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2008年5月 8日 (木)

スワンの心

 つい先日、知り合いの女性から聞いた話。

 「私のモットーは、白鳥のようにです」と言うのだが、分かりますか?この意味が…

 白鳥は水面をスイスイと優雅に泳いでいるが、水面下では前進しようと必死でバタバタやっている。華やかな姿の陰には、人並み外れた努力がある。でもそれをけっして他人には悟らせない。

 150%の力を出し切ってクタクタになっていても、外面は涼しい顔。自分が必死で頑張っている楽屋裏など見せたくない。半分くらいの力でやっていて、まだまだ余力があると思わせる。それが彼女のプライドであり美意識なのだ。

 これは非常によく分かる。

 男でも女でも、会うたびに「大変だ!大変だ!」と大仰に言い立てる御仁がいる。いつも待ち合わせには遅れてきて、いろいろと言い訳をする。会っている間もケータイは鳴り放しで、コチラの話などそっちのけ。そしてまた嵐のように消えていく。

 そういう人は、いつでも誰に対してでもそうなのだろう。忙しい!大変だ!という気持ちが心の支えになっているだけで、実はたいした仕事はしていない。

 強いイヌは吼えない。ふだんは泰然自若として、体内に闘志を漲らせてジッとそのときを待つ。そして一瞬のスキを見逃さない。決着がつくのはあっという間だ。

 話は変わって、昨夜の巨人-阪神戦。
 080508tig20080508003_mde00350g08050鉄人金本の鉄人たる所以(ゆえん)を見た。3回表 木佐貫から頭部直撃の死球を受けて、その場にうずくまる金本。凍りつく場内。そして数分後、何ごともなかったかのようにグラウンドへ戻った金本をファンは大歓声で迎える。圧巻は次の打席。目のさめるようなライナー性の打球が右翼席に消えていく。強烈なシッペ返しで、阪神ファンは溜飲を下げたことだろう。

 彼の練習量はチーム一だそうだ。だから周囲の若手も少々のことでは根を上げられない。ぬるま湯に浸っていたチームの体質をすっかり変えてしまったのはこの人。率先垂範こそが真のリーダーの姿である。

 当たり前のように、淡々と顔色ひとつ変えずダイヤモンドを回っていく金本。その姿を見ながら、ふと白鳥の話を思い出していた。

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