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2008年5月 4日 (日)

もったいない

 新聞報道によると、船場吉兆が、鮎の塩焼きや天ぷら、刺身のツマなど、客の食べ残しを他の客に使い回していたらしい。

 こういうことは、他の店でもやっているのだろうか。
 つい先日出席したある会合を思い出した。出席者が20人ほどの座敷の宴会で、平均年齢は50歳半ば。行儀よく座っているのは始めのうちだけで、宴たけなわにもなると、席を動いてあちこちで注しつ注されつ。品数が多すぎるということもあるが、後半の料理はほとんど手付かずのまま。ご飯や香の物に至っては誰も箸もつけない。

 締めの挨拶を聞きながらふと横を見ると、人数分のデザートはまだ盆の上。これは多分再利用するのだろうなと思っていたら、今回の騒ぎである。

 オーナーの目が届く個人経営の割烹なら、ある程度は大目に見よう。しかし大店を構える老舗料亭でこれが常態化されていたとしたら、客への背信行為でしかない。「使えるものはすべて使う」というトップの指示だというが、組織ぐるみでマニュアル化されているところが何とも気味が悪い。

 健康被害がなければ、法的責任は問えないらしいが、一人何万円もする高級料亭であってはならないことだと思う。

 もったいないと思うのなら、残りは客に持ち帰らせるとか、調理場で食べたらいい。

 ちなみに「もったいない」とは仏教用語の「物体(もったい)」を否定する語。物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しむ気持ちを表し、現在では「物の価値を十分に生かしきれず無駄にする」行為を戒める意味で用いられる。

 使い回しで物の価値は生かせても、もてなしの心は失われている。その代償はあまりに大きい。

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