オヤジの証拠
お盆も過ぎて朝夕は少ししのぎやすくなったが、1週間ほど前の話。
ひとりで喫茶店に飛び込んだら、水と一緒に冷たいおしぼりが出てきた。
袋の中で半分硬く凍っている。ゆっくり解(ほぐ)してまず顔に当てる。いっぺんに汗が引く。そして水をひと口飲んで、人心地ついてから、おもむろにアイスティーを注文する。
周囲を見回すと、後から入ってきた男性客がネクタイまで緩めて、首筋から噴き出る汗を拭っている。隣席の若い女性がマユを顰(ひそ)めて視線をそらした。
この季節、どこででもよく見かける光景だ。顔までは許されるが、首筋まで拭くのは立派なオヤジの証拠だとか。さすがにボクもこれはマネしたくない。
ついでに、若い頃、嫌悪感を持っていたオヤジたちの行状の数々。
●切手を貼るのに、舌でなめて濡らす。紙をめくるのに、いちいち指にツバをつける。
●扇子をバタバタして体臭を撒き散らす。
●どこでも領収書をもらう。厚ぼったい財布の中は、札束ならぬ領収書と外れ馬券だらけ。
●公衆トイレで「ガラガラッ!ペッ!」とうがいをして、ついでにタンまで吐く。
●平日のドブねずみスーツはいいとして、休日に着る服がゴルフウェアしかない。特に、白いエナメルの靴と白いベルトは最悪。
●食事のあと、すぐに妻楊枝でスースーする。ひどいのになると、電車の中で直接口に指を突っ込んでいる。またその手で、そのままつり革につかまる。
あなたも、ひとつやふたつ、当てはまりませんか。
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