海(はやてうみ)というのが好きだった。長身軽量で立合いに特徴のある個性派力士だったが、大海原を疾風のように突き進む姿が目に浮かぶ。モンゴル勢では時天空(じてんくう)が秀逸。時と天空が彼の国の大草原を思わせる。

 最低なのは外国語の当て字。星安出寿、把瑠都 猛虎浪などは見るにも聞くにも耐えない。相撲は日本古来の文化なのだから、漢字本来の意味を大切にしてほしい。自信がないなら広告代理店にでも頼んだらどうか。

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2006年11月14日 (火)

残留

 西武・松坂の移籍先について注目が集まっている。落札額と契約額を合わせると最高1億ドル(117億円)という気の遠くなりそうな数字がスポーツ紙に踊っているが、桁が大きすぎて想像もつかない。こうなればぜひ最高峰の舞台で快投を見せてもらいたいが、相次ぐスター選手の流出は正直寂しい。

 そのなかで広島の黒田投手(31)が、FA権を行使せず来季もカープに残留することが決まった。

 黒田獲りを狙っていた阪神や巨人はあてが外れた格好だが、記者会見を見ていて心が温かくなった。迷った心を思いとどまらせたのは、横断幕や背番号15の赤い紙ボードを掲げて残留を懇請したファンの熱い思いだった。自分を高値で買ってくれる球団にFAで移籍することも権利として認められているが、世の中お金だけではない。ファンの情にほだされて残留するという何十年も前のセピア色の世界が輝いて見えた。

 このところカープは低迷が続き、リーグ優勝から遠ざかること15年。そのなかで黒田は昨年最多勝。今年は最優秀防御率を手にした。また今年の13勝にしても上位球団なら20勝近くに匹敵するだろう。江藤、金本と育てた選手をFAで失い、また今回黒田が去ると大幅な戦力ダウンは避けられなかった。

 ところがこの熱い英断。いいねぇ~ オトコ黒田!いっぺんに好きになってしまった。しかも残留の条件は『優勝争いと大観衆の前でプレーすること』だとか。来期の楽しみがひとつ増えた。

 そして願わくば小笠原。巨人なんかに行かずに北海道に骨を埋めてくれ!

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2006年11月 3日 (金)

「18番」の重み

 昨夜のスポーツニュースで、楽天・田中投手(駒大苫小牧)の入団会見を見た。

 マウンドで見せるふてぶてしい姿とは違って笑顔が可愛い。その真新しいユニフォームについた背番号はエースナンバーの”18”。「期待にこたえられるように頑張ります」という言葉は初々しくて好感が持てる。

 その田中と入れ替わりに、二人の18番が日本から去っていく。

 一人は西武の松坂。FAを待たずにポスティングでメジャーに挑戦する。いちばん油の乗り切った26歳。また日本の至宝が海を越えていく。こうして客を呼べるスター選手がどんどん減っていくのは寂しい。長年の野球ファンとしては「頑張れよ!」と大らかな気持ちで送り出す気にはなれない。松坂がメジャーで活躍する姿は見たいが、ここ数年 球界が主力選手たちの流出に無為無策なのは見ていて歯がゆい。もっと危機感を持たなければ、日本のプロ野球の凋落には歯止めがかからない。

 そしてもう一人は巨人の桑田。でももう制球力だけでは通用しないだろう。晩節を汚すよりは、国内の請われる先で若手育成に手を貸したらどうか。アンチ巨人から見ても、ジャイアンツのエースナンバーは限りなく重く、異国で尾羽打ち枯らした姿など見たくない。

 しかしこの18番に特別な思いを込めるのは日本だけの習慣で、メジャーではさしたる意味はないらしい。そしてなぜ、日本でそんなに権威のある背番号になったのかはよく分からないとか。

 サッカーの10番、バスケットボールの4番、高校野球なら1番をつけることの重み。その重責を背負ってプレーする選手の姿を見るのがボクは好きだ。

 楽天の田中もその重みに耐えられる選手に育ってほしい。何年か後に球界を代表する投手になったとき、その田中がまたメジャーに行きたいと言い出さないですむような魅力ある日本球界になっていてほしいと思う。メジャーの2軍にだけはならないように。

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2006年10月27日 (金)

シンジラレナ~イ!

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 日本ハム 日本一おめでとう!

 駒大苫小牧に続いてプロ野球のチャンピオンフラッグもついに津軽海峡を渡った。

 昨夜は早めに帰宅してジックリとテレビ観戦していたが、感じたことをいくつか。

 まずは札幌ドームを埋め尽くす燃える赤。ファンの情熱に感動した。個人的には王監督のソフトバンクを応援していたのだが、札幌も福岡に負けないほど熱い。これが本来の地域密着型のフランチャイズ制度だと思う。いや~北海道に行って良かったね・・・ 東京ドームにいた頃は、日本ハム-ロッテ戦なんてガラガラの閑古鳥だったから・・・

 そのロッテ。今年はいったいどうしたんだろう。去年の日本シリーズでは圧倒的な強さに舌を巻いたが、今年は何とBクラス。でもこんなふうに力の均衡したチームが最後まで競り合って、毎年覇者が違うというのも楽しい。そして監督がいずれも外国人というのも不思議な感じ。今どき体育会系の精神論なんて流行らないのかもしれない。

 そしてやはり新庄。たったひとりの選手がこんなにチーム全体を変えてしまうということがあるのだろうか。8回の最後の打席で三球三振しても球場全体から地鳴りのようなドヨメキ。優勝が決定した瞬間、ナインが外野まで集まってきて監督より先に宙に舞う。

 本当に幸せなヒトだ。しかしあの底抜けに明るいキャラクターがファンの心をつかみ、観客動員に大きく貢献したのだ。地味なチームに観てもらうことの喜びを植えつけた。やっぱりあの笑顔は絵になる。職人タイプの小笠原などもずいぶん刺激を受けたことと思う。『サンデーモーニング』のご意見番・張(はり)サンは新庄がよほど嫌いらしく「喝っ!!」を連発するが、ボクは素直に愛すべき人柄を評価したい。

 今日は引退記者会見らしいが、いったい新庄この先どこに行く・・・

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2006年10月21日 (土)

テニスと寿司

 早起きしてゴルフ練習場に行ってきた。着いたのが6時過ぎ。でももうかなりの人が来ている。土曜日なのに、どうしてみんなこんなに早起きなんだろう。ボクは滅多に練習なんてしないから、あまり打ち過ぎると逆効果。60~70球ほど打って適当に切り上げる。

 家で食事をすませて、ゆっくり事務所に出た。土曜日は座って通勤できるのがうれしい。書類の整理をしていたら昼過ぎに長女が来た。今日はこれから妹のマンションでテニスをする予定。使わせてもらうのは初めてだけど、立派なラバーコートだった。最近は公営コートを予約するのも難しいが、今日はお陰でゆっくりテニスができる。

 実はボクはテニスなんて何十年もしたことがない。長女が中学のテニス部に入ったので、どれくらい上手くなったのか見てやろうというのが今日の目的。そこそこ基本はできているが、まだまだ非力。当分は負けることはなさそうだ。

 そのうちに遅れて妻と次女が合流。3時間ほど汗を流した後、妹が予約してくれていたジャグジーを使わせてもらった。年をとったら市内に住みたいと最近妻が言うようになったが、都心のマンション暮らしというのもなかなかいいものだ。

 その後、みんなで妹夫婦の馴染みの寿司屋へ。慣れない運動のせいで足腰が痛いが、ビールは美味い。回転しない寿司屋に戸惑って次女がキョロキョロしているのが可笑しい。でも要領が分かると、遠慮なしに好きなネタを頼み始める。こうして親の財布は痩せていく。

 8時前に解散して家路に。さあ明日はゆっくり寝よう・・・

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2006年10月 4日 (水)

宿命のライバル

 国体の高校野球決勝は、再び斎藤(早実)と田中(駒大苫小牧)の対決。今年3度目の対戦は息詰まる投手戦となったが、1対0で早実が逃げ切り、投打に活躍した斎藤に凱歌(がいか)が上がった。

 一日車で出かけていたボクは、ラジオで途中経過を聞いていた。可笑しかったのは、アナウンサーの話。前日の準決勝で早実のブルペンに現れた田中は、練習している斎藤に向かって「オ~イ サイトォ~ 青いハンカチで汗ふけヨォ~」とニヤニヤしながら声を掛けたという。マウンドではふてぶてしい印象があるが、ユニフォームを脱ぐと腕白坊主のような笑顔が可愛い。

 だいたい国体の高校野球なんて消化試合みたいなモンで、ふつうなら誰も注目していない。それが兵庫県の高砂球場くんだりまで、平日にもかかわらず7200人もの観客が押し寄せたというのはスゴイ。もちろん球場は満員御礼。あとでニュースを見ていたら、入りきれない人たちが近くの山に登って双眼鏡で見物しているのには笑ってしまった。

 怪物・松坂のときだって、こんな騒ぎにはならなかったはずだ。誰が名づけたのかハンカチ王子・斎藤にはオバサマたちが熱い眼差しを向ける。いっぽうの豪腕・田中は玄人スジの注目を集める本格派。二人とも、このまま順調に大きく育ってほしいと願う。 

 さかのぼれば、大田幸司から始まって荒木大輔、清原・桑田に松坂大輔と、高校野球は数多(あまた)のスター選手たちを輩出してきたが、こんな形でファンを集められるライバルの構図というのは記憶にない。どちらか一人だけだったら、ここまで人気も沸騰しなかっただろう。

 性格が対照的なのも面白い。早く4年後の対決を見たいものだ。斎藤よ・・・願わくばパリーグに・・・

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2006年10月 2日 (月)

ディープ・・・無念!

 ディープインパクト・・・無念・・・! 

2006100200000000spnavispothum000  世界最強馬を決めるヨーロッパ最高峰のGIレース凱旋門賞で、ディープインパクトは3着に敗れた。ボクはあまり競馬に詳しくないが、それにしても最後のゴール前の競り合いは惜しかった。仕掛けるのが少し早かったのだろうか。しかしまあ あの天才ジョッキー 武 豊 と組んでも勝てなかったのだから、仕方がない。日本の競馬ファンもあきらめもつくだろう。

 昨夜から感じていること・・・

 まずは、あまり競馬を知らないボクは、この凱旋門賞というのを今回初めて聞いた。オマエが無知なだけと言われたらそれまでだが、どうして今、日本からこれほどの関心が注がれるのだろう。そしてなぜディープがこれに挑戦したのか。ロンシャン競馬場内には、日本プレス専用スペースがあり、正門付近には日本人向けのインフォメーションセンターまで設置された。日本からは、ドイツワールドカップのときのようにファンが殺到したらしい。これって誰かが仕組んだのだろうか。そしてこの騒ぎをパリっ子たちが、どんなふうに見ているのか聞いてみたい。

 もう一つ。彼の地の競馬文化は、生活の中に自然に溶け込んでいる。ところが日本の競馬は、競艇や競輪ほどではないにしてもまだ賭け事というイメージが強い。パリではカフェでも馬券が買える。また、イギリス人の賭け事好きは有名だ。日本ではまだ博打はヤクザ者の所為。いっぽうカジノは着飾った紳士淑女の社交場。狩猟民族と農耕民族の違いだろうか・・・

 この数日のマスコミの異様な持ち上げ方も気になっていた。慣れない長旅でコンディション作りも難しかっただろうし、ちょっと可哀想・・・というのがボクの実感である。

 今後のディープの復活を期待しよう。

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2006年9月26日 (火)

ドラフト会議

 昨日、高校生のドラフト会議があった。

 驚いたのは、ソフトバンクと相思相愛といわれていた八重山商工の大嶺選手をロッテが指名したこと。しかも、抽選に勝って交渉権を獲得してしまった。ニュースで大嶺選手の記者会見を見ていたら、真っ赤な目で全身を震わせて、記者団の質問に消え入りそうな声で答えていた。可哀想だという気持ちとプロというのはそんなものだという気持ちが入り混じって、自分としても複雑な思い・・・

 改めて考えてみたら、このドラフトというのは残酷な制度。戦力の均衡を図ってプロ野球界の発展に資するという大義名分はあるにせよ、指名される選手からみたら迷惑な仕組みだ。昔でいえば「ジャイアンツで投げたい」という野球少年たちの将来の夢を奪ってしまう。かっての江川事件や清原・桑田の指名問題などドラフトは幾多のドラマを生んできた。そしてその延長戦上に現在の巨人の凋落があるのだが、残念ながらそれがプロ野球全体のかさ上げには必ずしもつながっていない。それにしても、あの人身売買的な舞台装置だけはどうにかならないだろうか。

 そんななかで、楽天に指名された駒大苫小牧・田中投手の心意気やよし。12球団OKと公言してきた豪腕は「楽天は新しいチーム。歴史に名前を刻みたい」と早くも将来を見据えている。4年後の早実・斉藤投手との対決を楽しみにしておこう。

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2006年9月11日 (月)

藍ちゃんとシャラポワ

 今朝は新聞休刊日。

 駅でスポーツ紙を買ったら、トップ記事は相変わらずタイガース。昨夜はお得意さんの横浜に快勝したものの、中日も負けないから5ゲーム差のまま。マジックは一つ減って、数字の上ではかなり厳しくなってきた。

 ページをめくると、藍ちゃんとシャラポワのアップが飛び込んできた。

 シャラボワ(19)は、苦手のエナン(25)を下して全米オープンを制した。大会前の低い評価を吹き飛ばすように、力ずくでねじ伏せたゲームだった。優勝カップを持ちあげて相好を崩す姿は子供のようだ。

 ボクは試合後の記者会見を見るのが好きなのだが、このインタビューはいただけなかった。傍若無人な態度は挑戦的で、およそ女王の名に相応しくない。昔からテニスプレーヤーは感情をオモテに出す選手が多いが、応援してくれるファンやマスコミに支えられてのプロである。才色兼備だとかいわれて、いい気になってはいけない。技術だけでなく人格を磨くコーチもつけたらどうか。

 いっぽうの日本女子プロ選手権では、宮里藍(21)が史上最年少で初優勝。テニスとゴルフの年齢ピーク差を考えたら、藍ちゃんのほうが若手といえるかもしれない。大きな目を見開いて一文字に結んだ口元から出てくるインタビューでの言葉はいつも丁寧で、周囲への心配りも忘れない。アメリカツアーでさらに成長したのだろうが、この年にしてすでに王者の風格が漂っている。

 この違いはナンなのかなぁ・・・スポーツの世界だけでなくおよそ世の中で一流と認められるためには、その専門分野で卓越しているだけでなく、人間的にも優れていて共感され尊敬されなければならない。そうでなければ、その瞬間だけチヤホヤされて、すぐに誰にも見向きもされなくなる。トップを目ざす若者は、そのことに気づいてほしい。

 昨夜テレビをつけたら、また亀田兄弟が出ていた。ボクはこの顔を見るだけで虫唾(むしず)が走る。

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2006年8月23日 (水)

パンパシフィック競泳

 高校野球の陰に隠れてちょっとマイナーだが、競泳のパンパシフィック選手権で日本選手が大活躍している。

 そのなかでボクが注目しているのは、バタフライの中西悠子選手。彼女の家はウチの近所らしく、次女が通うスイミングスクールに所属している。さすがにふだんの練習には姿を見せないが、スクールのイベントにはときどき顔を出す。次女のスイミングバッグには、いつの間にもらったのか中西選手の直筆鮮やかなサインがしてあって、それを誇らしげに肩に背負って自転車でスクールに通っている。

 その中西選手が、女子200メートルバタフライで自らが持つ日本記録を2秒近くも更新して2位に入った。彼女はもう25歳。水泳選手としてはとっくにピークを過ぎているにもかかわらず、世界との差を縮めるため今年に入ってからフォーム改造に着手したという。見ていてもどこがどう変わったのかさっぱり分からないが、峠を過ぎたベテランが自分の過去を否定してさらに限界に挑戦するというのは素晴らしい。

 試合後の記者会見で目に大きな涙が浮かんでいたのが感動的だった。たまたまウチの玄関先に放り出されていたバッグのサインを見ながら、ボクまでちょっとホロっときた。

 頑張れナ・カ・ニ・シ! オジさんも頑張るぞ!(ん~関係ナイって・・・)

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2006年8月20日 (日)

高校野球決勝

 今日は朝から一日家にいた。のんびりとウチで冷やし中華を食べた後、駒大苫小牧vs早実の高校野球決勝戦をテレビ観戦。

 今年の高校野球をライブで見るのは、実は今日が初めてだ。早々と通算ホームラン記録を塗り替えたくらいだからたぶん打撃戦になるだろうと思っていたら、予想に反して息詰まる投手戦。ゲームは延長15回で1対1のまま決着がつかず、明日の再試合に持ち越された。

 ボクも4時間近くテレビの前を離れられずにいたが、駒大・田中と早実・斎藤の投げ合いは見ごたえがあった。二人とも速球とスライダーのコンビネーションが絶妙で、ここというピンチでは狙って三振を取りにくる。

 久しぶりにジックリ高校野球を見たけれど、あんなふうにタテに落ちるスライダーを多投する投手が過去にいただろうか。昔のタテの変化球は堀内(ちょっと喩えが古いけど)に代表されるようなドロップ(この言葉も古いけど、タテに落ちるカーブのこと)しかなかった。あの松坂だって、今の高速スライダーを覚えたのはプロに入ってからのはず。さすがに高校生では当てるのが難しいらしく、これまでのチーム打率がウソのように各打者のバットが空を切る。

 速球とあまりスピードが違わないから、最初からヤマを張らないと打てない。でもよく注意して見ていると、素人目にも直球とスライダーで少し握りが違うし、ボールの出どころも微妙に異なる。まあ今頃、両チームとも宿舎でビデオを見ながら、両投手の攻略方法を分析しているのだろう。

 こうなれば、どちらも勝たせてあげたいけど、残念ながら優勝旗は一つだけ。さて栄冠はどちらに輝くだろうか。

 2年前に駒大苫小牧が北海道勢として初優勝したときの話。後で新聞で読んだのだが、帰りの飛行機が津軽海峡を渡るときに、いきなり機内放送で「皆様、この飛行機には・・・駒大苫小牧の選手たちが乗っておられます・・・ 今初めて深紅の大優勝旗が津軽海峡を越えようとしています・・・」とのアナウンスが流れたらしい。その瞬間、機内は大拍手が止まなかったという。誰の計らいだか知らないが、粋なことをする。その場に居合わせていたらきっと感動したと思う。

 さて、明日の再試合。3年連続の津軽海峡越えはあるのだろうか・・・

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2006年8月 3日 (木)

品格なき王者

 亀田興毅が、WBC世界ライトフライ級王者になった。

 ボクは残念ながら、この亀田という選手を好きになれない。そのボクが昨夜の中継を最後まで見ていたのは、名前も知らないベネズエラ選手がこの増長した若者をマットに沈めてくれることを祈っていたからだ。日本人選手が出る世界戦で相手方の応援をしたのは初めてのことだ。

 先日の調印式でも、多くの報道陣を待たせて一言の謝罪もない。サングラスを掛けてハンバーガーを頬張りながら、相手にキューピー人形のプレゼント。ヒトを舐め切った態度は傲岸で、チンピラ同然である。

 軽薄なパフォーマンスで視聴者を挑発するのはやめてもらいたい。相撲でもこのところ土俵外での振舞いが問題になっているが、スポーツの世界で頂点を極める者には、人間としての品格が必要である。このままでは、どれほど強くても尊敬を集められる偉大なチャンピオンにはなれない。

 なぜ、メディアはこれを非難しないのか。数少ない視聴率がとれる選手のご機嫌を損なわないためなら、少々のことは目をつぶるということなのか。

 先週日曜日の『サンデーモーニング』で、関口 宏キャスターからコメントを求められた江川紹子さんが、堂々と亀田批判をしてくれたのには思わず拍手喝采を送ってしまった。よくぞ言ってくれた。しかもTBS(亀田兄弟は今やTBSの目玉)の人気番組で・・・ そのとき、他の出演者たちがよそよそしい態度をとったのが可笑しかったが、禁句だったのだろうか・・・

 今日発売の週刊新潮から引用した言葉を新チャンプに贈る。「力を以って人を制する者は、心服せしむるに非ざるなり」(孟子)

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2006年7月24日 (月)

オールスターゲーム

 昨日の大阪は夕方から雨。

  残念ながら近所のバーベキュー大会も延期になったので、家でのんびりとオールスターゲーム第2戦を観戦していた。

 九州の記録的豪雨による被害が心配だが、関係者の願いが届いたのか、試合開始前には宮崎の雨は上がっていた。ボクは初めてこのサンマリンスタジアムを見たが、外野まで美しい天然芝。そして、その客席を埋め尽くす3万人の熱心なファンたち。プロ野球の凋落が懸念されているが、まだまだ地方には試合を楽しみにしているありがたいファンがいる。大枚叩いて球場に足を運んでくれた人たちに、さすがプロ!と唸らせるようなプレーを見せてほしい。「グランドに銭が落ちている」というのは、かつての鶴岡親分の名セリフである。

 さて先発は内海と斉藤。たぶん他球場より集音マイクの位置が近いのだと思うが、キャッチャーミットから響く音が小気味良い。ゲームは追いつ追われつの打撃戦になったが、圧巻は8回裏の藤川vs清原。ここはストレート一本の真剣勝負。一発狙いで強振した清原のバットは見事に空を切った。その藤川は「憧れてこの世界に入った人と、こんな大舞台で対決できて感無量です」と声を詰まらせる。ウンなかなかいいセリフ。一方の清原は「ホームラン打てなくて悔しい」とサラっと流す。何だか往年のオーラが失せた気がして、引き際を感じさせる。

 結局、そのまま最後までテレビの前から動けなかったが、なかなか見どころの多い好ゲームだった。上原や高橋由などの常連組不在は寂しいが、印象としては若手の台頭が目立つ。まだまだプロ野球も捨てたモンじゃない。

 さあ明日から後半戦。いきなり中日-阪神の首位攻防戦だが、熱い戦いを期待しよう。

 それにしても、頑張れ!ジャイアンツ!

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2006年7月 5日 (水)

寝不足

 目覚ましも鳴らないのに、4時過ぎにふと目が覚めた。そういえば今朝はドイツ-イタリア戦。準決勝の好カードで、これは見るしかない。こっそりとベッドを抜け出して、リビングのテレビをつける。

 すでにゲームは始まっていた。開始直後から白熱した攻防が続く。イタリアは堅い守りからのカウンター攻撃、ドイツもセットプレーから好機を窺うが、お互い決定打が出ない。そのまま延長戦に突入し、ゲームはさらにヒートアップしていく。(何だかスポーツ新聞みたいだけど、少し我慢して下さいネ!)

 6時過ぎに妻と長女が起きてきて、朝食を食べながら3人でテレビを食い入るように見つめていた。そして、PK戦を予想した延長終盤にドラマが起きる。イタリア・グレッソが見事なボレーシュート。あとで何度もビデオを見たが、ボールはシュート回転して、ゴール左隅に吸い込まれるように飛び込んでいる。ダイレクトなのに、何と巧妙なボールコントロール。そして最後はデルピエロの決定的な追加点。ドイツのデフェンス陣が上がっていたため、フリーで1対1になったGKをかわしてゴール右隅に強烈なシュートを突き刺したのだ。クロアチア戦で柳沢が外したのと同じ位置だが、ずっと難しい角度だったように思う。

 やっぱり世界のレベルは違う・・・それにしても、ボクがナマで見たゲームのうちで、今大会最高のゲームだった。王者ブラジルが敗れ、開催国ドイツが消え、いったい優勝の行方はどうなるのか。ムム~あと数試合、寝てるヒマなんかないなぁ・・・それにしても、ワールドカップが終わった後の虚脱感がコワ~イ。眠れぬ長い夜をどないしょ~か・・・

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2006年7月 4日 (火)

中田の引退

 昨夜、サッカーの中田英寿が現役引退を発表した。

 10時以降のニュース番組では、ほとんどトップ扱いだった。ボクも日付が変わる頃までずっとテレビを見ていたが、正直あまり驚きはなく、むしろ「やっぱりなぁ・・・」というのに近い感覚を持った。

 最後のブラジル戦で敗れた後、中田はピッチに仰向けになったまま、しばらく起き上がろうとしなかった。その光景は何度もくり返しテレビで放映されていたが、その姿を見ながらボクは、ボンヤリと彼の引退が近いことを予感していた。

 まだ彼は29歳。同じMFのジダンは34歳。今大会で引退表明しているが、まったく衰えなど感じさせない。中田もあと数年は、現役プレーヤーとして充分活躍できるはずだ。ましてや我が日本には、悲しいかな彼の代役は育っていない。

 でも、今朝の新聞によると、かなり前から彼はこの大会を最後に引退することを決めていたらしい。だったらもう少しいい成績で有終の美を飾りたかっただろうが、勝負の世界は非情である。

 頭の中で、伊達公子や荒川静香の引退劇と少し重なった。「まだやれるのに・・・」という世間の声を背中で聞きながら、ボロボロになる前にスパっと身を引いてしまう。一部のスポーツ紙には『引き際の美学』という活字が躍っていたが、ボクは彼なりに燃え尽くして、悔いはないのだと思う。

 同じく日の丸を背負って活躍したイチローとの比較は、少し気の毒だ。サッカーは野球以上に高度な連携が求められる。中盤から絶妙のキラーパスを上げても、FWがうまく合わせてくれないと得点にはならない。いくら突出した選手がいても、全体をレベルアップしないとゲームには勝てないのだ。横でニュースを見ていた妻が「出てくるのが10年早かったのよ」とつぶやいたが、この天才は幾たび怒鳴り、嘆き、泣いて、悔しがったことだろう。 

 今年は引退の年かもしれない。次は9月に日本丸の舵取り役が交代する。やめていく船長は、アメリカで暢気にプレスリーなんか歌っているけど、その先は大丈夫かいなぁ~

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2006年7月 2日 (日)

センターライン

 このところサッカーの陰に隠れがちだが、メジャーリーグではマリナーズ・城島とホワイトソックス・井口が大活躍している。

 正直、この二人がこんなにブレイクするとは思わなかった。日本人としては嬉しい誤算である。

 城島は、日本では強肩強打の一流のキャッチャーだと思う。しかし、他の野手とちがって捕手は守備の要(かなめ)だし、何より投手との微妙なコミュニケーションを要求される。だから、言葉の壁に阻まれて苦労するだろうと心配していた。でも、どうやらそれは杞憂に終わりそうだ。時おりマウンドで投手と何やら話しているが(本当に通じているのか?)、堂々としていて素晴らしい。

 井口の活躍も驚きだった。ダイエー時代から名前は知っていたが、メジャーで通用するレベルの選手だとは思わなかった。運にも恵まれて、移籍1年目の昨年、地区優勝したかと思ったら、あれよあれよという間にワールドシリーズまで制覇してしまった。テレビの映像を見ていると、すっかりチームにも溶け込んでいて、ベンチ中央にドッカリと腰を下ろしている姿は頼もしい。このあたりは、センの細そうな松井稼や田口とはだいぶ違う。

 この二人に共通するのは雑草のような図太さで、しかもハッキリした自分の野球スタイルを持っている。モノに動じないところなど、先駆者の野茂に通じるかもしれない。

 日本のプロ野球界がメジャーのファームになってしまうのは寂しい。でも、海の向こうで日本人選手が活躍してくれるのはうれしい。イチローも調子を上げているし、あとは松井秀の復活を待つのみ。

 先日、王監督がインタビューに答えて、センターラインである城島(捕手)と井口(二塁手)の穴を埋めるのは並大抵ではないと嘆いていた。たしかにそうだろう。この二人が残っていたら、どれだけ凄いチームになっていたことか。

 楽しみにしていたセパ交流戦で、今年もパリーグのイキのいい若手の活躍を堪能することができた。レギュラーシーズンでも、もう少しパリーグの中継をしてくれたらいいのだけど・・・

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2006年6月23日 (金)

奇跡は起こらず・・・

 早朝行われたサッカーW杯ブラジル戦、日本は1-4で完敗。残念ながら予選リーグで姿を消すことになった。

 今朝は4時前に起床。夏至の翌日とはいえ、さすがにまだ暗い。ふつうなら街全体が寝静まっている時間帯。でもカーテンを開けたら、隣宅にはもう煌々と電気が灯(とも)っている。向かいの家も何やらゴソゴソと物音がする。

 そっとリビングのテレビを点けたら、イヌが驚いて目を覚ました。ゴメン・・・

 ゲーム開始のホイッスル。序盤からブラジルの猛攻の前にヒヤヒヤの連続。GK川口の堅守が光る。それでも、数少ないチャンスを生かして玉田が先制。幸い2位争いのオーストラリアもリードされている。これであと1点取れたら・・・と思っていた前半ロスタイム、ロナウドのヘディングであっさり同点にされてしまう。

 後半はブラジルのワンサイドゲーム。カナリア軍団が、縦横無尽にピッチを走り回って、次々と得点を重ねていく。残念ながら、ここぞという決定力の差は圧倒的だった。

 朝食をすませて、いつもと同じ時間に家を出た。駅で買った週刊誌には、まだ楽観的な予想記事が出ていて読むのも虚しい。

 これから、ジーコジャパンはマスコミから袋叩きにされるに違いない。戦犯探しも始まるだろう。でも、客観的に見ていて、世界のトップレベルとはまだまだ大きな開きがあることは事実。あれこれ文句をいう前に、この数ヶ月をしっかり楽しませてもらったことを、とりあえずは感謝しませんか・・・

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2006年6月17日 (土)

ホイッスル

 このところ毎晩、ワールドカップばかり見ている。やはりレベルの高いゲームは、見ていて面白い。4年に1度のことだから、多少夜更かししてでも見る価値はあると思っている。

 サッカーは、野球や相撲と違って、見ているほうも画面から目を離せない。戦況は刻々と変化するし、トイレに立つわずかなスキにゴールが決まることもある。決定的瞬間を見逃すわけにはいかないから、少なくとも45分間はテレビの前でくぎ付けになる。

 その点では、野球や相撲は気楽だ。『緊張と緩和』が交互にやってくるから、ここぞというところだけシッカリ見ていたら事足りる。選手にしても、バッテリー以外は自分の出番は限られていて、サッカー選手ほどの消耗もない。

 選手と一緒に走り回るサッカーのレフェリーは激務だと思う。しかも欧州のファンは目が肥えているから、ちょっとした誤審でも大ブーイングが巻き起こる。先日の日豪戦でも、日本の先制点はファールの疑いありとのこと。ビデオを見たら、たしかに高原が相手のGKを押さえつけている。また、同点に追いつかれた直後に日本に与えられるはずのPKをレフェリーが見過ごしたという話もある。川淵会長は「サッカーだから・・・」とおおらかだが、たしかにファールになるかどうかは微妙なことが多く、わざと大げさに転んでみせる芸達者もいる。

 今回のワールドカップには、日本からも2人のレフェリーが派遣されている。先日のイングランド戦で、上川レフェリーが主審を務めたが、その的確なジャッジは口うるさい地元マスコミからも及第点を与えられていた。

 その上川レフェリーが、スポーツ誌のインタビューで「笛だけではゲームをコントロールできない。本人も反則しているのは分かっている。だから笛を吹かずに『もう次をやったらダメだぞ』」と無言の圧力をかけることが大切です。」と答えている。

 社会に目を転じると、大きな方向は規制緩和だが、これも一定のルールあってのこと。笛はなるべく吹かないほうがいいが、そのためには、プレーヤー自身がルールを熟知して遵守することが必要。レッドカードばかり乱発するとゲームが荒れる。ここは、上川レフェリーの言うように、反則を未然に防ぐ社会にしなければ・・・

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2006年6月12日 (月)

スポーツ解説

 昨日の夕方、家で プロ野球の「阪神-西武戦」と、ゴルフの「サントリーレディスオープン」を交互に見ていた。

 野球解説は、関西ではおなじみの吉田義男・福本豊のコンビ。接戦の好ゲームだったが、ムッシュ吉田は相変わらず「気持ちと気持ちのぶつかり合いですから・・」とワケの分からない精神論。同点の場面では「次の1点が大事です」とくり返すが、それくらいはボクでも言える。この人はケチで有名で、監督時代 タバコ1本1本に名前を書いていたなんて逸話もあるが、本当だろうか。

 いっぽうイダテン福本の解説は、かなりユニーク。以前にタイガースが初回に4点先制されたときのこと。アナウンサーにどう反撃したらいいかと水を向けられて「そら、まず4点返さなアカン」と平然と言い放ったのには驚いた。「この場合のバッターの心理は?」と訊ねられて、「分からんネ」と真顔で答えたり、微妙な判定で「ゴメン、見てなかった!」なんて言える解説者はザラにはいない。

 ゴルフ解説は、これもおなじみ戸張 捷。一声聞いてすぐ分かるこもった低音、絶妙の間の取り方、驚くべき薀蓄と博識。この30年ほどの間にここまでゴルフファン(とりわけ女性)の裾野を広げたのは、間違いなく彼の功績だ。海外のゴルフトーナメント中継を見ていると、ひとりで実況と解説はおろかインタビューや通訳までしてしまいそうで、アナウンサーは出番がない。

 そんなことを思いながらチャンネルを切り替えていたが、スポーツ解説者の条件って何だろう。もちろん解説と言えるには、そのスポーツについて高度な知識や専門性が求められる。でも、それだけならスポーツ雑誌の記者あたりでも務まる。視聴者を満足させるには、その分野でのキャリアや愛すべき人柄も必要なのかもしれない。ローカル局のOB解説者が度を越した贔屓解説をするのもちょっと鼻につくが、視聴率のためにはやむを得ないのだろうか。

 さて今晩10時から、いよいよW杯オーストラリア戦。解説は井原正巳元日本代表主将。ゲームと一緒に解説のほうもお楽しみに・・・

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2006年5月16日 (火)

W杯代表決定

 サッカーワールドカップの日本代表が発表された。まずは順当な顔ぶれだと思うが、選手たちは祈るような気持ちで発表の瞬間を待っていたのだろう。

 ジーコ監督がいったいどういう基準で選考したのかは分からない。でも当落線上では、抱き合って喜ぶ選手の影で、悔し涙をこらえている選手もいる。

 日韓共催の前回大会では、大方の予想を裏切ってトルシェは中村俊輔を外した。代わりに中山ゴンのような精神的支柱になれる選手を入れたのはいいと思ったが、このときの俊輔はいかにも寂しげで気の毒だった。

 その前のフランス大会では、いったん代表になったカズが岡田監督から帰国を命ぜられた。もうピークを過ぎていたとはいえ、ベンチにいるだけでも大きな存在だったはず。ドーハの生き残り、Jリーグ創設期から日本サッカー界最大の功労者であるカズをなぜ途中で帰らせたのか。それなら最初から連れていかなければいいのにと、ボクは憤慨した。

 ついでに言うなら、最近の選考でいちばんショックだったのはQちゃんこと高橋尚子のアテネ五輪落選。このときばかりは、もう女子マラソンは二度と見るものか!と思った。でも、そのQちゃんをあえて補欠に入れなかったのはせめてもの陸連の配慮。どうして岡田監督はカズに対してそういう心遣いができなかったのだろうか。

 Wカップにせよオリンピックにせよ4年に1度しかチャンスは巡ってこない。どんな競技でもスポーツ選手としての生命は長くはないし、その選考時期にピークに持ってくるのは難しいだろう。だから、代表に選ばれるには実力+運も必要。今回選ばれた選手は、ドイツに行けない他の仲間の分まで頑張ってほしい。ボクもしばらくは、愛国心溢れる国粋主義者になります。

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2006年5月 3日 (水)

野球が面白い

 昨夜、阪神-巨人戦をテレビ観戦。
 4-4の同点で迎えた9回ウラ、伏兵関本のサヨナラホームランでタイガースが初戦を制した。機嫌よくイヌの散歩に出たら、開け放たれた隣家の窓から六甲おろし ♪ が聞こえてくる。あー、ナンと平和な夜・・・

 今年はセリーグが面白い。

 その理由はジャイアンツが強いこと。新戦力も加わって攻守に厚みが増した。名前も知らない若手がよく打ち、よく投げ、よく走る。原監督も溌剌としていて、これまでのところ采配もお見事。夏くらいまではこの調子で頑張ってほしい。そして、昨夜のゲームみたいに終盤に競り合ってウッチャリ!堪(こた)えられませんネ・・・ こういう展開!

 先週の日経に、ジャイアンツと日本経済の復権を重ね合わせた記事が出ていた。そういえば、バブル崩壊後の失われた10年はジャイアンツの低迷期と一致する。これからは日本の出番で、それと合わせてジャイアンツが蘇るはず・・・という論調だ。でも、そうは問屋がおろすもんか!

 ボクは、プロ野球界発展のためには、戦力が均衡して毎年優勝チームが変わるような展開が理想だと思っている。事実最近のセリーグはそうだし、野球評論家の順位予想も当たったタメシがない。そのなかで、しばらく低迷していたジャイアンツが先行しているのは結構なことだ。願わくば、このまま息切れせずに最後まで楽しませてほしい。

 そういえば、早々と引退宣言した新庄。インタビューを聞いていたら「残りの試合も・・・」なんて、後は消化試合とでも言いたげなピント外れのコメントは相変わらず。でも、このまま引退させるには惜しいキャラ。シーズンが終わる頃にはまた気が変わっていることを期待しよう。

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2006年4月11日 (火)

金字塔

 金本がリプケンを抜いた。904試合連続フルイニング出場の世界記録。7年近くもの間、大きな怪我もせず、調子を落とさずにフル出場を続けたというのは驚異的なことだ。

 星野前監督が残した最大の財産は、間違いなくこの金本だと思う。その成績もさることながら、野球に取り組む真摯な姿勢がいい。伸び盛りの若手にとっては格好の手本になる。どんな世界でも、すぐ近くに尊敬できる先輩がいるということは心強い。

 アメリカのメジャーリーグには、主力選手を交代で休ませる”occasional rest”という制度がある。たまにイチローや松井が試合に出ていないのでアレッと思うことがあるが、故障したわけでもなく、スランプでもない。メジャーは試合数も多く遠征距離も長いから、たまに休養をとらせて健康管理させているのだ。でも、事前にその情報は公開されないから、球場に足を運んだファンはお目当ての選手を見られずにガッカリすることもあると思う。

 金本も38歳。いくら鉄人といっても、もう年齢的な衰えもあるはずだ。若いときのようにはいかない。昨年、怪我した左手をかばいながら右手1本ではじき返したヒットや、死球を受けた直後の打席でバットを杖のようにして現れた鬼気迫る姿を見ていると、そこまでしなくてもと思った。でも、さすがにこの記録更新で一区切りついたことだろう。これからは、自分の身体を労わりながら、ファンや若トラたちのために1年でも長くプレーしてもらいたい。

 そんな金本アニキには及びもつかないが、このブログも7ヶ月半で連続記録が途絶えてしまった。また一から仕切り直し!

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2006年3月23日 (木)

イチローの笑顔

 昨日の新聞は『WBC世界一』の記事一色。日経も1面で破格の扱い、朝の通勤電車では、オジさんたちがアチコチでスポーツ紙を開いている。

 予選では苦労したものの、日本の野球が世界一になったということは、日本人として素直に嬉しい。でも、この1ヶ月、ボクがいちばん驚いたのはイチローの変貌ぶりだ。イチローが、あんなに激しく喜怒哀楽を表わすのを初めて見た。

 いつもクールで、スポーツ選手というよりも哲学者のような重たい雰囲気でマスコミ泣かせ。スター選手の割にはリップサービスも下手くそ。プレーは超一流であっても、ボクはどうも人間的には好感を持てなかった。

 そのイチローが、日の丸をつけたとたんに人が変わってしまった。選手やファンを鼓舞する言動が目立ち、ライバルの韓国を挑発する。その韓国に連敗した夜には「ボクの野球人生で最も屈辱的な日」と唇をかんだ。

 一昨日のキューバとの決勝戦、ボクは用があって堺市にいたが、途中で大型家電店に入って、店内のプラズマテレビの大画面を見ていた。次第に人が集まってきて、9回には100人近い黒山の人だかり。大塚が最後のバッターを三振にとると、「ヨッォーシ!」という地鳴りが響くような歓声、大拍手が鳴りやまない。店内はスポーツバーみたいになって、知らない同士が握手している。胴上げやインタビューを聞きながら、客たちは三々五々引き上げていく。店には気の毒だが、今日はテレビは売れなかったと思う。

 家に帰ってから、夜遅くまで繰り返し報道番組を見ていた。シャンパン掛けでのイチローの笑顔、「何があってもやってやる。ケガしようと関係ない。」という言葉、今日は日本人としていい一日だったと安堵して風呂に入った。

 湯舟に浸かりながら、ふとヤンキースの松井はどんな思いでこの中継を見ていたのかと考えた。日本代表の4番バッター、こんな名誉なことはない。ボクなら、要請があれば少々の犠牲を払ってでも絶対に出る。さんざん待たせた挙句に断ったのは、『世界の王』に対して非礼だろう。でも、これがもし『長嶋ジャパン』だったら彼はどうしただろうか・・

 ともあれ、イチローは大いに男を上げて、松井は少し男を下げた。

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2006年2月24日 (金)

銀盤の女王

 荒川静香が、女子シングルフリーで逆転優勝した。メダルは取れるだろうと期待していたものの、まさか『金』だとは思わなかった。

 ボクも、今朝はいつもより早起きしてテレビを見ていた。日本のトップバッターは安藤。練習のときから不安定だったので、目を覆いながら見ていたが、4回転ジャンプは案の定転倒。伊藤みどりに酷評されていたが、技術面のみならず精神面でもまだ幼い。

 でも、転ばないかとハラハラ見ているこの緊張感がボクは好きだ。スポーツはみんなそうだが、結果が分かった後でニュースを見るのは、気の抜けたコーラみたいでつまらない。

 ちょうどいつも朝食を食べている6時20分過ぎに、荒川が登場する。ボクも悲しいかな『俄(にわ)かファン』だから、演技の中身はよく分からない。でも、『トゥーランドット』の調べに乗った迫真の演技はスピード溢れて圧巻だった。

 直前のコーエンが転倒したため、この時点で荒川がトップ。その後に続く村主の演技も妖艶で素晴らしい。最後の高速スピンに見とれて高得点を期待していたら、意外と点数が伸びない。やっぱり難易度が違うのかとちょっとガッカリして、ボクは家を出た。

 荒川の金メダルは事務所に着いてから知った。どうやらスルツカヤも転倒したらしい。

 ゴルフの大会で、よくこんなことがある。最終日は健闘して自己ベストを出した。でも、優勝には少し届かないスコアで、先にホールアウトして後続組を待っている。ところが、最終グリーンでトーナメントリーダーがまさかの3パット。運良く自分に勝利の女神が微笑んだ。優勝は嬉しい。でも、他人の失敗も大きく寄与したので、少し複雑な気持ち・・・

 荒川の心境は、そんなところではないだろうか。だからといって、彼女の金の輝きがいささかも失われるものではない。本番で力を存分に発揮できるというのが、スポーツの世界では非常に大切なことなのだ。

 でも、あえて言えば、ボクがもっと好きなのはこんな筋書きだ。コーエンやスルツカヤが次々と難度の高い技を決めて高得点をマークする。最後に出てきた荒川は、絶対絶命のピンチ。ところが、土俵際に追い詰められた彼女は信じられない大技を決めて逆転してしまう。凍りつく観客席。しばらくしてから怒涛のような拍手とスタンディング・・・ バーディを取られたら、チップインバーディで応酬するというヤツで、これは絵になる。

 ところで、あの浅田真央ちゃんが出ていたらどんな結果になっていただろうかと、ちょっと興味はある。

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2006年2月 7日 (火)

プレイングマネージャー

 プロ野球の春季キャンプが始まったが、ヤクルトの古田監督が、プレイングマネージャーとして二足の草鞋を履くことになった。

 ボクは古田は好きな選手だし、監督を引き受けた限りは頑張ってもらいたい。でも、選手兼任監督は、ちょっと荷が重い気がする。キャッチャーは負担の大きいポジションだし、全体が見渡せると言っても、「仲間」としてヨコに見るのと、「駒」としてタテに見るのとは明らかに視点が違う。

 プレイングマネージャーなんて誰でもできる仕事ではないし、ボクも頭脳派キャッチャー古田の采配ぶりを見てみたい。しかし、ここ最近、球界で兄貴分の監督が成功した例はない。監督と選手とは圧倒的な立場の差があって、このタテ関係によってプロの管理社会が成り立っている。監督は、孤独で冷徹な存在でなければならない。古田がクレバーなことは誰しも認めるところだが、同僚への優しさがかえって仇(あだ)になることをボクは心配する。

 学校の同級生で、ちょっとデキのいい子がいたとする。その子が「キミは成績がいいから、明日から先生を兼務してもらうよ・・」と言われるのと似ている気がする。自分自身の成績も心配だし、周囲の悪ガキどもが友達の言うことを聞くだろうか。

 人気選手 古田を兼任監督にするのは、ヤクルト球団の興行上の理由が大きいのだろうが、『アブハチ取らず』にならないことを祈っている。前例があるとは言っても、野村や村山の時代とは比較すること自体が間違えている。ところで、捕手兼任の古田監督は、いったい何回マウンドに行けるのだろうか・・・ 「代打オレ」とか言いながら、バットを持って照れ臭そうにベンチから出てくる姿も面白そうだが・・・

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2005年12月25日 (日)

ディープインパクト

 今日は有馬記念。あのディープインパクトが敗れて、ついに無敗神話に終止符が打たれた。

 今朝 電車に乗ったら、オジさんたちが、競馬新聞を広げて熱心に読んでいた。ボクも早めに用を済ませて、2時過ぎには帰宅、ドッカリとテレビの前に腰を下ろした。待つこと1時間、やっとレースが始まる。前半は最後尾で抑えていたディープインパクトは、第3コーナーあたりから徐々に上がってくる。そして、最後の直線で外から追い込んだが僅かに届かず、結局はハーツクライの逃げ切りを許してしまった。『天才ジョッキー』武豊を以ってしても、史上初の無敗4冠馬達成は成らず、ファンのクリスマスの夢は潰(つい)えた。

 ボクはあまり競馬には詳しくないし、これまで数えるほどしか馬券を買ったこともない。しかし、競走馬が走る姿は美しいと思う。今日は、レース前からテレビ観戦していたが、3歳馬のディープと他の古馬たちとは体格が一回りは違う。いったい馬の走力のピークが何歳くらいなのかよく知らないが、素人眼にはちょっとハンディキャップがありそうに見える。

 ちょうど同じ時間に、女子フィギュアの全日本選手権をやっていた。こちらも話題の新鋭 浅田真央を抑えて、ベテランの村主章枝が優勝した。このところ故障続きで心配していたが、ここ一番の大舞台でみごとに復活してみせた。これも、外見だけで比べたら、大人と子供の勝負という気がする。

 体格や経験では劣りながらも、対等に勝負をするから人気が出るのだろうなぁ・・と、ディープや真央ちゃんを見ながら考えていた。しかし、今日の新旧対決は、いずれもベテラン勢の勝ち。伸びていく若い力に、円熟したベテランの壁が立ちはだかった。でも、若者にはまだ時間が与えられているから、再起を期待したい。

 そして、今ごろ言うのもナンだけど、2年前のタイガース優勝のMVP、井川ではなく矢野にあげて欲しかったなぁ・・ ベテラン矢野にとっては、ラストチャンスだったのだから・・・

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2005年11月20日 (日)

Qちゃん復活

 ”Qちゃん”こと高橋尚子選手が、今日の東京国際マラソンで見事に復活を果たした。足の故障を抱えての出場ということで、ヒヤヒヤしながら見守っていたが、35km過ぎまで自重した後、満を持したかのようにスパートをかけたら、その先はもうゴールまで独走だった。

 ボクはもともとマラソンが大好きなのだが、とりわけ彼女のファンで、これまで出場したレースは見逃したことがない。しかも、スタートからゴールまで全部見ている。あの愛らしい笑顔が、レースが始まると厳しい勝負師の顔に変わる。そして、レースをすべて自分で組み立てて思い通りに展開していくマラソンランナーは、後にも先にも彼女しかいない。

 ボクのマラソン観戦歴は、もう40年を越える。円谷、君原、宇佐美、佐々木、宗兄弟・・・ 選手の名前はいくらでもスラスラ出てくるが、あの頃の日本人ランナーはなかなか外人には勝てず、ボクたちはいつも悔しい思いでテレビを見ていた。

 その長い冬の時代に終止符を打ってくれたのが瀬古利彦だった。瀬古は当時世界最強ランナーといわれ、先行する強敵を最後のスプリントで抜き去ってしまうレースを得意としていた。

 今日、高橋の走りを見ていて、ふと瀬古を思い出した。高橋には生来の明るさがあるが、瀬古はイチローのような求道者タイプだ。極限まで自分を追い込む瀬古に対して、高橋には、走り終わった後で「本当に楽しい 42.195kmでした」とペロっと舌を出す愛嬌がある。

 そして、二人の決定的な違いは、そのレース展開だ。後ろにピッタリつけてゴール直前に相手をかわす瀬古に対して、高橋は終始レースをリードして、最初から最後まで主役の座を譲らない。しかし、今日のレースは、さすがに慎重だった。トップ3人の最後尾につけている姿を見ていて、彼女には似合わない走り方だと思った。このままではマズイと感じた矢先、いきなり先頭集団から飛び出して、あっという間に後続を振り切ってしまった。これが彼女本来のレースである。

 実は、今日のレースが彼女の見納めになるかもしれないと、ボクは密かに案じていた。でも、それは杞憂に終わってホッとした。彼女の言葉を借りるなら、東京で2年前に止まった時間が再び動き出したのだ。もうこの先は、3年後の北京しかない。アテネの選考に洩れた悔しさを、北京の青空の下で思いっきり晴らしてほしい。ウーン・・・ちょっと浪花節が入ったかな・・・

 とりあえず、Qちゃん本当におめでとう! そして夢をありがとう!

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2005年11月 4日 (金)

朝青龍の日本語

 横綱・朝青龍が、史上初の7連覇と年間6場所完全制覇を賭けて九州場所に挑む。その記者会見を見ていて感心するのは、彼の流暢な日本語である。

 17歳でモンゴルから日本に相撲留学して、2年後に若松部屋に入門、その後はトントン拍子に出世して、今では向かうところ敵なしの大横綱である。その闘志むきだしの言動は、土俵外でもいろいろと物議を醸(かも)しているが、いつも舌を巻くのはその上手な日本語だ。自然な発音だし、動詞の活用や敬語の使い方も日本人と比べて遜色ない。こんなに難しい言葉をここまでマスターするには、たいへんな努力があったことと思う。

 それにひきかえ、野球やサッカーの外国人指導者や選手たちは、あまり日本語を覚える気がない。出稼ぎ気分で来ていて、日本に骨を埋める気がないからかもしれない。トルシェ、ジーコの両監督はまったくダメ。先日 日本シリーズを制したロッテのバレンタイン監督もご愛嬌程度の片言で、とても選手と会話できるレベルではない。

 いっぽう、相撲は日本の国技。角界のしきたりとして、まずは相撲の稽古よりも言葉の稽古から始めるのだろうか。そういえば、昔の高見山や曙なども、なかなか日本語が達者だった。しかし、この最初に言葉から覚えさせるという教育スタイルは悪くないと思う。

 最近、メジャーリーグに挑戦する野球選手が増えているが、ボクはぜひ彼らには英語をマスターしてもらいたい。アメリカに何年も暮していて、英語で記者会見ができないのは見ていて情けない。ましてやファンあっての人気商売だ。いくら野球が上手でも、チームメートやファンと通訳を介してしかコミュニケーションがとれないようでは一流選手とはいえない。

 もし、朝青龍がモンゴル語でしか優勝会見ができなかったとしたら、この閉鎖社会ではもっと敵役(かたきやく)になっていたことは想像に難くない。言葉のハンディキャップを克服して大成した朝青龍は立派だが、そのハンディがないはずの日本人力士にも、もう少し土俵の上で頑張ってもらいたいものだ。

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2005年10月27日 (木)

ボビーマジック

 あっけなく日本シリーズが終わった。そして、タイガースは完膚なきまでに叩きのめされて、ロッテの強さばかりが目立ったシリーズだった。

 野球評論家は、公式試合の日程が空きすぎたとか、球団買収問題で動揺したとか、いろいろとタイガースの敗因をあげるだろうが、ボクは素直にロッテが強かったのだと思う。辛うじて第4戦が接戦だったが、それまでの3試合は完敗で、まったくのお手上げである。しかし、あの万年Bクラスだったロッテが、いつの間にこんなに強いチームになってしまったのだろう。

 関西にいると、ふだんはなかなかロッテの試合を見る機会がない。選手の顔と名前も一致せず、この日本シリーズで初めて顔を見た選手も多い。しかし、印象としては、溌剌とした若手が多く、なかなか好感が持てるチームである。

 この選手たちを上手に使っているのが、ボビー(彼の本名は”Robert John Valentine”で、なぜボビーなのかよく分からないが)ことバレンタイン監督である。彼のベンチでの動作や表情を見ていると、まず陽性である。そしてハッキリしている。選手に甘く見られても困るが、指導者はやはり明るくて、分かりやすいほうがいい。そして、ボビーは怒らないらしい。むしろ、いつも天性のユーモアで選手たちを和ませる。楽しいから、野球がさらに好きになる。この豊かな世の中で、ハングリーゆえにプロになるという選手は少ないだろう。今さら根性論の時代ではないし、これからの指導者は、古臭い精神主義とは早く訣別したほうがいい。

 35歳で監督になった年に17回も退場させられたというから、かなり気性は激しいらしい。傑作なのは、メッツの監督時代に、退場させられた後、サングラスとヒゲで変装してベンチに現れたという話。あとでバレて罰金を払わされたらしいが、翌日のスタンドにはサングラスとヒゲをつけたファンが詰めかけたというから、ニューヨーカーたちは茶目っ気がある。

 日本社会は閉鎖的だといわれるが、死に体の組織を再生させるためには、思い切って外国人指導者に委ねる方法もある。常に成功するとは限らないが、日産のゴーン社長や、このボビーを見ていると、コミュニケーションで重要なのは、言葉そのものではなく、気持ちの伝え方だということが分かる。とりあえず、31年ぶりの日本一おめでとう。

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2005年9月29日 (木)

宙に舞いながら・・・

 阪神タイガースが優勝した。

 宙に舞いながら、岡田監督はどんなことを考えているのだろうか。野球人としての頂点に立つこの瞬間。まさに男冥利、監督冥利に尽きることだろう。しかし、監督としての力量があっても、誰しも優勝の美酒に酔えるわけではない。運もあると思う。引き合いに出して申し訳ないが、ふと、先日の楽天 田尾監督の悔しそうな引責辞任の弁を思い出した。

 プロ野球の監督というのは、すぐに結果を要求される辛い職業である。球団もファンも長い目では見てくれない。ましてや、関西の人気チーム、負けが続くと”贔屓の引き倒し”。連日スポーツ紙で叩かれて、ファンからも罵声を浴びせられる。しかも、岡田監督はどちらかというと地味で、星野前監督のような華(はな)はない。万年最下位のチームを引き継ぐのはまだ気楽だが、18年ぶりの優勝の後で監督を引き受けたのだから、相当のプレッシャーがあったはずだ。もし、2年続けて優勝を逃していたら、「岡田ではダメだ!」という声が上がっていたに違いない。

 会社でもそうだが、指導者とメンバーの両方が優秀ならそれに越したことはない。しかし、どちらかを優先させるとしたら、それは指導者なのだろうか・・・  腐った組織の再生を図る場合、まずは優れたトップを招聘してから、メンバーの入れ替えや再配置で意識改革を断行する。日産自動車の成功例は典型的なそのケースだし、4番バッターばかり集めたジャイアンツの凋落ぶりは逆のケースだ。

 それでは、「ダメ虎」が、なぜこのように常勝チームに生まれ変わったのか。今のところは、闘志むき出しの熱血漢 星野前監督の功績が大きいだろう。思い切ったリストラを断行し、球団に長年巣食う”ぬるま湯体質”を一掃した。しかしボクは、彼のような信長型指導者は、長期間指揮をとらないほうがいいと思う。その意味では、引き際も見事だった。何かと比較される岡田監督は気の毒だが、ハッキリと前任者とは違う方向を目ざすべきだ。たとえば家康のように・・・

 明日のスポーツ紙には、今季の岡田采配を絶賛する記事が躍るだろう。しかし、彼の評価を下すにはまだ時期尚早。もう少し長い目で温かく見てあげてほしい。

 さあ、これから「ビール掛け」が始まる。

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2005年9月 8日 (木)

頑張れプロ野球!

 昨夜、9時過ぎからテレビで中日-阪神戦を見はじめた。結局、延長戦を制したのはタイガースだったが、試合が終わったのは11時過ぎで、応援しているほうもさすがに疲れてしまった。

 評論家的にいえば、今季のカギを握る重要なゲームだっただろう。しかし、見ていてどうもモノ足りない。中日には悪いが、天敵ともいうべきジャイアンツが不在では力が入らないのだ。天の邪鬼(あまのじゃく)かもしれないが、ボクにとっては巨人が憎たらしいほど強いのが理想で、その巨人を倒してこそ溜飲が下がる。ここ数年、プロ野球人気が低迷している原因は、球界の盟主たるジャイアンツの弱体化である。

 最近、公園で野球をしている子供をあまり見かけなくなった。どちらかというとサッカーのほうが人気があって、小学生の男の子たちに聞いたら、プロ野球選手よりもJリーガーになりたいというほうが多いらしい。

 今の子供たちからすると、プロ野球選手よりもJリーガーのほうがカッコいいのだと思う。プロ野球業界の体質の古さが、若い世代にはウケないのだ。井川の長髪や清原のピアスをどうこう言う人がいるが、ボクは個性的でいいと思う。いい大人なんだから、あまり枠にはめたり、過度な管理はしないほうがいい。遠征先での門限なんて論外である。子供じゃあるまいし、プロ選手の体調管理は自己責任だ。スポーツの世界に限らないが、よく働くヤツほどよく遊ぶ(ただし、逆は真ならず!)。 上手に遊んで気持ちを切り替えて、次の仕事で燃焼させるのだ。昔の西鉄ライオンズの黄金時代、遊郭から球場に出勤した猛者(もさ)もいたという。プロの世界は、結果が第一。グランド外のことでガタガタ言うのは大人気(おとなげ)ない。

 それに比べると、Jリーガーたちは自由に青春を謳歌している。ヘアスタイルや服装も、みんな個性的で見ていて楽しい。朝まで飲んでいようが、女の子と遊んでいようが、試合でいいプレーをしてくれたらそれでいい。禁欲主義の精神論は、今の若者にはあまりそぐわない。

 似合わないスーツを着て、みんな同じようなルイヴィトンのカバンを持って遠征していくプロ野球選手の姿を見ていると、何だか情けなくなる。どうしてこんなに没個性的で、行儀良くなってしまったのだろう。プロスポーツは夢を売る商売のハズ。一升瓶を抱えて球場に乗り込んできて、「文句があるか!」とホームランをかっ飛ばすような豪傑が現れたら面白いのだけれど・・・

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2005年8月25日 (木)

再び高校野球

 また、高校野球の話である。今度は、優勝した駒大苫小牧で野球部長の暴力事件が明るみになった。事態を重視した高野連は、事実関係の詳細な報告を求め、場合によっては優勝旗の返還も求めると報道されている。二連覇の快挙に沸いていた地元は、一転して重苦しい空気に包まれているらしい。

 ふと思ったのは、あの明徳義塾の関係者たちは、この事件をどう思っているだろうかということだ。自分たちの事件も、もう少し先まで隠すことができたら甲子園に行けたし、あわよくば優勝できたかも知れない。選手たちに甲子園の土を踏ませてやれなかった関係者の悔恨の情は、察するに余りある。

 いっぽう、急に世間から注目を浴びることになった高野連は、どういう判断を下すのだろうか。大会も終わって、ゆっくり夏休みどころではなくなってしまった。何しろ駒大苫小牧は優勝しているのだから、明徳義塾のとき以上に対応が難しい。

  多少の体罰は、スポーツの世界ではどこでもあることだ。でも、今回はさすがに少し行き過ぎだったようで、関係者の処分は避けられそうにない。しかし、優勝旗の返還となるとまた話は別だ。今回、生徒はむしろ被害者で、暴力事件を起こした指導者やそれを隠蔽した学校関係者の行為についてまで連帯責任を負わされたらたまらない。ところが、昨夜の高野連の会見を見ていたら、優勝旗の返還についても言葉を濁していた。ここはハッキリと、「関係者の処分と優勝の取り扱いは別だ。」と明言してほしかった。

 ボクは、いずれの事件でも、事実関係を調査して適切な処分を行ったうえで、将来に向けての有効な再発防止策を講じることが必要だと考えている。しかし、責任を負わせるのは、当人とせいぜいその管理監督者まででいい。自分で管理できない他人の行動にまで連帯責任を負わせるのは、およそ民主主義国家で行うことではない。

 高野連は、優勝旗はチームではなく学校に与えられるものから、選手たちだけでなく学校全体が身ぎれいでなければならないと考えているようだ。しかし、その中心で頑張ったのは紛れもなく選手たちだ。かれらの努力を無にしてしまうような処分にならないことを祈っている。ここは血の通った「大岡裁き」を期待したい。

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2005年8月22日 (月)

高校野球

 夏の高校野球が終わった。

 若い頃は好きでよく見ていたが、最近は以前ほどの関心がなくなってしまった。忙しくて、ゆっくり見ている時間がないということもあるが、もっと大きな理由は、高校野球につきまとう偽善的な雰囲気や、お涙ちょうだい的な報道のされ方が、少し鼻につきだしたからだ。

 今年も、高知の明徳義塾が部員の不祥事で出場辞退となった。しかも、予選で甲子園切符を手にした後の出場辞退だから、さぞかし残念だっただろうと思う。でも、今どきの高校生のこと、100人近くも部員がいたら、一人や二人の不心得者もいるだろう。それを、連座制で全体責任を問うという考え方にはボクは同調できない。その前提には、「毎日白球を追いかけている高校球児たちはみんな純粋無垢で、悪い子は一人もいないハズ」という建前論がある。でも、誰が考えたって、そんなワケはない。不祥事が起きたら、悪いことをしたヤツだけを辞めさせたら済むことだ。大半のファンは連座制など望んでいない。

 また、体育会系の封建的な上下関係も好きではない。”長幼の序”は人間社会の最低限のマナーだと思うが、スポーツの世界は実力が優先する。飛び抜けた力のある1年生が入ってきたら、上級生はポジションを奪われる。いくら練習を重ねても、素質のある下級生に追い抜かれる。スポーツというのはそういうモノだ。それを、いつまでも先輩後輩の関係にこだわる浪花節的な思考には共感できない。

 マスコミの報道姿勢もどうかと思う。エラーをしても、「記録はエラーです・・・」というように、妙に選手をかばう。何か記録係りに文句でもあるのかと言いたくなる。ピッチャーが打たれても「ここまでよく投げました・・・」。どうして、もっとストレートに「下手くそ!」「へなちょこボール」と言えないのか。今どきの高校生の精神構造は、そんなにヤワじゃないはずだ。あの、腫れ物に触るように何でも美化したがる風潮は、時代錯誤としか思えない。

 要するに、もっとクールに割り切って、純粋にハイレベルの勝負を楽しむという図式にできないかということだ。甲子園に来るために、どんなに血を吐くような練習を重ねたかなんて、ボクにはまったく興味がないし、精神論やスポーツ根性とかいうのはどうも苦手だ。とにかく、甲子園という大舞台で、いいプレーを見せてくれたらそれで充分。冷たいようだが結果がすべてで、そこには余計な修辞は必要ない。

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2005年8月 9日 (火)

愛ちゃんの中国語

 卓球の福原愛ちゃんが、中国スーパーリーグで活躍している。

 驚いたのは、いつの間にマスターしたのか仲間と中国語で話している。現地のインタビューにも流暢な中国語で応対していて、それが立派にサマになっている。しかも、日本人離れした中国人に近い発音のように聞こえる。「現地に早くとけこむには、言葉を覚えるのがいちばんで、大リーグやアメリカツアーに参戦する選手は英語くらい話せないとダメだ」とかねがね思っていたが、まだ16歳の愛ちゃんが見事にそれを実践しているのには、正直舌を巻いた。

 中国語でのやりとりをテレビで見ていて、十数年前のことを思い出した。当時、ボクは中国との合弁事業で、何度か上海に行き来していた。中国本土は初めてだったので、言葉の分かる北京の知人に来てもらったのだが、まったく彼は通訳ができず、苦労して筆談をしていた。そのときの彼の話だと、北京語と上海語は文字で書くと同じだが、発音はまるで違うので聞き取れないのだと言う。ホテルに帰ってテレビをつけたら、確かにニュースに漢字の字幕が出ている。アナウンサーの話す”標準語”を理解できない老人が、まだまだ地方には多いらしい。あとで調べたら、七大方言のほか五十以上の民族独自の言葉があり、北部と南部では、英語とドイツ語ほど言葉の差があるという。

 日本くらいの国土だと人の行き来も多いし、テレビの全国放送も普及しているから、標準語を話せない人はいても、聞いて分からない人はまずいない。東京でも大阪弁が通じないということもない。しかし、さすが中国は広い。ところで、愛ちゃんの言葉はいったい何語なんだろう・・・   そして、その言葉を電波に乗せて中国全土で理解してもらうには、やっぱり字幕がいるのだろうか。 あのトレードマークの「サー!」だけは訳さなくても分かるのかなぁ・・・

 愛ちゃんの笑顔を見ながら、いらぬ心配をしてしまった。

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2005年7月13日 (水)

プロ野球と税制

 プロ野球の話、と言っても球団経営の話である。

 今年は、プロ野球活性化のために、セパ交流戦という初めての企画が実施された。ふだんあまり見る機会のないパリーグの選手を間近に見る機会ができて、プロ野球ファンとしてはなかなか面白かった。

 しかし、今、プロ野球球団で儲かっているのは、巨人と阪神だけらしい。この二つで年間100億円の黒字、それ以外の球団を全部合わせて年間200億円の赤字、トータルでは100億円の赤字と言われている。要は、全体として見ると独立したビジネスとしては成立していないということだ。そして、その赤字分はすべて親会社が損失補てんしている。そんなんでいいの? と言いたいところだが、それを税制が後押ししているのだ。国税庁が昭和29年に出した通達によると、プロ野球球団の赤字は宣伝広告費として親会社の損金にできることになっている。国税庁も、プロ野球を大衆娯楽として定着させるために、ずいぶん思い切った大盤振る舞いをしたものだ。

 それから50年、この通達に甘えて、球界が努力を怠ったのかどうか分からないが、いまだにビジネスとして成立していないというのは情けない話である。だから、親会社から野球のことをあまり知らない球団社長や幹部が送り込まれては、 現場とのトラブルを繰り返している。しかし、これは資本の論理からいうと仕方がないだろう。

 そのなかで、独立採算で頑張っている「広島カープ」は立派である。もともとは市民球団として発足したのだが、一時、経営がキツくなって東洋工業(現マツダ)に支援を求めた。しかし、当時の松田オーナーが「しばらく面倒を見るが、決して私しない」「いずれは東洋の二文字は削って、真の野球会社として成功させる」と言ったとか・・・  どこやらのワンマンオーナーとはえらい違いである。

 そのカープ、残念ながら、現在セリーグの最下位に沈んでいる。 しかし、大企業トップの旦那道楽(札ビラ切ってFAで選手を集めるというやり方)でなく、このような地域に根ざした地道な球団経営(将来性のある地元の高卒選手をとってコツコツ育てる)こそが、プロ野球球団としてあるべき方向だと思う。頑張れ!カープ!

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2005年7月 6日 (水)

長嶋さんへ

 数日前のこと、ジャイアンツの長嶋茂雄終身名誉監督が、東京ドームに姿を見せた。昨年3月に脳梗塞で倒れて以来、治療とリハビリに専念していたようで、1年4ヶ月ぶりにファンの前に現れたことになる。貴賓席から手を振って笑顔を振りまいていたが、周囲に支えられて歩く姿は痛々しく、右腕はマヒが残っているのかポケットに突っ込んだままだった。

 ボクは、昔からアンチジャイアンツで、現役時代のONには、さんざん煮え湯を飲まされたクチである。ボクが子供の頃は常勝巨人軍のV9時代で、とりわけ長嶋は、ここぞというチャンスには滅法強かった。勝ちかけていた試合を、長嶋の一打でひっくり返されたなんて記憶はいくらでもある。長嶋は、相手チームから見ると本当に憎ったらしいイヤな選手だったのである。

 しかし、そのジャイアンツも、ここ数年すっかり弱くなって、観客動員数も減る一方らしい。そこで、窮余の策として、長嶋人気に便乗して巻き返しを狙ったと考えるのは穿った見方だろうか。

 個人的には、あれから数十年たって、過去のウラミツラミはすっかり消えてしまった。ラグビーでいうノーサイドである。ゲームが終わって、しかも現役も引退してしまった人に、いまさら敵も味方もないだろう。済んだことをいつまでも根に持つ執念深き近隣諸国民と違って、ボクはサラッとした典型的な日本人である。今となっては、一人のプロ野球ファンとして、あの時代を熱狂させてもらったことに対する感謝と愛惜の念だけが強い。

 長嶋さんよ。もう、充分ではないか。無理して球場に出てこなくていい。これ以上、辛そうな姿をファンの前に晒さないでほしい。巨人ファンならずとも、みんなで静かに暖かく見守ってあげようよ。

 昭和が生んだ、戦後の三大スターのうち、ひばりと裕次郎が逝き、あとは”ミスター”ことあなただけなのですよ。どうか無理なさらずにお大事に!

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2005年7月 2日 (土)

アニキの一発

 昨夜、テレビをつけたら、ちょうど金本アニキの20号ソロが出て、横浜を逆転したところだった。これで4連勝かと思っていたら、今度は相川の2ランで再逆転されて、結局そのまま負けてしまった。

 今年はセパ交流戦で中日がズルズルと後退し、気がついたら、いつの間にかタイガースが首位に躍り出ていた。しかし、考えてみたら、ロッテやソフトバンクみたいに、先発ピッチャーがいいわけでもないし、打線が飛びぬけて好調ということでもない。他のチームの調子が出ないうちに、いつの間にか抜け出したというのが正直なところだろう。

 でも、そのなかでアニキこと鉄人金本の存在は大きい。今週号の週刊文春によると、チームリーダーとして、若手からの信望は抜群らしい。しかも、練習の虫で、試合が終わった後も、最低30分間は素振りを欠かさないという。ときどき、試合後のヒーローインタビューで話しているのを聞いていても、驕ることなく控えめで嫌味がない。星野前監督が残した最大の遺産は金本だろうと思う。番長こと清原と仲がいいらしいが、存在感があるといってもチームへの貢献度はずいぶん差があるものだ。暑いのが大好きという夏男、今年の夏はどうだろうか。

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