勇気
過ちを犯したときに、素直に部下に謝ることができるだろうか。
自分の判断や指示が間違っていたために、失敗することがある。そんなときに上司から叱責されるのは仕方がない。しかし、自分より目下にある者に対して「悪かった!オレの責任だ」と正直に詫びることができるだろうか。これはなかなか難しいが、そんな魂の懺悔は部下の胸を熱くする。謙虚さは、人間として大切な資質だと思う。
逆ならたくさんいる。若い頃、会社でさまざまな人を見た。いつも手柄をひとりじめにする人。自らの失敗を部下に押しつける人。そんな人は、酒場でさんざん陰口をたたかれていたものだ。
昨日、クルマで聴いていたラジオで、アナウンサーがゲーテの有名な言葉を紹介していた。
「財を失ったら、懸命に働いてとり返したらいい。
名誉を失ったら、挽回すればいい。
勇気を失うくらいなら、人間をやめたほうがいい。」
ここで勇気というのは、謝罪する勇気だという。
彼は、子供との関係を引き合いに出していた。たとえば夏休みの宿題。子供が分からないから教えてほしいという。ところが間違った解き方や答えを教えてしまった。あとで、その誤りを子供から指摘されたとき、素直に子供に謝る勇気があるだろうか。
いくら相手が自分の子供でも、間違いは間違い。つまらない言い訳をしたり、話をすり替えたりするのは卑怯である。正直に非を認めて、子供の土俵にまで降りて一緒に考えて解いてみる。その親の姿を、子供は一生忘れない。
人間関係一事が万事。会社でも家庭でも、けっして頭越しに見下してはならない。
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